GMAP対策Web問題集・模試
GMAP-BF STRATEGY GUIDE攻略ガイド

逆選択とモラルハザードの違い|隠れた情報・行動を図解する

取引前の情報の偏りと、委任後の行動の見えにくさを独自ケースで比較。時間の前後だけに頼らず、逆選択・モラルハザード、スクリーニング・シグナリングと対策の限界を整理します。

判断基準 → 実行手順 → 次の一手最終更新 2026/10/21
学習ナビゲーター
学習ナビゲーター
今日の学習ゴール

今の課題に合う判断基準を見つけ、次の学習を具体的に決めましょう。

読みたい内容を選ぶ
まず結論

この記事の要点

保存した記事
文字サイズ・保存状態本文の文字(この端末に保存)

保存状態を確認しています…

目次:読みたい項目を選ぶ
全体像・読み進め方を確認する

誰が、何を知っていて、何を確認できないか

情報の非対称性は、取引や契約の当事者が同じ情報を持っていない状態です。ただし、何か知らないことがあれば全て逆選択になるわけではありません。取引相手の性質を見分けられず、条件によって参加する相手が偏る問題なのか、契約のもとで選ばれる行動を観察・検証できない問題なのかを分けます。

基礎的な整理では、逆選択は取引時点の相手の質・リスク等の私的情報、モラルハザードは委任後などの見えにくい行動と利害のずれに注目します。ただし「契約前なら必ず逆選択、後なら必ずモラルハザード」と日付だけで決めるのは粗すぎます。何が既に知られていて、何が選択されるかという構造を確認します。

逆選択の自作例:品質を区別できない共通価格

架空の中古機器市場を考えます。売り手は機器の状態を知っていますが、買い手は購入時点で十分に見分けられません。高品質品と低品質品に同じ価格しか付かなければ、その価格が高品質品の売り手にとって低すぎる場合、高品質品は市場から引き揚げられやすくなります。

ここで問題なのは、購入後に機器を乱暴に扱ったことではありません。取引前から存在した品質の違いが買い手に見えず、提示条件が参加する売り手の構成を変える点です。高品質品の売り手が残る条件や品質の確認手段があれば、同じ結果になるとは限りません。

図解|見分けられない品質と参加の偏り

細部は図を左右に動かして確認できます。

見分けられない品質と参加の偏り売り手:各機器の品質を知る買い手:品質を十分に見分けない↓品質を区別しない共通価格高品質品には低すぎる場合↓高品質品が退出する可能性参加する機器の構成が変わる
図の内容を文章で読む

見分けられない品質と参加の偏り

確認する点この例での内容
隠れた情報売り手が知る機器の品質
条件品質を区別しない共通価格
起こり得る変化条件が合わない高品質品の売り手が退出
まだ分からないこと品質確認の費用、保証の信頼性、実際の参加構成

モラルハザードの自作例:保守作業を確認できない

次は、機器の保守を定額で委託した場面です。委託先がどれだけ丁寧に点検したかを依頼者が直接確かめられず、追加の点検には委託先の手間がかかる一方、故障の損失の大部分は依頼者側に生じると仮定します。委託先の行動を促す条件が弱ければ、依頼者が望む点検が選ばれない可能性があります。

点検が省かれたかどうかを、故障したという結果だけで断定してはいけません。丁寧に点検しても故障する場合があり、省略しても偶然故障しない場合があります。行動と結果にずれがあるため、結果だけの評価には限界が生まれます。

図解|行動と結果を同一視しない

細部は図を左右に動かして確認できます。

行動と結果を同一視しない依頼者 → 保守を委託作業の丁寧さは見えにくい↓委託先 → 点検の行動を選ぶ手間と得られる便益にずれ↓結果 → 故障の有無を観察故障だけでは点検省略を断定不可
図の内容を文章で読む

