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固定費の求め方|高低点法で変動費と固定費を分ける

費用総額しか分からないとき、固定費をどう推定するのでしょう。活動量の高い月と低い月から一次式を作り、例外や外挿の限界まで独自データで確認します。

判断基準 → 実行手順 → 次の一手最終更新 2026/09/24
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高低点法では費用の最大・最小ではなく、活動量の最大・最小を使います。変動費単価=費用差÷活動量差、固定費=費用−変動費単価×活動量です。

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費用を、活動量に応じる部分と一定部分へ分ける

配送費や保守費には、毎月一定の契約部分と、利用に応じて変わる部分が混ざることがあります。この例では総費用Y=固定費F+単位変動費v×活動量Qという一次式で近似します。すべての費用がこの式へ完全に従うという意味ではありません。

高低点法は二つの観測点から式を作る簡便法です。費用が少ない月と多い月を選ぶのではなく、活動量が最も少ない月と多い月を選びます。選び方を間違えると、異常費用に引っ張られた別の式になる場合があります。

独自例題1:処理件数と月間費用

同じ体制で業務を行った三か月のデータです。活動量は処理件数とし、まずこの三点の高低点法で固定費と一件当たり変動費を求めてください。

処理件数費用
4月1,000件18万円
5月1,500件22万円
6月2,000件26万円

活動量の最高は6月2,000件、最低は4月1,000件。費用差8万円を件数差1,000件で割り、変動費単価は80円/件です。固定費は180,000−80×1,000=100,000円。6月側へ戻して260,000−80×2,000でも同じ10万円になります。

切片と傾きを、グラフで読む

固定費は切片、変動費単価は傾き
横軸処理件数、縦軸月間費用。1000件18万円、1500件22万円、2000件26万円。直線の切片は固定費10万円、1000件増加で8万円増。

数値・条件は学習用の独自例です。公式問題の再現ではありません。

縦軸は月間費用、横軸は処理件数です。式はY=100,000+80Q。直線の切片10万円が推定固定費、1,000件増加ごとの8万円が変動部分です。5月1,500件を式へ入れると22万円となり、中間点とも一致します。

ただし、グラフを0件まで伸ばして描けることと、実際に完全休業しても10万円が発生することは別です。契約変更や設備停止で費用構造が変わるなら、この式の適用範囲を超えます。ここでの固定費は観測した活動範囲を前提とした推定です。

独自例題2:費用が最大の月を選んではいけない

7月は1,600件、費用30万円でした。一時的な修理費が含まれる可能性があります。4〜7月の四点へ高低点法をそのまま適用する場合、どの二月を選びますか。

活動量の最高・最低は依然として6月と4月なので、先ほどと同じ式になります。費用最大の7月30万円と最小の4月18万円を選ぶ方法ではありません。誤って選ぶと単位変動費は(30−18)万円÷600=200円、固定費は18万円−20万円=−2万円となります。

残差が大きい月を、無視してよいわけではない

正しい高低点の式で7月1,600件を予測すると22.8万円です。実際30万円との差は7.2万円。高低点法が7月を使わないことと、その月の情報が無意味であることは別です。修理、価格改定、処理の難度、測定誤りなどを調べます。

高低点そのものに異常が含まれていれば、二点だけで作った式が大きくずれることもあります。観測点が多い場合は散布図や回帰などで関係を確かめる方法もありますが、まずは同じ業務範囲・期間・費用項目かを確認する必要があります。数字を増やせば自動的に妥当になるわけではありません。

推定した固定費を、利益の判断へつなぐ

一件当たり売上が150円で、今回の式の費用が売上に対応するすべての営業費用だと仮定します。限界利益は150−80=70円/件。利益が0以上になる最小整数件数は100,000÷70=約1,428.57より1,429件です。

1,428件なら売上214,200円−費用214,240円=−40円、1,429件なら214,350−214,320=30円です。四捨五入して1,429と覚えるのではなく、整数件数で赤字にならない最小値へ切り上げています。一般の式は損益分岐点へ。

能力の上限を超えると、固定費も動く

月2,200件を超えると別拠点が必要で固定費が6万円増える、と追加条件があるなら、元の式で3,000件の費用を予測するのは不適切です。単位変動費が同じでも、追加後は16万円+80Qという別の条件になります。

変動費は絶対に一定、固定費は永遠に不変という意味ではありません。対象期間と活動範囲を決めたときの分類です。能力制約がある生産配分はボトルネックの例題、複数条件が変わる場合は感度分析で確認できます。

自分で解く確認問題

活動量800件の月の費用は14万円、1,400件の月は17万円です。同じ費用構造と仮定した高低点法で、単位変動費、固定費、1,000件の予測費用を求めてください。

単位変動費は30,000÷600=50円/件、固定費は140,000−50×800=100,000円。1,000件なら150,000円です。検算ではもう一方へ戻し、100,000+50×1,400=170,000円となることを確かめます。単位を万円と円で混ぜないようにしてください。

損益分岐点の売上から、固定費を逆算する

高低点法とは別に、損益分岐点売上高と変動費率が既知なら、固定費=損益分岐点売上高×限界利益率と逆算できます。分岐点売上40万円、変動費率60%なら、固定費は40万円×40%=16万円です。利益ゼロの条件へ戻すと、売上40万円−変動費24万円−固定費16万円=0になります。

分岐点ではない通常の売上を使うなら、利益も必要です。売上50万円・変動費率60%・利益4万円なら、固定費は50万円×40%−4万円=16万円。利益を引かず20万円とすると、限界利益の全額を固定費と取り違えています。式で使う利益は営業利益など同じ範囲にそろえてください。

応用:二点に合う式でも、因果が証明されたわけではない

件数と費用が一緒に増えたとしても、同じ月に料金改定があったなら、費用増をすべて件数のせいにはできません。高低点法の式は観測値に合う直線を求めますが、その傾きが必ず追加一件の因果的な費用を示すわけではありません。比較期間の契約や業務内容が同じかを確かめます。

例題1で、6月だけ臨時費用2万円を含んでいたと新たに判明したら、単純にそのまま比較するか、通常費用の予測という目的で除外するかを明示する必要があります。除外して24万円とした場合、単位変動費は60円、固定費は12万円となり、元の推定と変わります。追加情報を無視して最初の式を守ることが正確さではありません。

損益分岐点への影響も確認する

上の調整後の式で、一件当たり売上150円を使うなら、限界利益は90円、固定費12万円。利益ゼロの理論件数は約1,333.33件、0以上の最小整数件数は1,334件です。費用の分類の変更が、その後の経営指標にも影響します。

ただし、どちらの式が適切かは追加情報の信頼性と予測目的で決まります。都合のよい利益を出すために臨時費用を除外するのではなく、除外したものと理由を残してください。図と計算を一緒に示すと、仮定が変わった箇所を読み手も確認できます。

復習のチェックリスト

①何を活動量としたか、②最高・最低の選び方は正しいか、③費用差と数量差の期間は同じか、④二点へ戻す検算は合うか、⑤範囲外へ無条件に広げていないか。この五点を順に確認すれば、単なる公式暗記から一歩進んだ説明ができます。

BFの学習順は勉強方法へ。原価の範囲を確認する全部原価・直接原価も関連します。

概念の確認資料:University of Cincinnati Press:費用概念と高低点法(2026年9月24日確認)。以下の数値・設問・図は当編集部の独自作成です。

次の学習と確認資料

計算の基本損益分岐点固定費と利益変動

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