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相関係数の求め方と散布図|偏差の積から0.8を計算する図解

相関係数rは何を表し、どう求めるのか。5組の独自データで平均・偏差・積を計算し、r=0でも曲線的な関係が残る例や、単位を変えたときの違いまで図解します。

判断基準 → 実行手順 → 次の一手最終更新 2026/10/21
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相関係数rは何を表し、どう求めるのか。5組の独自データで平均・偏差・積を計算し、r=0でも曲線的な関係が残る例や、単位を変えたときの違いまで図解します。

要点を指し示す女性講師

相関係数が測るのは、二つの量の直線的な関係

ピアソンの相関係数rは、対応する二つの量が、直線的に一緒に増減する程度を−1から1の間で表します。符号は増減の向き、絶対値は直線へのそろい方を表します。傾きそのものでも、一方が他方の原因である確率でもありません。

この記事では、すでにある相関と因果の違いから一歩進め、値を計算する手順を扱います。用いるのは編集部が作った少数の数値例です。GMAP-CTでこの公式計算が必ず出題されるという意味ではなく、データ理解を補う学習として利用してください。

最初に、一行が同じ対象の組になっているか確認する

対象XY
A12
B21
C34
D43
E55
表を1行ずつ読む
  1. 対象
    A
    X
    1
    Y
    2
  2. 対象
    B
    X
    2
    Y
    1
  3. 対象
    C
    X
    3
    Y
    4
  4. 対象
    D
    X
    4
    Y
    3
  5. 対象
    E
    X
    5
    Y
    5

XとYを別々に小さい順へ並べ替えてはいけません。AのXにはAのYを対応させたまま計算します。この例を両列とも1・2・3・4・5に並べ直すと、元にはなかった完全な直線関係を作ってしまいます。

対象、観測時点、単位をそろえます。片方が店舗別、もう片方が全社の月別なら、そのまま五つずつ組にできません。欠測があるときも、残った対応データの範囲が変わることを記録します。数字が同じ件数だけ並んでいることと、適切に対になっていることは違います。

散布図で、計算する前の形をつかむ

5組の対応データは、完全な直線にはならない

細部は図を左右に動かして確認できます。

Xは1、2、3、4、5。対応するYは2、1、4、3、5。相関係数0.8。右上がりの対応:r=0.81234512345XY同じ対象のX・Yを、一つの点にする
図の内容を文章で読む

Xは1、2、3、4、5。対応するYは2、1、4、3、5。相関係数0.8。

数値は独自例。一点が同じ対象のX・Yの組です。

横軸をX、縦軸をYに取り、一対象を一点で示します。Aは(1,2)、Bは(2,1)です。Xが増えるとYも概ね増えていますが、全部の点が同じ直線に載るわけではありません。この配置から正の相関を予想したうえで、次に計算して確認します。

五点だけの例なので、母集団でも同じ強さの関係があると結論する資料ではありません。また、点を観測順に結んで折れ線にすると時系列のように見えるため、ここでは線で結んでいません。軸と観測単位を読んでから、グラフの種類を選ぶことも大切です。

平均からの偏差を掛け、足し合わせる

Xの平均もYの平均も3です。それぞれから3を引いて偏差を出します。平均より両方大きい、または両方小さい組は偏差の積が正になり、逆方向の組は負になります。この積の合計が、直線的な増減の向きを計算する出発点です。

対象Xの偏差Yの偏差偏差の積
A−2−12
B−1−22
C010
D100
E224
合計008
表を1行ずつ読む
  1. 対象
    A
    Xの偏差
    −2
    Yの偏差
    −1
    偏差の積
    2
  2. 対象
    B
    Xの偏差
    −1
    Yの偏差
    −2
    偏差の積
    2
  3. 対象
    C
    Xの偏差
    0
    Yの偏差
    1
    偏差の積
    0
  4. 対象
    D
    Xの偏差
    1
    Yの偏差
    0
    偏差の積
    0
  5. 対象
    E
    Xの偏差
    2
    Yの偏差
    2
    偏差の積
    4
  6. 対象
    合計
    Xの偏差
    0
    Yの偏差
    0
    偏差の積
    8

偏差だけを足すと両列とも0になります。偏差の積なら、同じ向きに動く組と逆向きの組の寄与を合計できます。偏差の二乗和はXが4+1+0+1+4=10、Yも1+4+1+0+4=10です。

分母をそろえると、r=0.8になる

r=偏差の積の合計÷√(Xの偏差二乗和×Yの偏差二乗和)です。この例では8÷√(10×10)=8÷10=0.8。分子の8だけではX・Yの尺度に左右されるため、分母で大きさを調整します。分散や共分散を使う式でも、分母の定義をそろえれば同じ結果になります。

