GMAP対策Web問題集・模試
GMAP-BF STRATEGY GUIDE攻略ガイド

分散投資のリスク計算|標準偏差を単純平均できない理由

二つの資産を半分ずつ持つ自作例で、同じ期待収益率でも相関によって標準偏差が変わる理由を図解。ρ=1・0・−1、配分70対30、分散と標準偏差の単位を検算します。

判断基準 → 実行手順 → 次の一手最終更新 2026/10/21
学習ナビゲーター
学習ナビゲーター
今日の学習ゴール

今の課題に合う判断基準を見つけ、次の学習を具体的に決めましょう。

読みたい内容を選ぶ
まず結論

この記事の要点

保存した記事
文字サイズ・保存状態本文の文字(この端末に保存)

保存状態を確認しています…

目次:読みたい項目を選ぶ
全体像・読み進め方を確認する

期待収益率の加重平均と、リスクの計算を分ける

資産AとBに半分ずつ投資するとき、全体の期待収益率は各資産の期待収益率を半分ずつ掛けて足します。しかし標準偏差まで同じように平均すると、二つの資産が一緒に動く条件を落としてしまいます。本記事では、収益率の組合せを表にして、その違いを計算します。

概念の全体像はリスクとリターン・分散投資の基本で扱っています。ここでは平均・分散で測る枠組みに対象を絞り、分散と相関の式を実際の数値につなげます。資産名と数値は架空の学習例で、特定の投資商品や公式試験の問題ではありません。

自作例:それぞれは20%かマイナス10%になる

AもBも、一期間の収益率が50%の確率で+20%、50%の確率で−10%になるとします。各資産の期待収益率は0.5×20+0.5×(−10)=5%。期待値からの差は+15ポイントと−15ポイントで、分散は0.5×15²+0.5×(−15)²=225ポイント²、標準偏差は15ポイントです。

収益率を小数で書けば、期待値0.05、分散0.0225、標準偏差0.15です。225と0.0225が違うのは、収益率を百分率の数値で表したか、小数で表したかによります。分散を計算した後に平方根を取る操作と、単位の変換を忘れないようにします。

逆に動く場合:半分ずつなら全体はどちらも5%

まず、Aが+20%ならBは−10%、Aが−10%ならBは+20%になるとします。二つの状態の確率はそれぞれ50%。初めに投資額の50%ずつを持ち、一期間の途中で売買しないと仮定します。借入、空売り、税金、取引費用はありません。

状態Aの収益率Bの収益率半分ずつの全体
状態1・確率50%+20%−10%0.5×20+0.5×(−10)=5%
状態2・確率50%−10%+20%0.5×(−10)+0.5×20=5%
図解|逆方向の二状態:半分ずつなら全体は同じ

細部は図を左右に動かして確認できます。

逆方向の二状態:半分ずつなら全体は同じ初めの投資額を50%ずつ配分状態1:確率50%A +20%B −10%0.5×A+0.5×B → 全体 +5%状態2:確率50%A −10%B +20%0.5×A+0.5×B → 全体 +5%全体は5%・5%。このモデルの標準偏差0
図の内容を文章で読む

逆方向の二状態:半分ずつなら全体は同じ

どちらの状態でも全体は5%なので、このモデルの収益率の標準偏差は0です。AもBも標準偏差15ポイントだから、平均して15ポイントとする計算では、この相殺が見えません。ただし、実際にこのような完全な相殺を実現できるという意味ではありません。

同じ方向に動けば、二つに分けても標準偏差15ポイント

次に、AとBが同時に+20%になる状態と、同時に−10%になる状態を各50%とします。各資産単独の期待収益率5%・標準偏差15ポイントは先ほどと同じですが、半分ずつの全体も+20%か−10%になります。全体の期待収益率は5%、標準偏差は15ポイントです。

逆に動く場合と同じ方向に動く場合は、それぞれ相関係数ρが−1、+1の例です。資産を二つ持ったという数だけでは、標準偏差の低下は決まりません。個別の分布が同じでも、どの結果が同時に起こるかが違います。

二資産の式で相関を入れて検算する

正の配分wA・wBを使い、合計を1とすると、全体の分散は「wA²σA²+wB²σB²+2wAwBρσAσB」です。σAとσBは各資産の標準偏差、ρは相関係数です。最後に平方根を取ると全体の標準偏差になります。相関の項を省けば、一般の二資産の式ではなくなります。

