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正の相関は推移する?|AとB、BとCが正でもAとCが負になる例

相関を「大きい・小さい」の順序と同じようにつなぐと誤ります。3組の架空データから+0.5・+0.5・−0.5を検算し、別の2変数間へ結論を移せない理由を図解します。

判断基準 → 実行手順 → 次の一手最終更新 2026/10/21
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相関を「大きい・小さい」の順序と同じようにつなぐと誤ります。3組の架空データから+0.5・+0.5・−0.5を検算し、別の2変数間へ結論を移せない理由を図解します。

要点を指し示す女性講師

二本の正の関係を、三本目へつないでよいか

「AとBには正の相関がある。BとCにも正の相関がある。したがってAとCも正の相関がある」という説明は、もっともらしく聞こえます。しかし相関は、二つの変数が平均からどうずれるかの組合せです。Bという共通の相手がいても、残るAとCの関係を同じ符号とは決められません。

相関係数の意味や二変数の計算は相関係数を独自データで検算する記事で扱います。ここでは三変数の関係をつなぐ推論に絞ります。下のデータは編集部の自作例で、GMAPの公式問題や特定企業の測定値ではありません。

自作データ:同じ三つの対象で、三指標を測る

三つの対象について指標A・B・Cを測り、次の値を得たとします。どの列も平均は100です。同じ行が同じ対象を示し、欠測値はありません。AとBを比べるときだけ別の対象を使う、といった標本の入替えもしていません。

対象ABC
対象19999100
対象2100101101
対象310110099
表を1行ずつ読む
  1. 対象
    対象1
    A
    99
    B
    99
    C
    100
  2. 対象
    対象2
    A
    100
    B
    101
    C
    101
  3. 対象
    対象3
    A
    101
    B
    100
    C
    99

元の値の大小だけでなく、列ごとの平均100からのずれを計算します。Aは−1・0・+1、Bは−1・+1・0、Cは0・+1・−1です。それぞれのずれの合計は0で、ずれの二乗和は1+0+1=2となります。

AとB、BとCの相関は、どちらも+0.5

Pearsonの相関係数は、平均からのずれの積の合計を、両変数のずれの二乗和の平方根の積で割ります。AとBのずれの積は(−1)×(−1)、0×1、1×0なので、合計は1。分母は√2×√2=2で、相関係数は1÷2=+0.5です。

BとCでは、ずれの積が(−1)×0、1×1、0×(−1)となり、やはり合計1。分母も2なので+0.5です。両方に正の相関があるという前提は、この自作データで実際に満たされています。

図解|平均100からのずれを、組ごとに点で比べる

細部は図を左右に動かして確認できます。

平均100からのずれを、組ごとに点で比べるAとB(横A・縦B)−10+1r=+0.5+1−1BとC(横B・縦C)−10+1r=+0.5+1−1AとC(横A・縦C)−10+1r=−0.5+1−1各点は同じ対象1〜3。実際の因果の矢印ではない。
図の内容を文章で読む

平均100からのずれを、組ごとに点で比べる

AとCを直接計算すると、−0.5になる

AとCのずれの積は(−1)×0、0×1、1×(−1)で、合計は−1です。分母は同じ2なので、相関係数は−1÷2=−0.5になります。AとB、BとCの二組は正ですが、AとCの一組は負です。

組合せずれの積の合計分母相関係数
AとB+12+0.5
BとC+12+0.5
AとC−12−0.5
表を1行ずつ読む
  1. 組合せ
    AとB
    ずれの積の合計
    +1
    分母
    2
    相関係数
    +0.5
  2. 組合せ
    BとC
    ずれの積の合計
    +1
    分母
    2
    相関係数
    +0.5
  3. 組合せ
    AとC
    ずれの積の合計
    −1
    分母
    2
    相関係数
    −0.5
図解|二本が正でも、三本目は負になり得る

細部は図を左右に動かして確認できます。

二本が正でも、三本目は負になり得るABCA―C:−0.5+0.5+0.5すべて同じ三対象から計算相関の線であり、原因の向きは表さない
図の内容を文章で読む

二本が正でも、三本目は負になり得る

これは「正・正なら正」という一般的な主張への反例です。前提を両方満たしたうえで、結論だけが成り立たないデータを一つ作れば、必ず成り立つという主張を否定できます。相関から因果を判断する議論を持ち出さなくても、この段階で結論への飛躍を示せます。

「AはBより大きい」と同じようにはつながらない

数の大小なら、A>BかつB>CからA>Cを導けます。相関の正負をその大小関係と同じように扱うと、誤りが起こります。「共通の指標と似た動きをする」という説明と、全体を一列に並べられるという説明は異なります。

また、正の相関は「すべての観測でAが増えるとBも必ず増える」という意味ではありません。この三対象でも、対象2から3ではAは100から101へ増え、Bは101から100へ減っています。それでも全体のPearson相関は+0.5です。一つの増減の向きと、全データの指標を分けます。

一つ反例があっても、相関は自由に組み合わせられるとはいえない

この例から「三本目の相関はどんな値でも自由」と考えるのは、反対方向の言い過ぎです。三つの相関係数は同じデータから計算するため、互いに制約があります。今回示したのは+0.5・+0.5・−0.5が共存する具体例で、任意の三つの数値が同時に実現するという証明ではありません。

たとえば、ばらつきのある同じ標本でAとBが完全な正の直線関係、BとCも完全な正の直線関係なら、AとCも完全な正の直線関係になります。「一般には推移しない」という説明から、この特殊条件まで否定しないようにします。与えられた相関が単に正なのか、完全な+1なのかも確認点です。

対象・期間・欠測が違う表は、さらに慎重に比較する

ここまでの反例は、対象も期間も完全にそろえています。現実の表では、AとBは全店舗、BとCは特定地域だけ、というように集計対象が異なることもあります。その場合は同じBという列名があっても、一つの三変数データとして関係をつないでよいかを先に確認します。

平均からのずれを求める母集団、対応する観測、欠測の扱いが変われば、比較している関係も変わります。集団と個人の対応や相関と因果の違いと混同せず、「どの二変数をどの対象で直接比べたか」を表へ書き込みます。

CTの復習では、前提と結論の組を図にする

A―BとB―Cに正の符号を書き、A―Cの線は未確認のまま残します。続いて結論を否定できるデータがあるかを調べます。本記事のように同じデータで+0.5・+0.5・−0.5が出れば、図の三本目へ正を補う理由はありません。

  1. 前提で与えられた二変数の組を、別々の線として書く。
  2. 共通の変数があっても、結論の組を直接測ったかを確認する。
  3. 必要なら平均からのずれで全組を計算し、反例を確かめる。
  4. 一般的な主張と、完全な直線関係などの追加条件を区別する。

反例の作り方では、元の条件まで壊した反例になっていないかを復習できます。式の暗記だけでなく、どの線が情報から決まり、どの線がまだ決まらないかを説明する練習につなげます。

次の学習と確認資料

相関係数の具体的な計算 / 相関と因果の区別 / 条件を満たす反例の作り方

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この記事の図・数値・ケースは編集部独自の学習用です。公式問題や過去問の再現ではなく、出題頻度や合格を保証しません。当サイトは非公式の対策サービスです。

確認資料:NIST Dataplot:Pearson相関の定義と計算(2026年10月21日確認)。図解と練習例は当編集部が別途作成しています。

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学習図解ライブラリ:図を保存して復習・勉強会に使う

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