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財務レバレッジとROE|借入で利益率が上がる条件と下がる条件

借入を増やすとROEは必ず上がるのでしょうか。総資産1,000万円の二社を、営業利益120万円・20万円の両方で比較し、利息と自己資本の関係を図解します。

判断基準 → 実行手順 → 次の一手最終更新 2026/10/11
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営業レバレッジと財務レバレッジを分ける

営業レバレッジは固定費構造による営業利益の変化を扱います。財務レバレッジは借入などを使う資本構成と、利息や自己資本に対する利益の関係を扱います。「レバレッジが高い」という一語だけで、どの利益・費用・率が変わるのかを確定させないでください。

本記事では営業の成果をそろえ、調達方法だけを変える独自ケースを使います。税金・優先株・その他損益を除き、期中の総資産・負債・自己資本は一定と仮定します。実際の投資や借入を勧めるページではなく、BFの財務指標を理解する学習用です。

独自ケース:同じ総資産、自己資本だけか、半分を借りるか

A社は総資産1,000万円を全額自己資本で調達します。B社は自己資本500万円と借入500万円で、借入金利は年4%、利息は年20万円。両社の営業利益が120万円なら、税金を除いた最終利益はA120万円、B100万円です。

同じ営業利益120万円でも、自己資本と利息が違う
  • 借入なし:資産1,000万円/自己資本1,000万円利益120万円 → ROE12%
  • 借入あり:資産1,000万円/自己資本500万円負債500万円×4%=利息20万円
  • 借入あり:利益120−20=100万円100÷500=ROE20%。利益額は少ないのに比率は高い

税金・その他損益・優先配当なし。ROEの高さだけで企業価値や安全性は決まりません。

ROEはA120÷1,000=12%、B100÷500=20%。Bの会社全体の利益は少ないのに、自己資本に対する率は高くなります。利益の金額と比率を混同すると「借入で利益そのものが増えた」と誤読します。分子と分母を同じ表へ残すと違いが見えます。

営業利益が20万円へ下がると、方向が変わる

営業利益20万円ならAの最終利益は20万円、ROE2%。Bは利息20万円を引いて最終利益0円、ROE0%です。営業利益が10万円ならBは−10万円、ROE−2%。借入は好調時だけでなく、低収益時の自己資本側の負担も大きくします。

利息20万円は、営業利益が下がっても残る
  • 営業利益40万円:資産利益率4%借入なしROE4% / 借入あり(40−20)÷500=4%
  • 営業利益20万円:資産利益率2%借入なしROE2% / 借入ありROE0%
  • 営業利益10万円:資産利益率1%借入なしROE1% / 借入あり(10−20)÷500=−2%

借入金利4%が分岐点となる独自モデル。マイナスの利益を正の棒の長さで表していません。

この例は売上を下げる計算ではなく、営業利益が指定された別の状態へ移る比較です。営業利益がなぜ下がったのかは設定していません。営業レバレッジの記事の固定費・変動費モデルと混ぜず、まず与えられた営業利益から利息を引く操作を確認してください。

税を除いた単純モデルで、借入が有利になる境界を求める

総資産A、借入D、自己資本EでA=D+E、資産に対する営業利益率r、借入利率iとします。最終利益はrA−iDなので、ROE=r+(r−i)D/Eです。今回r=12%、i=4%、D/E=1なら12%+8%=20%になります。

r=iの4%なら両社のROEは4%で一致します。rが4%を下回ると借入側のROEが低くなります。この境界は税なし・資産一定・金利一定という今回の前提によるものです。「世の中の全企業は営業利益率が借入利率より高ければ最適」と判断する公式ではありません。

財務レバレッジ倍率と、利益の感応度を区別する

総資産÷自己資本の倍率はA1倍、B2倍です。一方、利息以外の固定的財務負担がないこのモデルで、営業利益の変化に対する最終利益の感応度は、営業利益÷(営業利益−利息)で見られます。営業利益120万円のBなら120÷100=1.2で、2倍とは違います。

営業利益が120から132万円へ10%増えると、Bの最終利益は100から112万円へ12%増えます。0円の利益を分母とする変化率は定義できず、赤字時の比率にも通常の黒字時と異なる注意が要ります。同じ名前に見える倍率でも、計算する分子・分母を先に書いてください。

自己資本をさらに小さくしたときも、利息を引き直す

同じ総資産1,000万円を自己資本250万円・借入750万円で調達し、金利4%なら利息30万円です。営業利益120万円では最終利益90万円、ROE36%。半分を借りるB社の20%より高くなりますが、会社全体の利益は100万円から90万円へ減っています。比率だけを見て利益が増えたと書かないようにします。

営業利益20万円なら最終利益−10万円、ROE−4%です。自己資本が小さい分、同じ営業の下振れに対する比率の振れも大きくなります。税なしの境界はやはり営業利益40万円で、その場合は利益10万円を自己資本250万円で割りROE4%。借入比率を変えても、今回の資産利益率と金利の比較が分岐点となることを式と実数の両方で検算できます。

高いROEだけでは、良い調達判断と確定できない

借入の元本返済は利息と別です。利益から利息を引けても、満期の元本返済や運転資金の支払いに現金が足りるとは限りません。また金利が変動する契約なら、固定4%の比較を続けられない可能性があります。返済日程・資金残高・下振れ時を別に確認します。

自己資本が小さければROEは大きく見える場合がありますが、事業の競争力が高くなった証明ではありません。ROE・ROA・ROIC、資本コスト、資金調達とつなぎ、数字から分かることと分からないことを分けます。

復習は、好調・境界・不調の三点で検算する

営業利益120万円、40万円、20万円について、両社の最終利益とROEを順に求めます。40万円ではA4%、B(40−20)÷500=4%と一致します。営業利益だけを動かしたつもりで借入金や自己資本まで書き換えると、比較の条件が崩れるため、固定する項目を表で囲みます。

次は借入利率を6%へ変えて同じ三点を試します。利息は30万円になり、境界の営業利益も60万円へ変わります。式を暗記するだけでなく、利息の増加が分子をどう変えるかを説明してください。実務の税効果・倒産コスト・借入制約を省いたモデルであり、公式の出題頻度や資金調達成果を保証しません。

次の学習と確認資料

営業レバレッジ / 財務指標 / BFの学習手順

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この記事の図・数値・ケースは編集部独自の学習用です。公式問題や過去問の再現ではなく、出題頻度や合格を保証しません。当サイトは非公式の対策サービスです。

確認資料:OpenStax:資本構成と財務レバレッジ(2026年10月11日確認)。図解と練習例は当編集部が別途作成しています。

確認資料:OpenStax:負債と自己資本の選択(2026年10月11日確認)。図解と練習例は当編集部が別途作成しています。

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