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全体像・読み進め方を確認する
一緒に増えたことと、原因で増えたことは別です。独自の散布図と比較表で、逆因果・第三の要因・前後比較の限界を整理。仕事のデータ読解とGMAP-CTの仮説検証を練習します。
この記事を読む3ステップ
最初に全体像をつかみ、必要なところから読めます。
相関関係は動きの関連、因果関係は原因と結果
相関関係は、二つの量の間に関連した動きが見られることです。因果関係は、ある要因が別の結果を生じさせる関係です。散布図で右上がりの傾向が見えても、それだけで横軸の量が縦軸の量を増やしたとは判断できません。
| 見ること | 分かること | まだ分からないこと |
|---|---|---|
| 同じ期間の二つの量 | 大きい値同士が対応するなどの傾向 | どちらが原因か、第三の要因はないか |
| 施策の前と後 | 指標がどれだけ変化したか | 施策がなかった場合にどうなったか |
| 比較群との差 | 別の群と変化の幅が違うか | 群の条件や同時施策が同じか |
表を1行ずつ読む
- 見ること
- 同じ期間の二つの量
- 分かること
- 大きい値同士が対応するなどの傾向
- まだ分からないこと
- どちらが原因か、第三の要因はないか
- 見ること
- 施策の前と後
- 分かること
- 指標がどれだけ変化したか
- まだ分からないこと
- 施策がなかった場合にどうなったか
- 見ること
- 比較群との差
- 分かること
- 別の群と変化の幅が違うか
- まだ分からないこと
- 群の条件や同時施策が同じか
総務省統計局の散布図の解説も、散布図で見える関連と因果の区別を示しています。以下は公開統計の転載ではなく、読み方を説明するために作った架空データです。
散布図の具体例:研修時間と売上が一緒に高い
架空の5店舗について、同じ月のスタッフ研修時間と売上を集計しました。A店は2時間・18万円、B店は4時間・24万円、C店は6時間・20万円、D店は8時間・32万円、E店は10時間・36万円です。
各点は1店舗・同じ月。両軸はゼロ基準。実測統計ではなく独自の説明用データです。値は本文の表でも確認できます。
全体として研修時間の長い店舗ほど売上が高い傾向があります。ただしC店はB店より研修時間が長くても売上は低く、すべての点が一方向に並ぶわけではありません。傾向を見ることと、どの店舗でも同じ関係が成り立つと言うことは別です。
| 店舗 | 研修時間(時間) | 売上(万円) |
|---|---|---|
| A | 2 | 18 |
| B | 4 | 24 |
| C | 6 | 20 |
| D | 8 | 32 |
| E | 10 | 36 |
表を1行ずつ読む
- 店舗
- A
- 研修時間(時間)
- 2
- 売上(万円)
- 18
- 店舗
- B
- 研修時間(時間)
- 4
- 売上(万円)
- 24
- 店舗
- C
- 研修時間(時間)
- 6
- 売上(万円)
- 20
- 店舗
- D
- 研修時間(時間)
- 8
- 売上(万円)
- 32
- 店舗
- E
- 研修時間(時間)
- 10
- 売上(万円)
- 36
この5件から「研修を2時間増やせば売上が一定額増える」と計算して実行することはできません。同じ店舗の研修時間を変えた結果を見ていないうえ、店舗規模や立地などをそろえていないからです。
見分けるために考える、三つの説明
- 研修 → 売上研修が接客を改善した可能性
- 売上 → 研修売上が大きく、研修に投資できた可能性
- 店舗規模 → 研修と売上の両方スタッフ数などの第三の要因の可能性
矢印は検討する仮説であり、確認済みの因果関係ではありません。三つが排他的とも、すべての説明を網羅しているとも限りません。
- 研修→売上:研修によって接客が改善し、売上が増えた可能性。
- 売上→研修:売上が大きい店舗ほど研修費や時間を確保できた可能性。
- 店舗規模→両方:スタッフの多い大型店は、研修時間の合計も売上も大きかった可能性。
三つは考えられる説明の例で、どれかが実際に正しいと示した図ではありません。複数の関係が同時に存在する場合もあります。「第三の要因があり得る」ことだけで、研修の効果がないと断定するのも行き過ぎです。
まず時間の前後関係、店舗規模、研修前の売上、担当人数などを確認します。総研修時間を一人当たりに直せば規模の違いを一つ整理できますが、それだけで立地や客層の違いまで消えるわけではありません。
