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比較の入口は、会社が適用している基準を読むこと
IFRSは国際的な会計基準、日本基準は日本で設定される会計基準です。財務諸表を比べるときは名称の違いだけでなく、実際に適用された基準、年度、連結範囲、見積り、会計方針を確認します。同じ会社でも移行前後の数値を無条件に同じ尺度とみなさないでください。
本記事は学習用の入門で、全基準の差異一覧や個別会社の会計処理への助言ではありません。会計基準の概要は会計基準の基礎、財務諸表のつながりは財務三表を先に確認できます。
一つの違い:企業結合で生じたのれん
日本基準の企業結合では、のれんは20年以内の効果の及ぶ期間で規則的に償却する扱いです。IFRSではのれんを規則的に償却せず、減損の検討を行います。非償却は価値が減らないという意味ではありません。IFRSのIAS36ではのれんの割当て先となる資金生成単位等の回収可能性を扱います。
のれんは買収価格と単なる帳簿純資産との差ではありません。識別可能な資産・負債への取得原価配分を経た残りを扱います。ここではその配分後にのれん100万円が認識されたという仮定から説明します。
独自計算例:同じ現金でも当期利益が違う
取得後の1年間を扱い、のれん100万円、日本基準の償却期間10年・定額、減損なし、税効果なし、その他の条件は同じと仮定します。年間償却は100÷10=10万円です。IFRSの規則的償却は0万円なので、この仮定では償却前利益が同じでも、償却後利益には10万円の差が生じます。
- 配分後ののれん100万円 → 日本基準の仮定10年定額・減損なし → 年間償却10万円
- 同じのれん → IFRSの仮定規則的償却0万円・この例では減損なし
- その他・税効果が同じなら利益差10万円償却で当期に現金10万円を払い直すわけではない
取得後の1年間を扱う独自例。償却期間10年は例の仮定で一律の指定ではありません。実際の差異は注記・基準を確認します。
どちらの会社もこの償却により当期に10万円を現金で払い直すわけではありません。償却費は非資金項目であり、利益の差をそのまま現金収支の差にしてはいけません。この例は償却という一点の比較で、実際の全差異を再現していません。
利益が高い方が、必ず良い経営とは言えない
適用基準の影響、買収の時期、事業内容、資産の見積りが違えば、利益率だけで経営の優劣を確定できません。のれんを償却しない場合でも、減損損失が生じることがあります。帳簿上の費用と資金の流れは分けて読み、必要なら注記へ戻ります。キャッシュフローの読み方も役立ちます。
ASBJでは2026年にのれんの会計処理と開示に関する検討が進められています。検討事項を確定した新基準と扱わず、現行の基準と適用日を確認してください。記事確認日以降の変更は一次資料に戻って確かめます。
比較メモに残す四つの項目
- 適用基準と会計年度をそろえる。
- 比較する利益の段階と連結範囲をそろえる。
- 注記で償却・減損・見積りの条件を読む。
- 利益とキャッシュフローを別々に比較する。
BFの学習では基準名を暗記するだけでなく、条件を変えたとき何の数値に影響するかを説明します。本記事の計算例を、本番問題の再現や実務処理の指示として使わないでください。
次の学習と確認資料
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この記事の図・数値・ケースは編集部独自の学習用です。公式問題や過去問の再現ではなく、出題頻度や合格を保証しません。当サイトは非公式の対策サービスです。
確認資料:ASBJ・企業結合に関する会計基準(2026-10-09確認)。本文の事例・図は当編集部の独自説明です。
確認資料:ASBJ・のれんの会計処理と関連開示の検討(2026-10-09確認)。本文の事例・図は当編集部の独自説明です。
確認資料:IFRS Foundation・IAS36(2026-10-09確認)。本文の事例・図は当編集部の独自説明です。
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