指数に直す前に、元の数量と分母を確認する
売上800百万円と従業員40人は、単位が異なるので高さを直接比較できません。それぞれの基準年を100として指数にすると、その後何倍になったかを同じ軸で比較できます。ただし、同じ高さでも実額や人数が等しいという意味にはなりません。
指数=対象年の値÷基準年の値×100です。売上の指数120は基準年から20%増を表し、売上120百万円という意味ではありません。期間や基準年が異なる指数を混ぜないように、グラフのタイトルと注記を先に確認します。
独自例題:売上は増えたが、生産性はどれだけ変わったか
ある会社の売上高と平均従業員数は下表のとおりである。対象範囲・売上の集計方法は各年で同じとし、1人当たり売上高は年間売上高を当年の平均従業員数で割る。2023年から2025年の変化について正しいものを選べ。
| 年度 | 売上高(百万円) | 平均従業員数(人) |
|---|---|---|
| 2023 | 800 | 40 |
| 2024 | 900 | 45 |
| 2025 | 990 | 44 |
表を1行ずつ読む
- 年度
- 2023
- 売上高(百万円)
- 800
- 平均従業員数(人)
- 40
- 年度
- 2024
- 売上高(百万円)
- 900
- 平均従業員数(人)
- 45
- 年度
- 2025
- 売上高(百万円)
- 990
- 平均従業員数(人)
- 44
- A:1人当たり売上高は23.75%増加した
- B:1人当たり売上高は13.75%増加した
- C:1人当たり売上高は12.5%増加した
- D:2024年の1人当たり売上高は2023年より12.5%増加した
解説:総額の伸びを、人数の伸びで割る
正解はCです。2023年は800÷40=20百万円/人、2024年は900÷45=20百万円/人、2025年は990÷44=22.5百万円/人です。2023年からの増加率は(22.5−20)÷20=12.5%となります。
- 売上高
- 平均従業員数
- 1人当たり売上
各系列は2023年=100。縦軸は90〜130で、0を省略しています。売上と人数の線は2024年まで重なります。実額の大きさや因果関係を示す図ではありません。
2025年の1人当たり指数:123.75 ÷ 110 × 100 = 112.5
2023年からの増加率は12.5%。
Aの23.75%は売上総額の増加率です。Bは売上の23.75%増から人数の10%増を引いていますが、1人当たりの変化は単純な引き算ではありません。Dは2024年の売上総額12.5%増を1人当たりへ読み替えており、人数も12.5%増えていることを落としています。
指数でも同じ結果を確かめられます。売上指数123.75を人数指数110で割り、100を掛けると112.5です。分子と分母を逆にしていないか、増加率12.5%と指数112.5を混同していないかを点検します。
率の差と比率の変化は、計算が違う
| 求めたいもの | 計算 | 答え |
|---|---|---|
| 売上の増加率 | 990÷800−1 | 23.75%増 |
| 人数の増加率 | 44÷40−1 | 10%増 |
| 二つの増加率の差 | 23.75%−10% | 13.75ポイント |
| 1人当たりの増加率 | 1.2375÷1.10−1 | 12.5%増 |
表を1行ずつ読む
- 求めたいもの
- 売上の増加率
- 計算
- 990÷800−1
- 答え
- 23.75%増
- 求めたいもの
- 人数の増加率
- 計算
- 44÷40−1
- 答え
- 10%増
- 求めたいもの
- 二つの増加率の差
- 計算
- 23.75%−10%
- 答え
- 13.75ポイント
- 求めたいもの
- 1人当たりの増加率
- 計算
- 1.2375÷1.10−1
- 答え
- 12.5%増
増加率の差を求める設問なら13.75ポイントは正しい計算です。しかし今回尋ねられているのは1人当たりです。計算結果に見覚えがあるから選ぶのではなく、求めたい指標の定義へ戻ります。率が小さいと引き算が近似になることはありますが、正確な値を選ぶ問題で無断の近似は使いません。
グラフから言える変化と、まだ言えない原因
この表では2024年から2025年に売上が増え、平均従業員数が減り、1人当たり売上高が上昇したと言えます。一方で、設備投資、値上げ、外注、人員配置の変更など、どれが原因かは書かれていません。効率が上がったと一言で結論づける前に、指標が何を測っているかを確認します。
1人当たり売上高は利益率や労働時間を反映しません。外注費が増えていれば利益は減るかもしれず、労働時間が増えていれば時間当たりの生産性は別の動きになるかもしれません。これらは追加調査の候補であり、本文にない事実として採用するものではありません。
分母を変えた応用で、理解を確認する
2025年の売上990百万円が同じでも、平均従業員数が48人だったらどうでしょうか。1人当たりは20.625百万円で、2023年の20百万円から3.125%増になります。人数が増えたら必ず1人当たりが下がる、というわけではなく、売上との相対的な増え方で決まります。
層ごとの人数の違いは加重平均の例題、比較からの意思決定は論証2で練習できます。時間配分では、計算前に指標を一行で定義する時間も含めて測りましょう。
公式との区別と、練習の目的
グロービスの受験科目案内では、数表・グラフの読み取りや条件からの推理などがCTの測定対象として説明されています(確認日:2026年9月9日)。本記事は、それらの考え方を練習する独自の例題です。特定の形式の出題数・頻度を公式が約束しているという意味ではありません。
問題・図解は公式問題・過去問の転載や再現ではなく、当サイトのオリジナルです。本番の出題、難易度、得点上昇、合格を保証しません。当サイトはグロービスの公式サービスではありません。
よくある質問
指数が同じなら元の数値も同じですか?
いいえ。各系列を別々の基準値で100にしている場合、同じなのは基準からの倍率です。売上100と人数100の実数や単位は異なります。
1人当たりの伸び率は、売上の伸び率から人数の伸び率を引けば出ますか?
正確には倍率で割ります。(1+売上増加率)÷(1+人数増加率)−1です。記事では1.2375÷1.10−1=12.5%となり、単純な差13.75ポイントとは異なります。
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