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全体像・読み進め方を確認する
平均5でも散らばりは同じではありません。4個ずつの独自データを使い、偏差の二乗、分母、単位、平行移動と倍率まで計算して確かめます。
この記事を読む3ステップ
最初に全体像をつかみ、必要なところから読めます。
平均を出した後に、何を知りたいのか
平均と中央値は、中心を要約する値です。分散と標準偏差は、平均の周囲にどれほど散らばっているかを要約します。同じ平均の集団でも、中心に集まった組と両端へ広がった組があります。中心の指標だけを見て「ほぼ同じデータ」と判断しないことが出発点です。
本記事は平均・中央値と欠測の読み方とは役割を分け、すべての値が分かる有限データの散らばりを計算します。以下の数値は独自の学習例で、実際の受験成績や利用者の処理時間ではありません。公式の必須出題項目や頻度を示す記事でもありません。
独自ケース:AもBも平均5、中央値5
Aは4・5・5・6、Bは1・5・5・9とします。どちらも合計20、件数4なので平均5です。小さい順の中央二つも5・5で、中央値5。ところが最大値と最小値の差はAが2、Bが8です。まず点の位置を見て、平均だけでは隠れる違いを確認します。
独自データ各4件。点の縦位置は重なりの回避で、横位置だけが値です。AもBも平均・中央値5。
図の点は一つが一件で、値5にある二件を上下に並べています。縦方向は値の大小ではなく重なりを避けるための配置です。点の大きさや面積で件数を表していません。同じ横軸で比べるから、Bの両端がAより遠いことを読み取れます。
偏差をそのまま足すと、違いが消える
各値から平均5を引いたものが偏差です。Aの偏差は−1・0・0・1、Bは−4・0・0・4。どちらも足すと0になります。正と負が打ち消し合うため、偏差の合計では散らばりを区別できません。そこで偏差を二乗し、非負の量に変えてから合計します。
| 組 | 平均からの偏差 | 二乗の合計 | 4で割った分散 |
|---|---|---|---|
| A | −1、0、0、1 | 1+0+0+1=2 | 0.5 |
| B | −4、0、0、4 | 16+0+0+16=32 | 8 |
表を1行ずつ読む
- 組
- A
- 平均からの偏差
- −1、0、0、1
- 二乗の合計
- 1+0+0+1=2
- 4で割った分散
- 0.5
- 組
- B
- 平均からの偏差
- −4、0、0、4
- 二乗の合計
- 16+0+0+16=32
- 4で割った分散
- 8
二乗するのは符号を消すだけでなく、大きな偏差を強く反映する操作です。絶対値の平均でも散らばりの別指標は作れますが、それは分散と同じではありません。式に「二乗」が指定されているのに絶対値へ置き換えないようにします。
標準偏差は分散の平方根で、単位も戻る
この4個全体を母集団として扱うなら、分散は偏差平方和を4で割り、Aが0.5、Bが8です。標準偏差はその平方根なので、Aは約0.707、Bは約2.828。Bの標準偏差はAの4倍、分散は16倍です。平方根を取る前後で倍率が違う点に注意してください。
- A:−1・0・0・1平方和2 → 4で割ると分散0.5 → 標準偏差約0.707
- B:−4・0・0・4平方和32 → 4で割ると分散8 → 標準偏差約2.828
- BとAの倍率分散16倍 / 標準偏差4倍
4件全体を母集団として記述する計算。推定用の不偏分散では分母が3になります。
元の値が分なら分散の単位は分²、標準偏差は分です。ただし標準偏差を「平均から何分も離れた人が何人いる」と直接読むことはできません。何割が一定の範囲に入るかを述べるには、分布の形や追加の条件が必要です。点が四つあるだけで正規分布とは決めません。
分母はnかn−1か:集計目的と指定を確認する
データ全体の記述としてn=4で割る計算と、標本から母分散を推定するためn−1=3で割る不偏分散は区別します。後者ならAは2/3、Bは32/3で、その平方根は約0.816、約3.266です。同じ数値でも計算の定義が違えば答えが変わります。
「標本だから必ずこの分母」と記憶するより、設問の公式や推定対象を読みます。不偏なのは分散の推定量であり、その平方根まで母標準偏差の不偏推定になるという意味ではありません。ここでは推定の詳しい証明より、目的・分母・式を一致させることを優先します。
全員に3を足しても、散らばりは変わらない
Aの各値に3を足すと7・8・8・9になり、平均は8です。偏差は依然−1・0・0・1なので、分散0.5、標準偏差約0.707は変わりません。位置が右へ移っただけです。一方、各値を2倍にすると8・10・10・12で、平均10、偏差も2倍になります。
2倍した組の分散は2、標準偏差は約1.414です。一般に各値をa倍すると分散はa²倍、標準偏差は|a|倍。負の倍率では並び順が反転しても散らばりは負になりません。平均との差を式へ代入すると、単位換算と位置の変更を区別できます。
範囲・外れ値・変動係数を混ぜない
最大値と最小値の差である範囲は、両端だけで決まります。Aを4・4・6・6へ変えると範囲2と平均5は同じでも、分散は1になります。内側の二件を動かす効果を範囲だけでは捉えられません。散らばりの指標が何を使い、何を捨てているかを確認します。
極端な値は分散へ強く影響しますが、見た目だけで消してはいけません。入力ミスか、正当な観測か、対象が違うかを調べます。標準偏差÷平均で作る変動係数も、平均が0に近い値や負の値、意味のあるゼロ点を持たない尺度では解釈に注意が必要です。無条件の比較順位にはしません。
追加ケース:平均が同じでも、並び替えでは散らばりは変わらない
Bを9・1・5・5の順で記録しても、元の1・5・5・9と分散8、標準偏差約2.828は同じです。分散は観測の順番でなく値の集合から計算するためです。一方、時系列として「いつ大きな値が出たか」を知るなら順番にも情報があります。同じ散らばりだから経過も同じ、という結論にはしません。
散らばりの図と時系列の折れ線は、答える疑問が違うため、図を選ぶ目的も書きます。
四件すべて5へ変えると、偏差はすべて0で、分散も標準偏差も0です。これはこの四件の値が等しいことを表し、将来の観測も必ず5になるという保証ではありません。記述統計で分かることと、まだ観測していない対象の予測を分けると、報告書で散らばりの小ささを過大評価しにくくなります。
復習:合計と単位へ戻って検算する
四個の値を書き、平均、偏差、偏差の二乗、合計、分散、標準偏差の順で一列ずつ計算します。偏差の合計が0へ戻るか、分散が非負か、平方根の単位が元の値に戻るかを点検してください。丸めるのは途中でなく最後にすると、比較の誤差を減らせます。
次はAを4・4・6・6へ変えて、平均5、分散1、標準偏差1を自力で確かめます。件数が違う二群をまとめる場合は、各群の分散を単純平均すればよいとは限りません。群の平均差も関係するため、元の値や件数へ戻ります。中心の比較、散らばりの比較、母集団についての推測を別の行に記録するのが復習の型です。
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この記事の図・数値・ケースは編集部独自の学習用です。公式問題や過去問の再現ではなく、出題頻度や合格を保証しません。当サイトは非公式の対策サービスです。
確認資料:OpenStax:データの散らばり(2026年10月11日確認)。図解と練習例は当編集部が別途作成しています。
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