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名目金利と実質金利の違い|物価と購買力を倍率で計算する

金額が増えても、買える量は同じとは限りません。名目5%・物価2%の独自ケースで、正確な式、引き算近似、複数年、現在価値の整合を図解します。

判断基準 → 実行手順 → 次の一手最終更新 2026/10/11
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名目は金額、実質は購買力の変化

名目金利は金額としての増加率、実質金利は物価の変化を調整した購買力の増加率です。両者の違いは「税引き前と税引き後」ではありません。物価、税、手数料はそれぞれ別の要因なので、実質という言葉だけで何を引いたかを決めないでください。

本記事では一般的な数量関係を独自例で計算します。現在の市場金利や金融商品の利回りを示すものでも、投資判断を推奨するものでもありません。現在価値やWACCの計算へ進む前に、金額と割引率の単位を一致させる基礎です。

独自ケース:10万円が5%増え、物価が2%上がる

一年で100,000円が105,000円になるとします。同じ商品の価格は1,000円から1,020円へ上昇。初めの100,000円で買えるのは100個、一年後の105,000円では約102.941個です。商品の個数は比較のため連続量として計算しており、現実に端数の商品を買えるという意味ではありません。

10万円が5%増えても、買える量は約2.941%増
  • 初め:100,000円 / 単価1,000円購買量100個
  • 一年後:105,000円 / 単価1,020円購買量約102.941個
  • 金額倍率1.05 ÷ 物価倍率1.02実質倍率約1.029412

一つの商品を使う独自比較。購買量は端数も許す計算上の連続量で、税・手数料なし。

金額は5%増えても、買える量は約2.941%増です。105,000÷1,020を105個とすると、商品価格の上昇を落としています。逆に金額から物価の2%を円で引くような計算では、率と金額の単位が混ざります。二つの倍率をそろえて比べるのが出発点です。

正確な式と、引き算による近似を区別する

名目率i、物価上昇率π、実質率rについて、1+r=(1+i)/(1+π)。今回なら1.05÷1.02−1=約0.02941176で、実質約2.941%です。「5%−2%=3%」は近似であり、正確な答えではありません。率は式に入れるとき0.05、0.02へ直します。

正確な計算は引き算でなく、倍率の割り算
  • 名目5%・物価2%(1.05÷1.02−1)×100=約2.941%
  • 逆算:実質3%・物価2%(1.03×1.02−1)×100=名目5.06%
  • 近似は別に記録5−2=3%は近似値。正確な実質率とは区別

予想物価を使う事前の見込みと、実際の物価を使う事後の計算も区別します。市場金利の予測ではありません。

逆向きは1+i=(1+r)(1+π)。実質3%・物価2%なら名目は1.03×1.02−1=5.06%です。単純に5%とする近似では、積の0.06ポイント分を落とします。必要な桁数が指定された計算では、途中で丸めず最後に四捨五入してください。

名目がプラスでも、実質はマイナスになる

名目率物価変化率正確な実質率(約)意味
5%2%2.941%購買力も増える
2%4%−1.923%金額は増えても購買力は減る
0%−2%2.041%金額一定でも購買力は増える

名目2%・物価4%なら1.02÷1.04−1=約−1.923%。名目0%・物価−2%なら1÷0.98−1=約2.041%です。物価が下がるケースでπを正の0.02へ置き換えると、実質の符号が逆になります。分母1+πが何倍になったかを文章でも確認します。

この表は同じ商品の価格を物価の代わりにした計算上の例です。公表される物価指数と自分が買う商品構成は異なるため、個人の生活費変化をそのままこの率で保証するものではありません。マイナスという結果だけから、特定の金融商品や経済政策が悪いとも断定しません。

二年の増加は、年率を二倍するだけではない

名目5%と物価2%が二年とも同じなら、金額の倍率は1.05²=1.1025、物価の倍率は1.02²=1.0404です。実質の二年倍率は1.1025÷1.0404=約1.059689。二年の実質増加率は約5.969%で、年率2.941%を二倍した値とは少し異なります。

年ごとに率が違う場合も、各年の金額倍率の積を、各年の物価倍率の積で割ります。率を足す操作と倍率を掛ける操作を分けてください。年平均成長率と累積倍率を使う場合も、一年あたりの率と期間全体の率を別の欄へ記録します。

現在価値は、金額と割引率の基準を一致させる

今日の購買力で100,000円に相当する一年後の受取を考え、物価2%なら名目受取額は102,000円とします。名目割引率5%で現在価値を求めると102,000÷1.05=約97,142.857円。実質受取100,000円を実質割引倍率1.05/1.02で割っても同じになります。

実質受取100,000円を名目5%で割ると約95,238.095円となり、物価調整を取り違えた別の計算です。名目キャッシュフローには名目割引率、実質キャッシュフローには整合する実質割引率を使います。この一期間の例はリスクを省略しており、実際の企業価値の予測へそのまま使うものではありません。

予想インフレと、実際に起きたインフレを分ける

契約時点では将来の物価変化は分からず、実質率を見込むなら予想物価率を使います。一年後に実際の購買力を振り返るなら実現した物価率を使います。同じ名目率でも、予想が2%で実際が4%なら、事前に見込んだ実質率と事後の実質率は違います。

金利の関係を示す式だけで、将来の物価や市場金利の動きまで確定できません。税率や手数料を考える場合は、受取金額をどのタイミングで調整するかを別途指定します。表に「予想」「実績」「税・費用の扱い」を書き、異なる条件の数値を並べて比較しないようにします。

物価指数で読む:100から104なら、倍率は1.04

物価指数が初め100、一年後104という別の表なら、物価倍率は104/100=1.04です。初めが120、一年後124.8でも倍率は124.8/120=1.04で同じ。指数の差4.8を4.8%と読むのではなく、基準時点の指数で割って4%へ戻します。指数の水準と期間の変化率は別の量です。

名目金額が3%増えるケースなら実質倍率は1.03/1.04、実質率は約−0.962%。名目3%と指数の差4.8を引いて−1.8%とする計算は誤りです。基準年が違う指数を比較する場合も、そのまま大小を比べず、同じ系列・同じ期間で変化倍率を求めます。実質の計算へ進む前に、物価変化率自体の作り方を点検してください。

復習:率を倍率へ変えて、同じ基準へ戻す

最初に期間をそろえ、名目と物価の率をそれぞれ1+率へ変換します。次に名目倍率÷物価倍率を計算し、最後に1を引く。逆算なら二つの倍率を掛けます。答えがマイナスでも、金額が増えたか買える量が増えたかを別々に説明すれば矛盾ではありません。

検算では、実質倍率×物価倍率が名目倍率へ戻るかを確認します。5%・2%の値を丸めず保管し、二年の例と現在価値の例にも使ってみてください。実質率の引き算近似だけを覚えるより、購買量へ戻る計算と一致するかを確かめる方が、倍率や期間が変わる問題にも対応しやすくなります。

次の学習と確認資料

現在価値の基礎 / 割引率とWACC / 債券価格の受取時点

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この記事の図・数値・ケースは編集部独自の学習用です。公式問題や過去問の再現ではなく、出題頻度や合格を保証しません。当サイトは非公式の対策サービスです。

確認資料:OpenStax:名目・実質金利の関係(2026年10月11日確認)。図解と練習例は当編集部が別途作成しています。

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