苦手意識で後回しにするのが、いちばん損
会計・ファイナンスは「難しそう」という理由で後回しにされがちです。しかし実際は、6科目の中で最も範囲が狭く、短期で仕上がる科目です。
- 問題数が各20問と少ない(他は各30問)
- 覚える公式は10個ほどで足りる
- 問われるのは計算の複雑さではなく、公式の意味
「知らない」から取れないのであって、「難しい」から取れないのではありません。この2科目は、やった分がいちばん素直に返ってきます。
手順1:覚える公式を10個に絞る
会計の教科書を最初から読むと、必ず途中で挫折します。試験に出るものだけに絞ってください。
必要なのは頻出公式一覧にある10個です。それ以外は、出たら捨てるという判断で構いません。4択なので捨てても25%は当たります。
手順2:式ではなく「意味」で覚える
式を丸暗記すると、少し形を変えられただけで対応できなくなります。言葉で説明できる状態を目指してください。
| 公式 | 言葉にすると |
|---|---|
| 損益分岐点=固定費÷限界利益率 | 固定費を、1円売るごとに残る割合で割れば、必要な売上が出る |
| ROE=純利益÷自己資本 | 株主が出したお金で、どれだけ利益を作れたか |
| 流動比率=流動資産÷流動負債 | 1年以内に払うお金を、1年以内に入るお金で賄えるか |
| 現在価値=将来価値÷(1+r)^n | 将来のお金を、今の価値に割り引く |
| NPV=CFの現在価値合計−初期投資 | 投資して、結局いくら増えるのか |
この「言葉にすると」の欄が言えれば、計算問題も知識問題も両方取れます。
手順3:拾える問題に集中する
会計・ファイナンスの20問すべてを取ろうとしないでください。確実に取れる問題を落とさないほうが、スコアへの効き方が大きくなります。
拾いやすい問題の型
- 指標の意味を問うもの(「ROEが上がる要因はどれか」など)
- 財務三表の役割を問うもの(「現金の増減を示すのはどれか」など)
- 用語の定義を問うもの(「限界利益とは何か」など)
深追いしなくていい問題
- 複数期にわたるNPVの詳細計算
- 見慣れない指標の定義を問うもの
- 選択肢の数値が近接している計算問題
計算問題は各科目に数問しかありません。残りは知識問題です。計算が苦手でも、知識問題を確実に取れば平均以上は十分に届きます。
つまずきやすい5つの概念と、その乗り越え方
① 限界利益と粗利益の違い
限界利益は売上−変動費。粗利益(売上総利益)は売上−売上原価です。売上原価には固定費的なものも含まれるため、両者は一致しません。
② 利益とキャッシュが違う理由
減価償却費は費用として利益を減らしますが、現金は出ていきません。だからキャッシュフローを求めるときは足し戻します。ここが「利益が出ているのに現金がない」の正体です。
③ 割引率とは何か
「将来のお金を今の価値に直すときの率」です。リスクが高い投資ほど高い割引率を使い、その結果、現在価値は小さくなります。
④ 自己資本と純資産
実務上はほぼ同義として扱われます。試験では「株主が出したお金と、これまでの利益の蓄積」と理解しておけば足ります。
⑤ 負債は悪ではない
支払利息は損金になるため節税効果があります。適度な負債はWACCを下げ、企業価値を高めます。「無借金経営が常に最善」という選択肢は誤りです。
1週間で平均まで持っていく進め方
| 日 | やること |
|---|---|
| 1日目 | 公式10個を「言葉にすると」の形で書き出す |
| 2〜3日目 | 企業会計の問題を解く。間違えたら公式の意味に戻る |
| 4〜5日目 | ファイナンスの問題を解く。現在価値の考え方を繰り返す |
| 6日目 | 間違えた問題だけを解き直す |
| 7日目 | 時間を計って通しで解く |
この1週間で、何も知らない状態から平均前後までは十分に届きます。範囲が狭い科目だからこそ可能な速度です。
よくある質問
簿記の知識は必要ですか?
不要です。仕訳は出題されません。財務諸表を読んで指標の意味が分かれば足ります。
数学が苦手でも大丈夫ですか?
四則演算ができれば対応できます。使うのは掛け算と割り算が中心で、選択肢が離れていれば概算でも判断できます。
どちらから手を付けるべきですか?
企業会計からです。財務三表という具体物があるぶん理解しやすく、ファイナンスの前提にもなります。
※本サイトは独立した非公式の試験対策コンテンツであり、株式会社グロービス/GMAPの公式サービスとは関係ありません。試験の形式や出題範囲は実施回・実施企業により異なる場合があります。