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APVは、資金調達の効果を別に足し引きする
APV(Adjusted Present Value、調整現在価値)は、負債のない事業の価値を基礎に、借入れによる節税効果や資金調達に伴う費用等の現在価値を調整する考え方です。借入額そのものを価値へ足す方法ではありません。
WACC法は資本構成等を割引率へ反映する方法です。APVでは別に計算する効果を、事業価値の側でも入れると二重計上になります。ここでは基本の違いを示す学習例で、企業の実際の評価や投資助言ではありません。
独自ケース:無借金の事業価値500、借入れ100
借入れ100を永久に一定とし、利率5%、税率30%、節税効果を十分利用でき、対応するリスクの割引率も5%という単純化条件を置きます。一年の利息は5、節税効果は1.5、その永久年金の現在価値は1.5÷0.05=30です。
資金調達の他の費用をゼロとするなら500+30=530。100を足して600にはしません。仮に期待倒産費用等の現在価値を別に10と置けば、520となる説明例です。
500
プラス30
マイナス10なら、合計520
細部は図を左右に動かして確認できます。
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事業の価値へ、調達効果の純額を調整する。無借金の事業価値:500。節税効果の現在価値:プラス30。調達に伴う費用:マイナス10なら、合計520
仮定のある独自例。負債の時価100を追加する計算ではありません。
税率×負債を、すべての借入れへ使わない
この例で30=税率30%×負債100となるのは、永久一定の負債等の仮定があるためです。負債が返済される、利率や節税効果のリスクが変わる、課税所得が足りない等なら、年ごとの効果と割引率を検討します。
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簡便式を使う前に、条件を確認する。負債は一定か返済するか/各年の利息と節税額。税効果を利用できるか/実現する節税効果。何のリスクを割り引くか/対応する割引率
税務の適用可否は個別確認が必要です。
企業価値と株主価値も区別する
調整後の事業価値から株主価値を求める場合は、負債等や事業外資産を対応させて調整します。企業価値を求めた途中で借入れを引き、最後にもう一度引くことも避けます。
基礎はWACC、全体の比較はファイナンス用語へ。まず「どのキャッシュフローを、どのリスクで割り引くか」を一行に書いてから計算します。
条件を変える:借入れが一年で返済される場合
同じ借入れ100でも一年で全額返済すると仮定すれば、本例の税効果1.5は一回だけです。同じく5%で割り引く単純化条件なら現在価値は約1.43で、永久借入れの30とは大きく違います。負債額と税率が同じでも、期間の条件で結果が変わります。
さらに赤字等で直ちに税効果を利用できなければ、時期と実現可能性を見直します。節税効果の割引率を負債金利へ固定してよいかも、負債政策と効果のリスクに依存します。数字を入れる前に、負債の残高予定と利息を年ごとに書きます。
WACC法と比べる際には、同じ事業キャッシュフロー、税の扱い、資本構成の仮定が対応している必要があります。方法の名前が違うから別の値になるはず、と考えないでください。異なる値が出たときは、まず仮定のずれか二重計上を点検します。
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この記事の図・数値・ケースは編集部独自の学習用です。公式問題や過去問の再現ではなく、出題頻度や合格を保証しません。当サイトは非公式の対策サービスです。
確認資料:Damodaran:Adjusted Present Value(2026年10月21日確認)。図解と練習例は当編集部が別途作成しています。
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