目次:読みたい項目を選ぶ
全体像・読み進め方を確認する
日々の上下と傾向を分けるには、平均する窓と線を置く日付を確認します。7日間の独自データから、後方3日平均と中心3日平均、曜日構成の違いを計算します。
この記事を読む3ステップ
最初に全体像をつかみ、必要なところから読めます。
まず答え:移動平均は、平均する範囲を一つずつ動かす
移動平均とは、時系列の連続する一定数の値を平均し、その対象期間を順にずらして求める値です。売上が一日だけ増減しても、数日を合わせれば短期の振れをならして読めます。ただし、平均すると情報の一部が見えにくくなります。滑らかな線になったことと、業績が安定したことは同じではありません。
確認するのは、何を測った値か、何日分か、過去だけか前後も使うか、どの日付に置くか、という四点です。この記事は日別の受注件数を扱う独自ケースです。在庫評価で仕入れ後の原価を更新する「移動平均法」とは別の使い方なので、同じ名前だけで計算対象を混同しないでください。
独自ケース:受注件数の7日間を表にする
| 日 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 受注件数 | 10 | 14 | 12 | 24 | 20 | 18 | 28 |
表を1行ずつ読む
- 日
- 受注件数
- 1
- 10
- 2
- 14
- 3
- 12
- 4
- 24
- 5
- 20
- 6
- 18
- 7
- 28
日付順に観測した同じサービスの件数とし、定義変更、重複計上、欠測はないものとします。一日単位では4日目が大きく上がり、その後は下がって、7日目に再び上がっています。この形だけで、4日目の施策が成功した、あるいは5日目から失敗したとは決まりません。期間中の曜日、広告、休業などは別の説明要因です。
まず式の目的を固定します。「その日の直前までを含む3日間の平均」を知りたいなら、当日と前2日を使います。「その日を中心とした3日間の平均」なら、前日・当日・翌日を使います。同じ三つの値でも、線を置く位置が変わります。
後方3日平均:3日目から計算できる
独自の受注データ。緑の平均線は3日分そろう3日目から開始。端の空欄をゼロとして描いていません。
3日目は(10+14+12)÷3=12件。4日目は(14+12+24)÷3=約16.67件。以降、5日目は約18.67件、6日目は約20.67件、7日目は22件です。常に最も古い一日を外し、新しい一日を加えます。最初の2日は必要な3日分がそろわないため、この定義では値を出しません。
前日の平均に当日の件数を足して2で割る方法は、後方3日平均ではありません。古い観測への重みが変わる別の平滑化になるからです。また、7日目の28件と7日目の平均22件は別の情報です。「今日の受注は22件だった」と説明すると実測値を置き換えてしまいます。
中心3日平均:同じ平均値が一日前に置かれる
- 対象データは同じ1日目10+2日目14+3日目12=36件
- 後方3日平均:3日目へ置く当日と前2日を平均 → 36÷3=12件
- 中心3日平均:2日目へ置く前日・当日・翌日を平均 → 36÷3=12件
- 最新日で違いが出る中心平均は翌日の実測を必要とする
平均の値が同じでも、表示位置と必要な情報の時点は異なります。
中心3日平均では、2日目に(1〜3日目)の12件を置きます。3日目には(2〜4日目)の約16.67件、4日目には(3〜5日目)の約18.67件を置きます。平均する組は同じですが、後方平均の表示日より一日前です。1日目と7日目は前後の観測がそろわないため、この定義では空欄になります。
7日目までしか観測していない時点では、7日目の中心平均を計算するための8日目がありません。未観測をゼロで補うと別の値を作ってしまいます。最新の状況を監視するときは後方平均、過去の中心的な動きを振り返るときは中心平均、というように利用目的と観測可能性を合わせます。
窓を長くすると、変化への反応も変わる
後方5日平均を同じケースへ適用すると、5日目は80÷5=16件、6日目は88÷5=17.6件、7日目は102÷5=20.4件です。後方3日平均の7日目22件より低くなるのは、前の比較的少ない件数も含むためです。長い窓は短い変動をならしますが、変化の始まりを遅れて捉えることがあります。
「3日と5日なら、いつも5日の方が小さい」とは言えません。下降中には古い高い値が残り、長い窓の方が高いこともあります。例えば30、30、30、10、10件なら最後の3日平均は約16.67件、5日平均は22件です。値の大小は窓の長さだけでなく、含まれるデータで決まります。
曜日効果と欠測:平均を出す前の条件確認
平日に10件、週末に30件という同じパターンが繰り返される架空のサービスなら、毎週の合計は5×10+2×30=110件です。完全な連続7日間には各曜日が一回ずつ入り、後方7日平均は約15.71件になります。3日平均には週末が0回・1回・2回入り得るため、施策が変わらなくても線が動きます。
これは曜日効果が一定というモデルです。7日平均を計算すれば、祝日や臨時休業、季節性のすべてが消えるわけではありません。観測できなかった日と、営業したが0件だった日も区別します。欠測を除いて平均するなら、実際には何日の値を使ったかを明示し、同じ窓の平均として無条件に比較しないようにします。
確認例:値と主張を別々に検算する
受注が9、15、12、30件の4日間でした。4日目の後方3日平均はいくつでしょうか。15+12+30=57なので19件です。4日目の実測は30件であり、19件ではありません。3日目の中心3日平均も19件ですが、まだ観測していない5日目を必要とする4日目の中心平均は計算できません。
「平均が上がったので施策が原因」と言えるでしょうか。平均は含まれる値の要約で、原因の証明ではありません。同じ曜日構成や対象条件の比較、施策以外の変化を追加で確認します。試験形式の練習でも、図の線の名称と定義に戻り、数字が正しいことと結論が言えることを切り分けてください。
次の学習と確認資料
考え方を確認したら、問題・解説の見本、登録不要の無料6問を確認できます。教材条件は料金ページで確認してください。
この記事の図・数値・ケースは編集部独自の学習用です。公式問題や過去問の再現ではなく、出題頻度や合格を保証しません。当サイトは非公式の対策サービスです。
確認資料:Hyndman・Athanasopoulos:移動平均と時系列分解(2026年10月12日確認)。図解と練習例は当編集部が別途作成しています。
学習全体の順番はGMAP-CT対策ガイドへ。
関連する数値・判断の練習であり、公式の出題指定ではありません。
6問・12分で、CTの6領域を体験する
6領域から各1問を解き、正誤・所要時間・解説を確認できます。6問では能力やランクを判定しません。30問・60分の通し模試はCTパックに含まれます。無料お試しは登録不要。希望する方は登録後に結果を保存できます。
有料模試の独自スコアは学習用の参考指標であり、本番の予測点・合否判定ではありません。無料6問では能力判定・推定スコア・ランクは表示しません。
▶ GMAP-CT 無料6問を試す(12分)※本サイトは独立した非公式の試験対策コンテンツであり、株式会社グロービス/GMAPの公式サービスとは関係ありません。試験の形式や出題範囲は実施回・実施企業により異なる場合があります。