今回の半分ずつ・各15ポイントを入れると、分散は0.25×225+0.25×225+2×0.5×0.5×ρ×15×15=112.5+112.5ρです。ρが+1なら225、0なら112.5、−1なら0。標準偏差は順に15、約10.61、0ポイントとなります。

図解|相関だけを変えた、半分ずつの標準偏差

細部は図を左右に動かして確認できます。

相関だけを変えた、半分ずつの標準偏差A・B:各15ポイント/期待収益率各5%ρ=115ρ=010.61ρ=-10横方向:全体の標準偏差(ポイント)いずれも期待収益率は5%
図の内容を文章で読む

相関だけを変えた、半分ずつの標準偏差

ρ=0の例は、A・Bの上下を独立に組み合わせた四つの状態を各25%にすれば作れます。全体の収益率は20%、5%、5%、−10%です。期待値5%からの差を二乗して平均すると112.5で、式と一致します。一般に相関0だけから独立とは断定できませんが、この自作例では独立を明示して作っています。

逆相関でも、配分を変えれば相殺しきれない

最初の逆方向の二状態で、A70%・B30%へ配分を変えます。状態1の全体収益率は0.7×20+0.3×(−10)=11%、状態2は0.7×(−10)+0.3×20=−1%。期待値は引き続き5%ですが、その周囲で+6ポイントと−6ポイントに分かれるため、標準偏差は6ポイントです。

完全に逆に動く二資産でも、どんな比率で持っても変動が消えるわけではありません。今回半分ずつで消えたのは、標準偏差が同じで、相関が−1という条件がそろったためです。相関だけでなく、各資産の変動の大きさと投資比率を合わせて確認します。

配分・相関期待収益率標準偏差
50対50・ρ=+15%15ポイント
50対50・ρ=05%約10.61ポイント
50対50・ρ=−15%0ポイント
70対30・ρ=−15%6ポイント

何のリスクを測っているか、式の外も確認する

ここで0になったのは、仮定した一期間の収益率の標準偏差です。信用、流動性、取引費用、構成の変化などをすべて含む安全性の保証ではありません。過去の相関が将来も一定であるという保証もなく、実際の判断には対象期間や推定方法が関わります。

MITの公開講義資料では、ポートフォリオの分散へ各資産の分散と共分散が関わることが説明されています。本記事の二状態・四状態の数字は、その関係を確かめるための独自例です。CAPMのβや要求収益率を求めた計算とは別なので、5%という期待値を将来の確定利回りとして扱わないでください。

復習では、相関の項を抜いた誤答を説明する

  1. 各資産の期待値と、期待値からのずれを計算する。
  2. 対象期間と投資比率をそろえ、同時に起きる状態を確認する。
  3. 分散の式へ比率の二乗と相関の項を入れる。
  4. 平方根を取り、百分率の数値か小数かを確認する。
  5. 期待収益率・標準偏差・実現する収益率を別々に説明する。

式を暗記した後も、最初の二状態を足してみると検算できます。全体が5%と5%にそろうなら標準偏差0という直観と、相関を入れた式の結果が一致します。分散と標準偏差、相関係数の計算で、それぞれの部品を復習できます。

次の学習と確認資料

リスクと分散投資の基礎 / 分散・標準偏差の計算 / 相関係数の読み方

考え方を確認したら、問題・解説の見本、登録不要の無料6問を確認できます。教材条件は料金ページで確認してください。

この記事の図・数値・ケースは編集部独自の学習用です。公式問題や過去問の再現ではなく、出題頻度や合格を保証しません。当サイトは非公式の対策サービスです。

確認資料:MIT OpenCourseWare・Andrew W. Lo:Risk Analytics and Portfolio Theory、Slide 15〜19(2026年10月21日確認)。図解と練習例は当編集部が別途作成しています。

無料の6問で、問題と解説を試しましょう

6科目から1問ずつ。会員登録なしで独自問題と解説を体験できます。科目全体の実力や本番スコアを判定するものではありません。続けて学びたい方は、無料登録後に残り16問へ進めます。

▶ 登録不要・無料の6問を始める

※本サイトは独立した非公式の試験対策コンテンツであり、株式会社グロービス/GMAPの公式サービスとは関係ありません。試験の形式や出題範囲は実施回・実施企業により異なる場合があります。

学習図解ライブラリ:図を保存して復習・勉強会に使う

↑