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年平均成長率(CAGR)の計算|単純平均と複利の違いを図解

100→150→120の成長率を平均すると15%なのに、毎年15%増では同じ結果になりません。期間の数え方、倍率、ゼロ・負の値の注意を独自ケースで整理します。

判断基準 → 実行手順 → 次の一手最終更新 2026/10/11
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100→150→120の成長率を平均すると15%なのに、毎年15%増では同じ結果になりません。期間の数え方、倍率、ゼロ・負の値の注意を独自ケースで整理します。

要点を指し示す女性講師

平均したいのは「率の合計」か「最終値への倍率」か

年平均成長率は、最初と最後の値を同じ一定の倍率でつなぐための率です。各年の成長率を足して年数で割った単純平均とは目的が異なります。数量が前年を基準に増減する場合、変化は足し算ではなく倍率の掛け算でつながります。人数の加重平均とも別の計算です。

たとえば初年度100、1年後150、2年後120なら、最初の成長率は50%、次は−20%です。単純平均は15%ですが、100を毎年15%ずつ増やすと132.25になり、120に届く経路とは一致しません。どの平均を求めるのかを問題文の目的から判断し、平均という言葉だけで公式を決めないようにします。

独自ケース:100から120への2年間を同じ倍率にする

一定の年成長率をgと置くと、100×(1+g)×(1+g)=120です。したがって1+g=√1.2、gは約9.54%になります。各年の実際の成長率が50%と−20%であっても、最初と最後だけを同じ倍率で結ぶ換算値は約9.54%です。実際に毎年この率で増えたという意味ではありません。

同じ終点120でも、途中の経路は異なる
実際:開始:100(指数)
実際:1年後:150(指数)
実際:2年後:120(指数)
一定倍率:約9.54%/開始:100(指数)
一定倍率:1年後:109.54(指数)
一定倍率:2年後:120(指数)

0150(指数)

共通の0〜150の尺度。緑の一年後は小数第2位表示、倍率は√1.2。CAGRは実際の途中の変動を表しません。独自の指数例です。

時点実際の値毎年約9.54%の換算経路
開始100100
1年後150約109.54
2年後120120
表を1行ずつ読む
  1. 時点
    開始
    実際の値
    100
    毎年約9.54%の換算経路
    100
  2. 時点
    1年後
    実際の値
    150
    毎年約9.54%の換算経路
    約109.54
  3. 時点
    2年後
    実際の値
    120
    毎年約9.54%の換算経路
    120

中間点が大きく違っても最終値が同じになることが、CAGRの読み方の限界です。途中の急落や変動の大きさはこの数字だけでは分かりません。売上の報告を比較するときも、始点・終点に加え、年度ごとの推移を読む必要があります。

公式のnは、データの個数ではなく成長する区間数

始点をS、終点をE、同じ長さの区間数をnとすると、CAGR=(E÷S)の1/n乗−1です。2023年末100、2025年末121なら区間は2年で、CAGRは10%です。「2023、2024、2025の三つの年だから3で割る」と考えると、区間を一つ多く数えてしまいます。

日付を横に並べ、その間に矢印を描いて区間を数えると誤りを防げます。半年ごとのデータで求めた一期間の率を、そのまま年率と呼ぶのも不適切です。期間の長さをそろえてから比較してください。指数の基準年と実数の扱いは指数・増減率の読み方で確認できます。

プラスとマイナスの率は、いったん倍率に直す

20%増なら1.2倍、20%減なら0.8倍です。二期間を続けると1.2×0.8=0.96倍で、元の値より4%小さくなります。20%と−20%の単純平均がゼロでも、最終値が同じとは限りません。成長率の百分率そのものを掛けるのではなく、1を足した倍率を掛けます。

この場合の一定期間成長率は√0.96−1で約−2.02%です。概算するときも、最後に「一定倍率を二回掛けて元の0.96倍になるか」を検算します。電卓で何を入力したかよりも、数式の意味を一文で説明できることが大切です。丸めた率を途中で繰り返し使うと、終点との差が生じます。

ゼロ・負の値・資金の出入りでは、同じ式を機械的に使わない

始点がゼロならE÷Sを計算できません。利益が赤字から黒字へ変わった場合も、売上など正の数量の成長率と同じ意味でCAGRを解釈できません。「−100から100へ回復したので通常の年成長率」とする前に、何を測る指標なのかを確認します。

また、外から追加投資をした資産残高が増えても、その増加をすべて運用収益とはみなせません。この記事は正の数量・同じ範囲・同じ長さの期間による学習ケースです。買収で集計範囲が変わった売上、期中の入出金を含む実際の投資成績などへ無条件に適用するものではありません。

読み比べでは、期間・基準・経路の三点を確認

復習には「100→121、2区間、10%」と小さなケースを書き、10%を二回掛けて121へ戻ることを確かめます。次に100→150→120を比べると、単純平均と一定倍率の違いが見えます。同じCAGRの企業があっても、売上規模、利益、現金、途中の変動まで同じとは判断できません。

単年度の増減は割合の逆算、集団をまとめる平均は加重平均へ。どの公式も「平均ならこれ」と暗記するのではなく、足し合わせたい量なのか、掛け合わせたい倍率なのかを先に区別します。

期間数の数え間違いを、年末の点で直す

2023年末100、2024年末110、2025年末121を横に並べると、点は三つでも矢印は二本です。成長率を掛けるのは矢印の本数なので、121÷100の平方根を使います。三乗根を使うと約6.56%になり、それを二回掛けても121には戻りません。始点と終点の年の数ではなく、経過した区間数を見ることが重要です。

「2023年度から2025年度」のように、年度の集計値が示される資料では、年度末値か年度合計かも区別します。売上の年度合計同士を比べる年平均の伸び率は計算できますが、期中の残高が毎年同じ倍率で増えたことを意味しません。数式が同じでも、指標の意味まで同じになるわけではありません。

CAGRが同じ二社を、同じ成績と判断しない

A社が100→150→120、B社が100→90→120なら、始点と終点の比は両方1.2なので二年間のCAGRは同じ約9.54%です。しかしA社は二年目に減少し、B社は二年目に回復しています。成長の安定性や直近の勢いを問われたら、年別の値や増減率を確認しなければ判断できません。

さらに売上のCAGRが高くても利益やキャッシュが増えたとは限りません。数量・単価・買収による範囲変更などが影響するためです。解答時は「何の指標の、どの二時点を、何区間で換算したか」を添えて、単一の率から経営状態全体へ主張を広げないようにします。

確認課題として、100→90→120の一年ごとの成長率を求めてください。−10%と約33.33%で、単純平均は約11.67%になります。A社とCAGRが同じでも単純平均は異なります。始点・終点だけを使う指標と、途中の変化も使う指標では、保持している情報が違うと説明できれば理解が深まります。

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考え方の確認資料:OpenStax:幾何平均(2026年10月11日確認)。数表・図・事例は当編集部が独自に作成しました。参考資料の例題・図の転載ではありません。

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