行動と結果を同一視しない

道徳的な悪人を探す用語ではない

モラルハザードという名前から、うそや犯罪を意味すると覚えると、問題の構造を取り違えます。分析対象は、行動を十分に確認できず、当事者の負担と便益が一致しないことで生まれる誘因です。担当者の性格が悪いと断定せず、何を選ぶと本人にどんな負担や利益が生じるかを調べます。

逆に、相手が違反したという情報だけでモラルハザードと分類するのも不十分です。行動が完全に確認でき、適切に契約へ反映できる状況なら、情報の非対称性を中心とした説明が適切かは再検討が必要です。用語と日常語の印象を分けましょう。

対策は、情報の所在と費用を合わせて考える

逆選択では、情報を持たない側が確認や条件の選択肢を用意するスクリーニング、情報を持つ側が質を示すシグナリングが基本的な考え方です。ただ「高品質です」と主張するだけでは、質の低い側も同じ主張ができるため、信頼できる区別になるとは限りません。検査や保証が実際に何を確認するかを見ます。

モラルハザードには、作業の記録、監査、報酬や責任の設計などが考えられます。しかし、監視には費用がかかり、測定しやすい作業だけを増やす副作用もあり得ます。確認の仕組みを足したことと、望む行動が確実に実現したことは別です。

二つが同時に存在するケースもある

委託先を選ぶ時点で技能を見分けにくく、選んだ後の作業も確認しにくい場合は、両方の構造があります。「契約を結んだ話だから片方」と一つに押し込めず、選ぶ段階と行動する段階を別に描きます。技能を確かめる検査が、日々の丁寧な作業まで保証するとは限りません。

BFの関連学習では、隠れた情報、行動、契約条件、残る不確実性の四つを並べると、対策の選択肢を読み分けやすくなります。本記事は一般的な経済・組織の概念を学ぶための自作例で、公式の出題範囲や特定の契約への助言ではありません。

数値で確認:全体の平均が、参加者の変化で崩れる

中古機器の例を単純化します。高品質品5台、低品質品5台があり、品質が分かるなら買い手はそれぞれ100万円、40万円まで評価すると仮定します。品質を区別できず、各台が同じ確率で選ばれるなら、その時点の平均評価は(100×5+40×5)÷10=70万円です。これは仮定した構成での期待評価で、実在市場の相場ではありません。

高品質品の売り手が80万円未満では売らないなら、70万円の共通価格には参加しません。低品質品だけが残れば、当初の半々という前提は失われ、評価を70万円のまま保つ根拠もなくなります。初めに平均を計算したからといって、その価格で同じ構成の取引が続くとは限らない点が重要です。

検査などで品質を信頼できる形で区別できれば、この構造は変わります。ただし検査費用や誤判定があるなら、その負担も含めて評価します。単に平均価格を下げる案と、品質の情報を増やす案は、働きかける対象が異なります。

次の学習と確認資料

委任とエージェンシーコスト / 権限委譲の判断 / コーポレートガバナンス

考え方を確認したら、問題・解説の見本、登録不要の無料6問を確認できます。教材条件は料金ページで確認してください。

この記事の図・数値・ケースは編集部独自の学習用です。公式問題や過去問の再現ではなく、出題頻度や合格を保証しません。当サイトは非公式の対策サービスです。

確認資料:Holmstrom:Moral Hazardと契約時点の情報(講義資料)(2026年10月21日確認)。図解と練習例は当編集部が別途作成しています。

無料の6問で、問題と解説を試しましょう

6科目から1問ずつ。会員登録なしで独自問題と解説を体験できます。科目全体の実力や本番スコアを判定するものではありません。続けて学びたい方は、無料登録後に残り16問へ進めます。

▶ 登録不要・無料の6問を始める

※本サイトは独立した非公式の試験対策コンテンツであり、株式会社グロービス/GMAPの公式サービスとは関係ありません。試験の形式や出題範囲は実施回・実施企業により異なる場合があります。

学習図解ライブラリ:図を保存して復習・勉強会に使う

↑