目次:読みたい項目を選ぶ
全体像・読み進め方を確認する
報告がないから問題もない、と言い切っていませんか。調べた範囲と発見しやすさを確認し、ゼロ件という観測から結論を広げすぎない練習です。
この記事を読む3ステップ
最初に全体像をつかみ、必要なところから読めます。
観測した事実と、存在についての結論を分ける
「相談窓口への報告はゼロ件だった」は記録についての事実です。「困っている社員はいない」は全員の状態についての結論です。間には、困っている人が必ず相談する、記録漏れがない、対象者が窓口を知っている、などの前提があります。
GMAP-CTの論証を学ぶための独自ケースとして、調査と結論の間を点検します。現実の特定企業を評価する記事ではありません。根拠が弱いと指摘することは、逆の結論が正しいと決めつけることでもありません。
独自例題:設備の不具合報告ゼロ
ある工場は「先月の不具合報告がゼロだったので、全設備に不具合はない」と説明しました。不具合の有無は報告フォームだけで把握し、全設備の点検はしていません。この結論を評価する際、どの情報を優先して確認するべきでしょう。
A:フォームの色が変わった。B:作業者の半数はフォームの存在を知らなかった。C:工場の敷地面積が広い。最も直接的なのはBです。不具合があっても報告されない可能性を示し、ゼロ報告と不存在をつなぐ前提を弱めます。
公式問題の再現ではありません。例の数値や仮定を現実へそのまま一般化しないでください。
弱めたからといって、不具合の存在を証明したわけではない
Bが分かっても、本当に不具合が一つもなかった可能性は残ります。正しく言えるのは「ゼロ報告だけでは、全設備に不具合がないと断定できない」です。「不具合が多数ある」とまで進むのは、根拠のない反対方向への飛躍です。
反論問題では、結論が偽だと証明する情報と、根拠から結論を導く力を弱める情報を区別します。設問がどちらを求めるかによって、必要な証拠の強さも違います。補強・反駁の基本も確認してください。
未検出が強い証拠になる条件もある
必ず異常を検知できる仕組みで、対象すべてを漏れなく検査し、記録も正常だった、と問題の前提で保証されているなら、未検出はその検査対象の異常不存在を支えます。「証拠がないことは常に何の証拠にもならない」という逆の決めつけも誤りです。
現実の検査には見逃しや対象外の異常があり得ます。温度異常が未検出だから、部品の摩耗も一切ないとは限りません。何を検出する装置なのか、範囲をそろえる必要があります。保証された理想条件と現実的な条件を分けて読みましょう。
数値例:見逃す検査でゼロが出る可能性
不具合があるとき一回の検査で80%の確率で発見し、各回の結果が独立だと仮定します。不具合があるのに二回とも見逃す確率は20%×20%=4%です。したがって二回未検出でも論理的に不存在が確定するわけではありません。
この4%は「二回未検出だったとき、不具合が存在する確率」ではありません。不具合があるという条件のもとでの観測確率です。逆方向の確率には、不具合がある割合や、不具合がないときの検査結果も必要になります。
独立という仮定を勝手に置かない
二回とも同じ死角を持つカメラで見ていたら、見逃しは独立でない可能性があります。一回で見えない部分は二回目も見えないため、20%を機械的に二乗できません。同じ対象を何度見たかだけでなく、確認手段が変わったかも重要です。
報告ルートを増やす、対象を無作為に点検する、記録システムの稼働を確認するなど、弱い前提に対応した追加調査を考えます。調査回数を増やすことと、調査の偏りを減らすことは別の改善です。
確認問題:掲示板に反対意見がない
任意参加の社内掲示板で新制度への反対投稿がありませんでした。「全社員が賛成」と言えるでしょうか。結論を弱める情報と、逆に支える情報を一つずつ挙げてください。
弱める情報は「実名で上司に見えるため投稿を控えた社員がいる」など。支える情報は「全員へ個別に賛否を確認し、未回答なしで全員が賛成と回答した」などです。ただし後者も回答時点の表明を示すのであって、将来ずっと不満がないことまで保証しません。
逆向きの確率を、人数の表で確かめる
独自の仮定として、対象1,000個のうち10個に不具合があり、不具合ありの10個中8個を検出、2個を見逃し、不具合なしの990個は全て未検出だったとします。未検出は992個で、そのうち不具合ありは2個。未検出中の割合は2÷992で約0.20%です。
不具合ありの中での見逃し率20%とは全く異なります。二つの数値のどちらが正しいかではなく、何を条件にした割合かが違うのです。これは説明用に結果を指定した例であり、現実の検査性能や特定製品の不良率を示す統計ではありません。
「報告が増えた」も、悪化だけでは説明できない
報告数が0件から20件に増えても、不具合自体が増えたとは限りません。窓口が周知された、報告しやすくなった、過去分も記録した、などでも件数は増えます。逆に実態が悪化した可能性もあるため、改善したと即断するのも誤りです。
どちらを見分けたいかを先に決め、同じ方法で点検した設備の不具合率や、発生日と報告日を分けた記録などを検討します。数字の増減を見たら「数え方が変わっていないか」という問いを一つ加えるだけで、因果の飛躍を減らせます。
読む順番:ゼロの対象・調査範囲・見つかる仕組み
何がゼロなのかをまず名詞で残します。報告数か、検査で見つかった数か、全数確認した存在数か。次に対象者や期間の漏れを確認し、存在するなら発見される仕組みかを点検します。これで抽象的な「証拠不足」を具体的に説明できます。
次の練習は条件付き確率の向き、検証の設計へ。CT全体の対策へ戻り、数値だけでなく文章で理由を説明しましょう。
次の学習と確認資料
考え方を確認したら、問題・解説の見本、登録不要の無料6問を確認できます。教材条件は料金ページで確認してください。
この記事の図・数値・ケースは編集部独自の学習用です。公式問題や過去問の再現ではなく、出題頻度や合格を保証しません。当サイトは非公式の対策サービスです。
6問・12分で、CTの6領域を体験する
6領域から各1問を解き、正誤・所要時間・解説を確認できます。6問では能力やランクを判定しません。30問・60分の通し模試はCTパックに含まれます。無料お試しは登録不要。希望する方は登録後に結果を保存できます。
有料模試の独自スコアは学習用の参考指標であり、本番の予測点・合否判定ではありません。無料6問では能力判定・推定スコア・ランクは表示しません。
▶ GMAP-CT 無料6問を試す(12分)※本サイトは独立した非公式の試験対策コンテンツであり、株式会社グロービス/GMAPの公式サービスとは関係ありません。試験の形式や出題範囲は実施回・実施企業により異なる場合があります。
