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営業キャッシュフローの間接法|利益から現金へ調整する符号を図解

利益が出ていても、売掛金や在庫が増えると現金が減ることがあります。減価償却・売掛金・在庫・買掛金を独自ケースで調整し、営業CFとFCFを区別します。

判断基準 → 実行手順 → 次の一手最終更新 2026/10/20
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まず結論:利益に含まれる時点と、現金が動く時点をそろえる

営業キャッシュフローの間接法では、利益を出発点に、現金を伴わない損益や営業に関係する資産・負債の増減などを調整します。売上計上と代金回収、費用計上と支払が同時とは限らないためです。財務三表の全体像はB/S・P/L・C/Fの関係で確認できます。

この記事は符号を理解するための簡略モデルです。税引前利益80を出発点とし、法人税等の支払、利息、その他の調整項目はないと仮定します。実際の表示基準や出発利益によって必要項目は異なるので、この5項目だけを万能の算式として使わないでください。

独自ケース:利益80から営業CF45へ

利益80から営業CF45への調整
出発利益80 + 償却20

非資金費用の足し戻し:100

売掛金増30 + 在庫増40

資産増を控除:100−30−40=30

買掛金増15を加算

30+15=営業CF45

細部は図を左右に動かして確認できます。

万円単位。利益80+減価償却20−売掛金増30−在庫増40+買掛金増15=45。出発利益80 + 償却20非資金費用の足し戻し:100売掛金増30 + 在庫増40資産増を控除:100−30−40=30買掛金増15を加算30+15=営業CF45
図の内容を文章で読む

万円単位。利益80+減価償却20−売掛金増30−在庫増40+買掛金増15=45。

税・利息・他の調整項目を置かない簡略モデル。実際のCF計算書は定義を確認します。

単位は万円。税引前利益80、減価償却費20、売掛金の増加30、棚卸資産の増加40、買掛金の増加15とします。営業CFは80+20−30−40+15=45万円です。利益80万円と現金45万円の差35万円は、この例の非資金費用と営業資産・負債の変化で説明できます。

項目調整この例の意味
税引前利益+80計算の出発点
減価償却費+20当期費用だが当期の現金支出ではない
売掛金増加−30売上の一部が未回収
在庫増加−40仕入れと売上原価の時期の差
買掛金増加+15仕入代金の一部が未払

在庫増加の−40と買掛金増加の+15は併せて読む必要があります。在庫が増えた分をすべて現金で支払ったと決めず、掛仕入れの未払分も調整します。

売掛金が増えると引く:売上と回収をつなぐ

売上100と現金回収70は、売掛金でつながる
期首売掛金10 + 当期売上100

回収対象の合計110

期末売掛金40を差し引く

110−40=当期回収70

売掛金の増加は30

売上100−増加30=回収70

細部は図を左右に動かして確認できます。

前受金・貸倒れ等がない独自例。期末残高と増加額を区別。期首売掛金10 + 当期売上100回収対象の合計110期末売掛金40を差し引く110−40=当期回収70売掛金の増加は30売上100−増加30=回収70
図の内容を文章で読む

前受金・貸倒れ等がない独自例。期末残高と増加額を区別。

残高40を、そのまま売上100から引く計算とは違います。

当期売上100万円、期首売掛金10万円、期末売掛金40万円、貸倒れや前受金はないとします。回収額は100+10−40=70万円です。売上100万円から売掛金増加30万円を引くと、現金回収70万円になります。

期首の売掛金を当期に回収した分も含むため、期末残高40万円をそのまま引くのではありません。残高と増減を混同しないことが重要です。反対に売掛金が減れば、過去の売上の回収が当期の売上を上回る要因となり、簡略モデルでは利益へ加算します。

減価償却を足しても、設備が無料になるわけではない

設備取得時に現金120万円を払い、当期に20万円を減価償却した場合、当期費用20万円を営業CFへ足し戻すことがあります。設備への支払120万円は、取得した期の投資活動によるCFに表れる取引です。足し戻しによって設備代金の支払が消えるわけではありません。

同様に、資産売却益などは利益に含まれていても、売却収入を投資CFとして示すため営業CF側で調整する場合があります。調整の目的は、会社に都合よく現金を増やすことではなく、取引を対応する区分と時期へ整理することです。

営業CFとFCFは、設備投資の扱いが違う

簡便な定義として営業CF45万円から設備投資支出50万円を差し引けば、FCFは−5万円です。このような「営業CF−設備投資」と、企業価値評価に使うFCFFの計算は、出発利益・税・利息などの定義をそろえて比較する必要があります。

投資評価でNOPAT+減価償却−設備投資−営業運転資本増加を使う場合は、税引前利益80から始めた今回の45を、そのまま同じ意味だと置かないでください。営業CFが正でも、設備投資を含めた資金収支が正とは限りません。

在庫と買掛金は、売上原価から支払までをつなぐ

この調整は、同じ期間・範囲で作った損益と残高を対応させる練習です。企業買収や為替換算で増えた残高まで、通常の仕入による増減と同じ扱いにしないよう、例の前提を先に確認します。

売上原価60、期首在庫20、期末在庫30なら、仕入は60+30−20=70です。期首買掛金10、期末買掛金25なら、仕入先への支払は70+10−25=55。売上原価60に対し、在庫増10が支払を増やす方向、買掛金増15が支払を減らす方向へ働きます。

この例では仕入返品や現金以外の取引等を置いていません。在庫が増えたというB/Sの変化だけで、同額の現金が出たとは決められない理由が分かります。費用→仕入→支払と一段ずつつなぐと、調整の符号を暗記だけで処理せずに検算できます。

利益とCFのどちらか一方だけで評価しない

売掛金の回収が早くなればCFは改善する可能性がありますが、取引先へ大幅な早期支払割引を付ければ利益が減ることもあります。買掛金の支払を遅らせた結果のCF増加も、契約条件や関係への影響を確認する必要があります。

利益が少ないから直ちに資金不足、CFが大きいから直ちに好業績という判断には進めません。継続的な営業の変化か、一時的な回収か、投資や調達によるものかを見ます。復習では、一つの取引を利益・営業CF・期末残高の三列へ書き、同じ事実を違う表から説明してください。

確認例:増減の方向を逆にする

同じ出発利益80と減価償却20で、売掛金が10減少、在庫が5減少、買掛金が15減少した場合、営業CFは80+20+10+5−15=100万円です。資産の減少は回収や在庫の取崩し、負債の減少は支払という簡略化した関係から符号を説明します。

営業CFの増加だけで経営が改善したとも決まりません。売掛金の回収改善か、売上の縮小か、在庫の適正化か、欠品につながる削減かを追加で読みます。計算結果と、その原因・評価を分けて復習してください。

次の学習と確認資料

財務三表の関係 / 資金回収の期間 / FCFと企業価値

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この記事の図・数値・ケースは編集部独自の学習用です。公式問題や過去問の再現ではなく、出題頻度や合格を保証しません。当サイトは非公式の対策サービスです。

確認資料:OpenStax:間接法による営業CF(2026年10月20日確認)。図解と練習例は当編集部が別途作成しています。

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