追加情報が主張を強めるか弱めるかは補強・反駁の練習、仮説の立て方は演繹法と帰納法の使い分けへ。
例題:施策後に20増えたら、効果も20か
別の架空ケースです。施策を実施した店舗Aの売上指標は80から100へ、未実施の店舗Bは90から110へ変化しました。二店舗の指標は同じ単位・同じ期間で測定しています。Aの施策の効果は20と断定できますか。
| 店舗 | 実施前 | 実施後 | 変化 |
|---|---|---|---|
| A:施策あり | 80 | 100 | +20 |
| B:施策なし | 90 | 110 | +20 |
| 変化の差 | — | — | 20−20=0 |
表を1行ずつ読む
- 店舗
- A:施策あり
- 実施前
- 80
- 実施後
- 100
- 変化
- +20
- 店舗
- B:施策なし
- 実施前
- 90
- 実施後
- 110
- 変化
- +20
- 店舗
- 変化の差
- 実施前
- —
- 実施後
- —
- 変化
- 20−20=0
解答:20とは断定できません。Aが20増えたことは事実ですが、施策のないBも20増えており、共通の季節要因などで増えた可能性があります。単純な変化の差は0です。しかし、これだけで施策の因果効果が正確に0と証明されたわけでもありません。
比較の前提として、もともとの傾向が似ているか、顧客層が変わっていないか、同時に別の施策がないかを確かめる必要があります。Bが適切な比較対象でないなら、その変化をAの「施策がなかった場合」とみなすことはできません。
この表は比較を考える入口です。本格的な効果測定では、実行可能性と倫理面を確認した上で無作為な割付や、事前期間を含むデータの分析などを検討します。比較表一つを万能な判定法として使わないでください。
相関係数だけを見て判断しない
一般に使われるピアソンの相関係数は、二つの量の直線的な関係を表す指標です。絶対値が大きくても因果関係を証明するものではありません。また、0に近くても曲線的な関係が残ることがあるため、「まったく関係がない」と即断しないようにします。
散布図では外れた点、別の集団の混在、値の範囲が狭くないかも見ます。本記事では架空5店舗から将来の売上を予測する式や、相関係数の強さを一律に良い・悪いと判定する基準は作りません。判断の目的とデータの取り方によって、必要な確認が異なるためです。
分母・期間・単位の確認はデータ理解の独自例題、確認すべき要因の整理はロジックツリーの作り方で練習できます。
仕事とGMAP-CTで使う、結論を急がないチェックリスト
- 何が観察されたか:件数・率・期間を正確に言い直す。
- 何を主張しているか:関連の説明か、原因の断定かを分ける。
- 別の説明はあるか:逆因果、第三の要因、対象の偏りを考える。
- どの情報が必要か:仮説を区別できる追加データを選ぶ。
CT学習では、本文や図表で示された情報だけからどこまで言えるかを練習します。現実にありそうな説明を勝手に事実として追加するのではなく、「可能性として残る」と「資料から確認できる」を分けます。
図表と仮説の組合せは論証2の独自例題、考える姿勢はクリティカルシンキングの具体例を参照してください。無料6問・12分は読み方を試す入口であり、これらの概念の出題頻度や本番得点を保証するものではありません。
よくある質問
相関が強ければ因果関係も強いですか?
相関の強さだけでは因果関係の有無や強さを判断できません。原因の向きや第三の要因、データの集め方を追加で確認します。
相関がないなら因果関係もありませんか?
そうとは限りません。直線的な相関が弱くても、曲線的な関係や集団による違いがある場合があります。散布図と背景を確認します。
施策の前後で比べるだけでは不十分ですか?
変化の確認には役立ちますが、季節や他の施策でも変化し得ます。施策がなかった場合との比較が課題であり、比較対象の条件も点検します。
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有料模試の独自スコアは学習用の参考指標であり、本番の予測点・合否判定ではありません。無料6問では能力判定・推定スコア・ランクは表示しません。
▶ GMAP-CT 無料6問を試す(12分)※本サイトは独立した非公式の試験対策コンテンツであり、株式会社グロービス/GMAPの公式サービスとは関係ありません。試験の形式や出題範囲は実施回・実施企業により異なる場合があります。
