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相関を「大きい・小さい」の順序と同じようにつなぐと誤ります。3組の架空データから+0.5・+0.5・−0.5を検算し、別の2変数間へ結論を移せない理由を図解します。
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最初に全体像をつかみ、必要なところから読めます。
二本の正の関係を、三本目へつないでよいか
「AとBには正の相関がある。BとCにも正の相関がある。したがってAとCも正の相関がある」という説明は、もっともらしく聞こえます。しかし相関は、二つの変数が平均からどうずれるかの組合せです。Bという共通の相手がいても、残るAとCの関係を同じ符号とは決められません。
相関係数の意味や二変数の計算は相関係数を独自データで検算する記事で扱います。ここでは三変数の関係をつなぐ推論に絞ります。下のデータは編集部の自作例で、GMAPの公式問題や特定企業の測定値ではありません。
自作データ:同じ三つの対象で、三指標を測る
三つの対象について指標A・B・Cを測り、次の値を得たとします。どの列も平均は100です。同じ行が同じ対象を示し、欠測値はありません。AとBを比べるときだけ別の対象を使う、といった標本の入替えもしていません。
| 対象 | A | B | C |
|---|---|---|---|
| 対象1 | 99 | 99 | 100 |
| 対象2 | 100 | 101 | 101 |
| 対象3 | 101 | 100 | 99 |
表を1行ずつ読む
- 対象
- 対象1
- A
- 99
- B
- 99
- C
- 100
- 対象
- 対象2
- A
- 100
- B
- 101
- C
- 101
- 対象
- 対象3
- A
- 101
- B
- 100
- C
- 99
元の値の大小だけでなく、列ごとの平均100からのずれを計算します。Aは−1・0・+1、Bは−1・+1・0、Cは0・+1・−1です。それぞれのずれの合計は0で、ずれの二乗和は1+0+1=2となります。
AとB、BとCの相関は、どちらも+0.5
Pearsonの相関係数は、平均からのずれの積の合計を、両変数のずれの二乗和の平方根の積で割ります。AとBのずれの積は(−1)×(−1)、0×1、1×0なので、合計は1。分母は√2×√2=2で、相関係数は1÷2=+0.5です。
BとCでは、ずれの積が(−1)×0、1×1、0×(−1)となり、やはり合計1。分母も2なので+0.5です。両方に正の相関があるという前提は、この自作データで実際に満たされています。
細部は図を左右に動かして確認できます。
図の内容を文章で読む
平均100からのずれを、組ごとに点で比べる
AとCを直接計算すると、−0.5になる
AとCのずれの積は(−1)×0、0×1、1×(−1)で、合計は−1です。分母は同じ2なので、相関係数は−1÷2=−0.5になります。AとB、BとCの二組は正ですが、AとCの一組は負です。
| 組合せ | ずれの積の合計 | 分母 | 相関係数 |
|---|---|---|---|
| AとB | +1 | 2 | +0.5 |
| BとC | +1 | 2 | +0.5 |
| AとC | −1 | 2 | −0.5 |
表を1行ずつ読む
- 組合せ
- AとB
- ずれの積の合計
- +1
- 分母
- 2
- 相関係数
- +0.5
- 組合せ
- BとC
- ずれの積の合計
- +1
- 分母
- 2
- 相関係数
- +0.5
- 組合せ
- AとC
- ずれの積の合計
- −1
- 分母
- 2
- 相関係数
- −0.5
細部は図を左右に動かして確認できます。
図の内容を文章で読む
二本が正でも、三本目は負になり得る
これは「正・正なら正」という一般的な主張への反例です。前提を両方満たしたうえで、結論だけが成り立たないデータを一つ作れば、必ず成り立つという主張を否定できます。相関から因果を判断する議論を持ち出さなくても、この段階で結論への飛躍を示せます。
「AはBより大きい」と同じようにはつながらない
数の大小なら、A>BかつB>CからA>Cを導けます。相関の正負をその大小関係と同じように扱うと、誤りが起こります。「共通の指標と似た動きをする」という説明と、全体を一列に並べられるという説明は異なります。
また、正の相関は「すべての観測でAが増えるとBも必ず増える」という意味ではありません。この三対象でも、対象2から3ではAは100から101へ増え、Bは101から100へ減っています。それでも全体のPearson相関は+0.5です。一つの増減の向きと、全データの指標を分けます。
一つ反例があっても、相関は自由に組み合わせられるとはいえない
この例から「三本目の相関はどんな値でも自由」と考えるのは、反対方向の言い過ぎです。三つの相関係数は同じデータから計算するため、互いに制約があります。今回示したのは+0.5・+0.5・−0.5が共存する具体例で、任意の三つの数値が同時に実現するという証明ではありません。
たとえば、ばらつきのある同じ標本でAとBが完全な正の直線関係、BとCも完全な正の直線関係なら、AとCも完全な正の直線関係になります。「一般には推移しない」という説明から、この特殊条件まで否定しないようにします。与えられた相関が単に正なのか、完全な+1なのかも確認点です。
対象・期間・欠測が違う表は、さらに慎重に比較する
ここまでの反例は、対象も期間も完全にそろえています。現実の表では、AとBは全店舗、BとCは特定地域だけ、というように集計対象が異なることもあります。その場合は同じBという列名があっても、一つの三変数データとして関係をつないでよいかを先に確認します。
平均からのずれを求める母集団、対応する観測、欠測の扱いが変われば、比較している関係も変わります。集団と個人の対応や相関と因果の違いと混同せず、「どの二変数をどの対象で直接比べたか」を表へ書き込みます。
CTの復習では、前提と結論の組を図にする
A―BとB―Cに正の符号を書き、A―Cの線は未確認のまま残します。続いて結論を否定できるデータがあるかを調べます。本記事のように同じデータで+0.5・+0.5・−0.5が出れば、図の三本目へ正を補う理由はありません。
- 前提で与えられた二変数の組を、別々の線として書く。
- 共通の変数があっても、結論の組を直接測ったかを確認する。
- 必要なら平均からのずれで全組を計算し、反例を確かめる。
- 一般的な主張と、完全な直線関係などの追加条件を区別する。
反例の作り方では、元の条件まで壊した反例になっていないかを復習できます。式の暗記だけでなく、どの線が情報から決まり、どの線がまだ決まらないかを説明する練習につなげます。
次の学習と確認資料
相関係数の具体的な計算 / 相関と因果の区別 / 条件を満たす反例の作り方
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この記事の図・数値・ケースは編集部独自の学習用です。公式問題や過去問の再現ではなく、出題頻度や合格を保証しません。当サイトは非公式の対策サービスです。
確認資料:NIST Dataplot:Pearson相関の定義と計算(2026年10月21日確認)。図解と練習例は当編集部が別途作成しています。
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