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活動基準原価計算(ABC)とは|配賦の計算例と従来法との違い

同じ総原価でも、配賦基準を変えると製品別の利益は変わります。段取り回数と検査回数を使った独自例で、活動基準原価計算の手順と判断の注意点を解説します。

判断基準 → 実行手順 → 次の一手最終更新 2026/09/25
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ABCは間接費を活動ごとにまとめ、活動の利用量に応じて製品などへ配賦する考え方です。配賦額が変わっても、会社全体で実際に発生した費用が自動的に減るわけではありません。

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生産数量だけでは、手間の違いを表せない

大量に同じ製品を作る工程と、少量ずつ仕様を切り替える工程では、製品一個当たりに必要な段取りが異なることがあります。全間接費を生産数量だけで割ると、数量の少ない製品に必要な間接作業を十分に反映できない場合があります。

活動基準原価計算は、段取りや検査など、費用を生む活動に注目します。ただし、細かく分けるほど必ず正確になるわけではありません。データ収集の負担や、活動と費用の関係も検討が必要です。BFの管理会計を補う学習として、原価計算・管理会計の基礎からつなげてください。

独自例題:同じ工場で二製品を作る

一期間に製品Aを900個、製品Bを100個生産しました。間接費は合計60万円で、段取り費24万円と検査費36万円だけとします。直接材料費や直接労務費はこの比較に含めません。活動の実績は次のとおりです。

活動費用Aの利用量Bの利用量
段取り24万円2回10回
検査36万円6回12回

ここでは各活動の一回の負荷が同じで、回数が配賦の合理的な基準になると仮定します。検査に要する時間が大幅に違うなら、回数でなく検査時間など別の基準を検討する必要があります。

一括配賦とABCを、同じ総額から計算する

費用60万円は同じ。配賦の内訳が変わる
生産数量基準ではA54万円B6万円。ABCでは段取り24万円をA4万円B20万円、検査36万円をA12万円B24万円へ配賦し、A16万円B44万円。総額はいずれも60万円。

学習用の独自ケースです。公式問題の再現や、現実の結果を保証する図ではありません。

生産数量で一括配賦すると、1,000個に60万円なので一個600円。Aへ54万円、Bへ6万円が割り当てられます。ABCでは段取り一回が24万円÷12回=2万円、検査一回が36万円÷18回=2万円です。

Aの配賦額は2回×2万円+6回×2万円=16万円。Bは10回×2万円+12回×2万円=44万円。Aは一個約177.78円、Bは一個4,400円です。どちらも間接費だけの一個当たりであり、製品の総原価と呼ばないようにしてください。

総額と単位を使って検算する

A16万円+B44万円=60万円となり、配賦前の間接費に一致します。Aを177.78円へ丸めて900倍すると端数が生じるため、検算は丸める前の金額で行います。ABCで全社費用が安くなったのではなく、60万円を二製品へ割り当てる内訳が変わりました。

方法Aへの配賦Bへの配賦合計
数量による一括配賦54万円6万円60万円
活動別の配賦16万円44万円60万円

少量のBは段取り・検査の利用が多いため、この仮定では数量基準より大きな配賦額になります。「ABCを使うと少量製品は必ず高原価」という一般法則ではありません。活動の使い方が変われば結果も変わります。

なぜBをすぐに廃止してはいけないのか

Bへ44万円が配賦されたからといって、Bをやめれば44万円の現金支出が消えるとは限りません。設備、人員、契約などの費用は、活動量が減ってもしばらく残ることがあります。廃止判断では、売上の減少、実際に回避できる費用、空いた資源の使い道を別に調べます。

配賦原価は製品が利用した活動を把握する手がかりですが、差額利益の計算とは役割が違います。埋没費用・機会費用や内製・外注の関連原価と合わせて、計算結果の使い道を区別しましょう。

配賦基準を選ぶときのチェック

段取り費なら段取り回数、検査費なら検査回数、という対応は一例です。段取りの難しさが製品により大きく異なる場合、回数だけでは不十分かもしれません。活動を増やす原因と、費用が実際に変わる原因が一致するかを確認します。

また、共通管理のように個別製品へ直接結び付けにくい費用もあります。すべてを無理に配賦して精密な数字に見せるより、合理的に追跡できる部分と、便宜上配賦している部分を分けて示す方が判断に役立ちます。

改善すると、何の数字が変わるか

Bの仕様をまとめて段取りを減らせれば、活動利用量は減ります。ただしその期の費用総額が固定なら、利用量の減少だけで総費用が同じ割合で下がるとは言えません。余った能力を他製品へ使えるのか、契約や人員配置を変えられるのかを検討します。

「配賦率が下がった」「単位原価が下がった」「現金支出が減った」は同じではありません。学習ケースでは、どれを求める設問かを先に特定すると、数値の意味を取り違えにくくなります。

確認問題:活動別の配賦額を求める

段取り費12万円、段取り回数はXが1回・Yが3回。検査費8万円、検査回数はXが3回・Yが1回です。回数を配賦基準とした場合、X・Yそれぞれの間接費を求めてください。

段取り一回3万円、検査一回2万円なので、Xは3+6=9万円、Yは9+2=11万円。合計20万円です。XとYの生産数量が与えられていないため、一個当たりの額は計算できません。総額を出せることと単位原価を出せることを分けてください。

応用:予定配賦と実績の比較は分ける

例題では実際の費用と活動回数を使い、全額を配賦しています。実務では予定費用と予定活動量から先に配賦率を設定する場合もあります。その予定率で実際の活動量へ配賦すると、実際に発生した費用との間に差額が出ることがあります。

たとえば予定費用10万円、予定100回から一回1,000円と決め、実績が80回なら配賦額は8万円です。実際の費用が9万円なら、配賦額と実際費用に1万円の差が残ります。例題の「総額一致」を、異なる配賦設定へ無条件に持ち込まないでください。

活動を減らす提案を、二段階で評価する

改善案を読むときは、まず段取りや検査の利用量がどう変わるかを計算し、次にその変化で何の費用を回避できるかを調べます。活動量と現金支出の関係が書かれていなければ、節約額は確定できません。

品質を守る検査まで一律に減らしてよいわけでもありません。必要な活動を削るのか、手戻りのような活動の発生原因をなくすのかを区別すると、単位原価の低下だけに偏らない読み方になります。

覚える順番:活動、配賦率、利用量、判断

最初から式を暗記せず、「何の活動へ費用をまとめたか」「一回いくらか」「誰が何回使ったか」の順に説明します。その後で、配賦額を改善・撤退・価格設定のどの判断へ使うのかを考えます。説明できない配賦基準は、計算だけ合っていても点検が必要です。

原価の範囲を変える問題は全部原価計算と直接原価計算へ。科目を横断して練習する場合はGMAP対策トップからBFの教材を確認できます。

次の学習と確認資料

管理会計の基礎 / 内製と外注 / 制約下の判断

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この記事の図・数値・ケースは編集部独自の学習用です。公式問題や過去問の再現ではなく、出題頻度や合格を保証しません。当サイトは非公式の対策サービスです。

概念の確認資料:OpenStax:活動基準原価計算(2026年9月25日確認)。以下のケース・数値・図は編集部が独自に作成した学習用で、確認資料の事例を転載したものではありません。

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