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売上差異分析の計算|価格差異・数量差異と利益への影響を図解

売上が8万円増えた理由を、値下げと数量増加に分解します。予算価格・実際数量の橋渡しを使い、差異の足し戻し、符号、利益との違いを独自ケースで確認します。

判断基準 → 実行手順 → 次の一手最終更新 2026/10/12
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売上差異は、実際売上と予算売上の差

単一製品なら売上は販売価格×販売数量です。売上差異分析は、予算と実際の売上の違いを、価格や数量などの成分に分けて考える方法です。材料費の標準原価差異が「使った量・仕入れ単価」を見るのに対し、ここでは「売った量・販売価格」を見ます。同じ差異という名前でも、対象と符号の意味を区別してください。

この記事では実際−予算を採用し、正の差は売上を増やす方向、負の差は売上を減らす方向と表します。売上の数量差異には予算販売価格を使います。限界利益ベースの販売数量差異なら予算限界利益を使うなど定義が変わるため、名称だけで式を決めないことが大切です。

独自ケース:1,000円・1,000個から900円・1,200個へ

項目予算実際
販売価格1,000円/個900円/個
販売数量1,000個1,200個
売上1,000,000円1,080,000円

返品・値引き後の同じ価格定義で、一つの製品だけを扱い、税・為替・製品構成の変化はないとします。実際売上は900×1,200=108万円、予算売上は1,000×1,000=100万円なので、総差異は8万円です。価格は下がったのに売上が増えた、という二つの事実を両方残します。

値下げが数量増加の原因かは、この集計だけでは決まりません。営業日数や販路が変わった可能性もあります。差異分析は金額の分解であり、因果分析そのものではありません。まず計算の整合を確かめ、その後で要因を調べるための問いを立てます。

橋渡し:実際数量を予算価格で評価する

図で確認数量を先に変えると、100→120→108万円
縦軸は売上万円0から120。予算100万円、実際数量を予算価格で評価した橋渡し120万円、実際108万円。数量差異プラス20万円、価格差異マイナス12万円。04080120100120108予算橋渡し実際売上(万円)+20−12

棒は売上金額を同じゼロ起点の目盛で表示。数量+20万円と価格−12万円の合計は+8万円。

間に「実際1,200個を予算1,000円で売った場合」の120万円を置きます。予算100万円→橋渡し120万円は数量だけの変化で+20万円。橋渡し120万円→実際108万円は価格だけの変化で−12万円です。合わせて+8万円になり、最初の総差異へ戻ります。

式では数量差異=(実際数量−予算数量)×予算価格、価格差異=(実際価格−予算価格)×実際数量です。このケースなら(1,200−1,000)×1,000=200,000円、(900−1,000)×1,200=−120,000円です。別の約束で分解することも可能ですが、途中で基準を混ぜないようにします。

価格差異に予算数量を掛けると、2万円ずれる

価格差異を(900−1,000)×1,000=−10万円とし、先ほどの数量差異+20万円に足すと+10万円になります。実際の増加8万円と2万円ずれるのは、増えた200個にも100円の値下げがかかっているためです。その相互作用は(−100)×200=−2万円です。

価格を先に変える別の橋渡しなら、予算100万円→900円×1,000個の90万円→実際108万円となり、価格−10万円と数量+18万円で整合します。どちらの分解も総差異は8万円ですが、各成分は異なります。成分の金額だけを比較する場合は、分解の約束をそろえてください。

売上が増えても利益が減るケース

図で確認売上+8万円でも、利益は−4万円
  1. 予算:利益20万円(価格1,000−変動費600)×1,000個−固定費20万円
  2. 実際:利益16万円(価格900−変動費600)×1,200個−固定費20万円
  3. 数量が増えた利益の影響:+8万円200個×予算限界利益400円
  4. 値下げの利益の影響:−12万円−100円×実際1,200個 → 合計−4万円

単位変動費と固定費が変わらない独自モデル。売上の数量差異+20万円を利益へ転用しません。

一個当たり変動費600円、固定費20万円が予算・実際とも同じだったとします。予算限界利益は(1,000−600)×1,000=40万円、利益は20万円です。実際限界利益は(900−600)×1,200=36万円、利益は16万円。売上は8万円増えても、利益は4万円減っています。

利益の分解なら数量増加の影響は200個×予算限界利益400円=8万円、価格の影響は−100円×実際1,200個=−12万円、合計−4万円です。売上差異の数量+20万円を、そのまま利益増加と説明すると、増えた数量の変動費12万円を無視することになります。

複数製品・予算変更は、同じ単価だけでまとめない

単価の違う商品を同じ一個として合計すると、平均単価の変化に製品構成の変化が混ざります。高い商品が多く売れただけでも全体の平均単価は上がり、個々の商品の値上げとは限りません。複数製品の価格差異は、商品ごとに同じ基準で計算してから合計するなど、構成の扱いを明示します。

当初予算と、最新の需要を反映した見直し予算でも差異は変わります。どの予算へ戻して比較しているかを書き、実績に合わせて予算を動かした結果を業績改善と混同しないようにします。ここでは単一製品の数量・価格の橋渡しに限定し、市場規模差異や販売構成差異まで無条件に同じ式で扱いません。

確認例:売上が変わらなくても成分はゼロではない

予算は価格2,000円・500個、実際は価格2,500円・400個でした。どちらの売上も100万円ですが、価格差異は(2,500−2,000)×400=+20万円、数量差異は(400−500)×2,000=−20万円です。二つが相殺したのであって、価格も数量も変わらなかったわけではありません。

一個当たり変動費1,000円、固定費が不変なら、予算限界利益は50万円、実際は60万円で利益は10万円増えます。売上が同じでも利益が同じとは限りません。表の売上を計算した後、設問が売上の要因か利益の要因かを確認して、使用する単価と費用を選び直してください。

次の学習と確認資料

材料の標準原価差異 / 値上げと利益 / 販売構成比と損益分岐点

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この記事の図・数値・ケースは編集部独自の学習用です。公式問題や過去問の再現ではなく、出題頻度や合格を保証しません。当サイトは非公式の対策サービスです。

確認資料:ACCA:売上・価格・数量と業績の読み方(2026年10月12日確認)。図解と練習例は当編集部が別途作成しています。

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