途中で片方だけ件数n、もう片方だけn−1で割った分散を使うと整合しません。分散・標準偏差の分母の違いを確認し、どの定義を採用したかをそろえましょう。片方の値が全件同じなら偏差二乗和が0になり、この相関係数は計算できません。「変化がないからr=0」と置くのは誤りです。

r=0でも、関係がないとは限らない

r=0でも、U字型の関係は残る

細部は図を左右に動かして確認できます。

Xはマイナス2から2、YはXの二乗。U字型の5点だが相関係数0。曲線的な対応:r=0-2-101201234XYXの二乗とYは一致するが、r=0
図の内容を文章で読む

Xはマイナス2から2、YはXの二乗。U字型の5点だが相関係数0。

rが要約するのは直線的な関係。Y=Xの二乗の関係を否定しません。

Xを−2・−1・0・1・2、YをそれぞれXの二乗とします。Yは4・1・0・1・4です。Xの平均0、Yの平均2から偏差の積を足すと、−4+1+0−1+4=0。両方の二乗和は正なのでr=0になります。

それでもY=Xの二乗という関係は完全にあります。左側ではXの増加に伴いYが下がり、右側では上がるため、直線的な増減を要約するrでは打ち消し合います。rが小さい資料ほど、散布図に曲線、集団の混在、極端な点がないかを戻って確認します。

単位変更と符号の変更を分ける

Xを10倍しても、分子は10倍、分母も10倍となり、rは0.8のままです。Xへ100を足した場合も、平均との差は変わりません。一方でYを−1倍すると増減の向きが逆になり、rは−0.8です。単位の正の倍率変更と、軸の意味を逆にする操作は区別します。

相関係数には単位がありませんが、YをXで予測する直線の傾きには単位があります。同じr=0.8の二組でも、Xが1増えたときのYの変化量が同じとは限りません。相関係数をそのまま売上予測の倍率に使うこともできません。

予測する直線の傾きと、相関係数を分ける

最初の五組へ、切片のある最小二乗の直線を当てはめると、傾きは偏差の積の合計8÷Xの二乗和10=0.8、切片はY平均3−0.8×X平均3=0.6です。この例では予測式がY=0.8X+0.6になります。X=3の予測は3ですが、実際の対応値は4。相関が高めでも、個々の点の値を正確に決める式にはなりません。

元のYを10倍すると、相関係数は0.8のまま、予測する直線はY=8X+6へ変わります。最初の例で傾きと相関係数がたまたま同じ0.8なのは、XとYの偏差二乗和が同じだからです。数字が一致した例だけで、二つの指標を同義語にしないでください。

また、0.8を「原因である確率80%」と呼ぶことはできません。計算から得られたのは、この五組における直線的な対応の要約です。対象を追加・変更した場合は、平均と図を含めて改めて計算します。

外れた点を見つけても、自動的に削除しない

一つの極端な点で相関が大きく変わることがあります。入力ミス、測定条件の違い、本当に大きい対象のどれかを確認し、除外前後の結果と理由を残します。「相関を高くしたい」という都合だけで削除すると、分析の対象を変えてしまいます。

少数の例で0.8を計算できたことは、統計的な有意性や将来の予測精度の証明ではありません。因果関係を論じるには、別の原因、時間の順序、比較方法も必要です。学習では「rの数値」「図の形」「そこから言える範囲」を別の文で説明すると、計算と主張の飛躍を点検できます。

復習は、組を保つ・計算する・図へ戻るの順に

最初に対象の対応を保ち、平均、偏差の積の合計、二乗和、rの順に計算します。その後、散布図の向きとrの符号が一致するかを確認してください。式だけを記憶するより、列を並べ替えたら何が壊れるか、正の倍率変更ならなぜrが変わらないかまで説明する方が応用につながります。

もう一度自分で確かめるなら、最初のYを5・4・3・2・1に置き換えます。Xとの完全な右下がりの直線になりr=−1です。同じデータでも何を対応させたかで結果が変わるため、元の表を残して検算しましょう。

次の学習と確認資料

相関と因果 / 分散と標準偏差 / データ理解 / CT対策ガイド

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確認資料:NIST:ピアソンの相関係数(2026年10月21日確認)。図解と練習例は当編集部が別途作成しています。

確認資料:NIST:散布図で見る関係(2026年10月21日確認)。図解と練習例は当編集部が別途作成しています。

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