「6割で合格」という目安はどこから来たか
GMAP-CTを調べると、「6割取れれば合格圏」「6〜7割が目安」という記述に何度も出会います。体験談でも対策記事でも繰り返し語られていて、いつのまにか定説のようになっています。
しかしこの目安は、スコアの仕組みと噛み合っていません。公開されている資料で確かめられます。
公式の記入例:63%正解でランクD
グロービスは、受験者に返される「個人結果表」の読み方を説明した資料を公開しています。その中に、数値が入った記入例が載っています。
| 区分 | 設問数 | 正答数 | 正答率 | スコア | ランク |
|---|---|---|---|---|---|
| 総合 | 30 | 19 | 63% | 524 | D |
| 理解力 | 15 | 9 | 60% | — | — |
| 論理思考力 | 15 | 10 | 67% | 539 | — |
30問中19問正解、正答率63%。それでスコアは524、ランクはDです。
「6割取れた」状態が、ちょうどDランクに着地しています。足切りをCランク(550以上)に置いている会社であれば、この結果では届きません。
なぜ正答率で合否を測れないのか
スコアは相対評価だからです。グロービスはスコアを、一般的な受験者の平均を500とした偏差値として算出しています。
つまり同じ63%でも、その回の受験者全体がよくできていればスコアは下がり、できていなければ上がります。正答率とスコアは一対一で対応しません。
同じ正答率でもスコアが動く
- 周りが平均70%正解していれば、自分の63%は平均以下
- 周りが平均55%正解していれば、自分の63%は平均以上
先ほどの記入例でも、その回の平均正答率は65%と記載されていました。63%は平均をわずかに下回っています。だからスコアが500台前半に着いたわけです。
スコアの詳しい仕組みと、年代別・役職別の平均は平均スコアの記事にまとめています。
どこで落としているかのほうが重要
同じ記入例のセクション別を見ると、落としている場所がはっきり出ています。
| セクション | 正答率 | その回の平均正答率 |
|---|---|---|
| データ理解 | 60% | 65% |
| 文章理解 | 60% | 79% |
| 論理構造把握 | 60% | 55% |
| 数学的判断推理 | 40% | 55% |
| 論証1 | 60% | 60% |
| 論証2 | 100% | 75% |
総合では「6割」でも、数学的判断推理は40%(平均55%に対して15ポイント下)、文章理解は平均より19ポイント下です。一方で論証2は満点。
総合の正答率だけを見ていると、この偏りは見えません。セクション別の落とし方を把握して、平均を大きく下回っているところから潰すほうが、スコアは動きます。
では何を目標にすればよいか
- 正答率ではなくスコアで考える。会社の基準が示されているなら、それが唯一の目標です
- 基準が不明なら、Cランク(550)を下限に置く。500は平均=Dランクです
- セクション別に、平均正答率との差を見る。総合の数字は偏りを隠します
「6割取れたから大丈夫」という判断が、いちばん危険です。6割は平均前後、つまりDランクの領域だと考えておくほうが安全です。
セクションごとに何が問われるかは問題数と時間の記事に、解き方の原則はCT編の対策にまとめています。
本記事の数値の出典
本記事の記入例(30問中19問・スコア524・ランクD・セクション別正答率)は、グロービスが公開しているフィードバック解説書 クリティカル・シンキング編に掲載されている説明用のサンプルです。特定の受験者の実結果ではありません。
ランクの区切りは同じくグロービスが公開している「ランクについて」に基づきます。
よくある質問
結局、何割取れば合格ですか?
正答率では決まりません。スコアは相対評価で、合格ラインは受験させる企業が決めます。公式の記入例では63%正解でランクDでした。割合ではなくスコアとランクで考えてください。
「6割で合格」は完全な間違いですか?
断定はできません。足切りが緩い会社なら6割で通ることもあります。ただし6割はスコアで見ると平均前後・Dランクの領域なので、安全圏の目安としては危険だ、というのが本記事の主張です。
平均正答率はどこで分かりますか?
個人結果表に「平均正答率」として記載されます。これは今回の自社受験者の平均です。受験前に知ることはできないため、事前には自分のスコアを正確には予測できません。
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