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同じ2資産でも、相関によって全体の標準偏差が変わる
両資産とも標準偏差20%、各50%を同じ期間保有する独自例。期待収益率や実現利益の保証ではありません。 各項目を押すと、本文の該当箇所へ進めます。
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リスクとは「ばらつき」のこと
ここでは平均・分散アプローチのリスク指標として標準偏差を扱います。ファイナンス全体でリスクがこの一指標だけに限定されるわけではありません。信用・流動性・下方への損失など、目的に応じ別の測り方もあります。
この枠組みのリスク指標は期待収益率の周りのばらつき(標準偏差)。上振れも下振れも、両方ともリスクです。
測る道具は標準偏差です。標準偏差が大きいほどこの指標のリスクは高いといえますが、総変動が大きければ期待収益も必ず高いとはいえません。CAPMが報酬の対象とする市場リスクと、分散可能な固有リスクを分けます。
分散で低減できるリスクと市場への感応度
| 種類 | 別名 | 原因 | 分散との関係 |
|---|---|---|---|
| アンシステマティック・リスク | 個別リスク・ユニークリスク | その企業固有の事情(不祥事、経営判断) | 適切な分散で低減できる |
| システマティック・リスク | 市場リスク | 景気、金利、為替など市場全体 | 単に銘柄数を増やしても除去できない |
銘柄数だけでなく構成比と連動性が重要です。市場要因への感応度は資産ごとに異なり、同じ銘柄数でも集中度や総リスクは変わります。保有数を増やせば必ずリスクが下がるとは限りません。
グラフの読み方
分散に伴い固有リスクが低下する典型的な模式図では、銘柄数・配分・対象市場等の仮定を読みます。実際の出題頻度や現実の全ポートフォリオの形状を保証する図ではありません。その下がりきらない部分がシステマティック・リスクです。
CAPMが個別リスクを無視する理由
CAPMは市場との連動性(β)だけを使い、個別リスクを織り込みません。
CAPMの前提の下では、分散可能な固有リスクへの上乗せ報酬は要求収益率に含めず、市場への感応度βを使います。現実に取引費用もなく、任意の配分で全リスクが消えるという説明ではありません。
モデルの期待収益率と実現収益率を区別します。CAPM以外の価格付けモデルもあり、モデルの式だけで投資成果を保証しません。
ポートフォリオの期待利回りの計算
複数の銘柄を持つとき、全体の期待利回りは各銘柄の期待利回りを投資比率で加重平均して求めます。
計算例
A株に60%(期待利回り10%)、B株に40%(期待利回り5%)を投資した場合。
0.6 × 10% + 0.4 × 5% = 6% + 2% = 8%
ひっかけ/単純平均(10と5を足して2で割る=7.5%)にする選択肢が用意されます。投資比率で重みづけするのが正しい計算です。
リスクは加重平均にならない
期待収益率は加重平均ですが、標準偏差には資産間の相関も必要です。正の比率で二資産を持つ場合、完全な正の相関(+1)なら標準偏差は加重平均と等しく、相関が+1未満なら(双方の標準偏差が正の場合)それより小さくなります。必ず小さいとはいえません。
効率的フロンティアとマーケット・ポートフォリオ
同じリスクなら最も高い利回り、同じ利回りなら最も低いリスクとなる組み合わせを結んだ線が効率的フロンティアです。
CAPMの市場ポートフォリオは全てのリスク資産を時価構成比で持つ理論上の組合せで、モデルの前提の下で効率的とされます。フロンティア上の任意の点という意味ではありません。株価指数を実務上の代理に用いる場合も、債券や他の資産まで全て含む理論上の市場とは範囲が異なります。
例題で確認する
問 ポートフォリオの期待利回りを求める正しい計算方法はどれか。
- (A) 各銘柄の期待利回りに投資比率を掛けて足し合わせる
- (B) 組み入れた全銘柄の利回りを足して、銘柄数で割る
- (C) 最も高い利回りの銘柄の値をそのまま使う
- (D) 最も低い利回りの銘柄の値をそのまま使う
解答:(A)
(A) が一般的な計算方法です。(B) は等額投資などで一致する場合はありますが、比率が異なる一般の場合には使えません。(C)・(D) は他の資産の配分を無視しています。例えば60%・40%なら8%となり、最大10%・最小5%・単純平均7.5%とは異なります。
確認した資料と復習
CFA Institute:CAPMと市場・固有リスクの公開概要
確認日:2026年9月9日。数値・設問は独自の理解確認です。公式問題の再現、出題頻度の調査、初見の習得診断ではありません。
用語の境界を比較し、ケースで確かめる
ファイナンスの用語を比較するでは、似た言葉の違いを短い定義と具体例で整理し、図解・独自ケース・条件変更の確認問題につなげています。
リスク指標の計算自体を学び直すなら、有限データから求める分散と標準偏差へ進めます。ポートフォリオの相関とは分けて、偏差の二乗と平方根を確認できます。
よくある質問
リスクが高いほど必ず儲かるのですか?
いいえ。実現収益の保証はなく、総変動が大きいだけで期待収益まで高いとは限りません。CAPMでは市場への感応度を用い、分散可能な固有リスクへの報酬は含めません。
何銘柄くらい持てば分散できますか?
一律の銘柄数では決まりません。配分の偏り、個別の変動、銘柄間の相関、対象市場を確認します。分散で損失を完全に防げるという保証でもありません。
同じ2資産でも、相関によって全体の標準偏差が変わる
両資産とも標準偏差20%、各50%を同じ期間保有する独自例。期待収益率や実現利益の保証ではありません。 各項目を押すと、本文の該当箇所へ戻れます。
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この単元、いま何問解けますか
登録なしで、その場で解けます。読んで分かったつもりでも、4択になると迷うのがこの単元です。
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第1問/全3問 同じ一年の期待収益率がAは10%、Bは5%で、初期投資額をAに70%、Bに30%配分する。期間中の追加資金・売買・費用は考えない。全体の期待収益率はいくらか。
(A) です。0.7×10%+0.3×5%=8.5%。(B) はAだけ、(C) は二つの率を投資比率なしで合計した値、(D) は等額投資の単純平均です。期待値の計算であり、実現収益率が8.5%になるという保証ではありません。
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第2問/全3問 同一期間の標準偏差がともに20%の二資産を50%ずつ保有する。売り持ち・追加投資はなく、相関係数が+1の場合と0の場合を比べる。全体の標準偏差の組合せとして正しいのはどれか。
(B) です。分散は0.5²×0.2²+0.5²×0.2²+2×0.5×0.5×0.2×0.2×相関係数。+1なら√0.04=20%、0なら√0.02≒14.1%です。(A) は+1でも半減すると誤認、(C) は単体の標準偏差を単純合計、(D) は完全逆相関−1の場合と取り違えています。
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第3問/全3問 CAPMの前提の下で、市場への感応度βが等しい二資産のうち、一方だけ企業固有の変動が大きいとする。モデルによる期待収益率の説明として最も適切なのはどれか。
(C) です。CAPMでは無リスク利子率+β×市場リスクプレミアムを使います。(A) は分散可能な固有リスクまで報酬の対象としています。(B) はモデルの期待値と実現値を混同し、(D) はリスクが価格付けされないことと存在しないことを混同しています。
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