最終更新:2026/08/27
3表はそれぞれ違う問いに答える
| 書類 | 何を示すか | 答える問い | 時間の捉え方 |
|---|---|---|---|
| 貸借対照表(B/S) | 財政状態 | いま何を持ち、誰から調達したか | ある時点 |
| 損益計算書(P/L) | 経営成績 | その期間にいくら儲けたか | 一期間 |
| キャッシュフロー計算書(C/F) | 資金の増減 | 現金がどう動いたか | 一期間 |
B/Sだけが「時点」を切り取ったものです。写真がB/S、動画がP/LとC/Fと考えると分かりやすくなります。
貸借対照表(B/S):調達と運用
左右で必ずつり合う表です。右側が「どこから調達したか」、左側が「それを何に使っているか」を示します。
| 左(資産) | 右(負債・純資産) |
|---|---|
| 流動資産(現金、売掛金、棚卸資産) | 流動負債(買掛金、短期借入金) |
| 固定資産(建物、機械、投資) | 固定負債(長期借入金、社債) |
| 純資産(資本金、利益剰余金) |
純資産の中身
- 資本金:株主から払い込まれた元手
- 利益剰余金:過去に稼いで社内に蓄積した利益
- 自己株式:自社で買い戻した株式(マイナスとして扱う)
配当の原資になるのは利益剰余金です。資本金からは配当できません。
損益計算書(P/L):5つの利益
上から順に費用を差し引いていき、段階ごとに利益が出ます。
| 利益 | 計算 | 何を示すか |
|---|---|---|
| 売上総利益 | 売上高 − 売上原価 | 商品そのものの儲け(粗利) |
| 営業利益 | 売上総利益 − 販管費 | 本業の儲け |
| 経常利益 | 営業利益 ± 営業外損益 | 本業+財務活動の儲け |
| 税引前当期純利益 | 経常利益 ± 特別損益 | 臨時の損益も含めた儲け |
| 当期純利益 | 税引前 − 法人税等 | 最終的に残った儲け |
営業利益が本業の実力を表します。営業外損益には受取利息や支払利息が入り、特別損益には固定資産の売却損益など臨時のものが入ります。
キャッシュフロー計算書(C/F):3区分
| 区分 | 内容 | プラスなら | マイナスなら |
|---|---|---|---|
| 営業CF | 本業での現金の増減 | 本業で稼げている | 本業で現金が出ている(危険信号) |
| 投資CF | 設備投資や資産売却 | 資産を売っている | 積極的に投資している |
| 財務CF | 借入・返済・増資・配当 | 資金を調達した | 返済や還元をした |
投資CFのマイナスは悪いことではありません。将来の成長に向けて投資している状態を示します。逆にプラスが続くのは、資産を売って現金を作っている可能性があります。
健全な形
一般に望ましいのは営業CFがプラス、投資CFがマイナス、財務CFがマイナスという形です。本業で稼ぎ、投資に回し、借入を返している状態です。
利益と現金が違う理由
GMAP-BFで頻出のテーマです。「黒字なのに倒産する」の正体でもあります。
- 売上は計上されたが、代金がまだ入っていない(売掛金)
- 仕入れた在庫にお金を払ったが、まだ売れていない(棚卸資産)
- 減価償却費は費用だが、現金は出ていかない
減価償却費を足し戻す理由
減価償却費は会計上の費用として利益を減らしますが、実際に現金が出ていくわけではありません。だからキャッシュフローを求めるときは足し戻します。ここが繰り返し問われます。
例題で確認する
問 キャッシュフロー計算書において、投資活動によるキャッシュフローが大幅なマイナスである企業の状態として、最も適切なものはどれか。
- (A) 資金繰りが苦しく、保有する設備を次々と売却している
- (B) 本業で現金が稼げていない
- (C) 借入金の返済を優先している
- (D) 将来の成長のために、積極的に設備投資や買収を行っている
解答:(D)
投資CFのマイナスは資産を取得していることを示します。(A) は逆で、資産を売却すれば投資CFはプラスになります。(B) は営業CF、(C) は財務CFの話です。
よくある質問
3表のうちどれから読むべきですか?
目的によりますが、まずP/Lで儲かっているかを見て、B/Sで財務の安定性を確認し、C/Fで現金が回っているかを確かめる順が一般的です。
簿記の知識は必要ですか?
不要です。仕訳は出題されません。各表が何を示すかと、指標の意味が分かれば足ります。
この単元、いま何問解けますか
登録なしで、その場で解けます。読んで分かったつもりでも、4択になると迷うのがこの単元です。
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第1問 ある時点の財政状態を示す財務諸表はどれか。
貸借対照表だけが「時点」を切り取ったものです。損益計算書とキャッシュフロー計算書は一期間の動きを示します。
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第2問 本業の儲けを示す利益はどれか。
営業利益は売上総利益から販管費を引いたもので、本業の実力を表します。経常利益には営業外損益が含まれます。
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第3問 配当の直接的な原資となる純資産の項目はどれか。
利益剰余金は過去に稼いで社内に蓄積した利益です。資本金は株主からの元手であり、そこからは配当できません。
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