目次:読みたい項目を選ぶ
全体像・読み進め方を確認する
職能別と事業部制は、まとめる基準が違う
専門性と全社効率を取るか、事業ごとの市場対応を取るかを比べます。 各項目を押すと、本文の該当箇所へ進めます。
↓ 気になる項目から、本文の解説へ進めます
組織構造は「分化」と「統合」の設計
部門をどう分けるかと、そこで働く人をどう配置・育成・評価するかは関連します。HRMの全体像では、組織構造と人事制度を別々に決めて矛盾させない視点を学べます。
組織を作るとは、次の2つを決めることです。
- 分化:どう分けるか。専門的な業務ごとにユニットを分け、それぞれの効率と付加価値を高める
- 統合:分けたものをどうまとめるか。分けたままでは全体として動かない
分業で専門性や効率を高める余地がある一方、連携の設計が必要です。細分化するだけで成果が上がるとは限りません。
機能別組織
営業・製造・開発・管理といった職能ごとに分ける形です。
| 長所 | 短所 |
|---|---|
| 機能の集約で重複を減らしやすい | 事業ごとの損益責任が不明確 |
| 専門性を深めやすい | 部門間の調整が経営層に集中する |
| 小規模でも成立する | 経営者候補が育ちにくい |
同じ機能をまとめ、設備や専門知識を共有しやすい構造です。ただし、重複や調整費用がゼロになる保証ではありません。事業横断の判断と現場対応の条件を比較します。
事業部制組織
製品・地域・顧客といった事業単位で分ける形です。事業部に営業や製造等の機能を置く設計が典型ですが、本社の共通機能を併用する場合もあります。
| 長所 | 短所 |
|---|---|
| 事業別の損益責任を明確にしやすい | 機能が事業部ごとに重複する |
| 市場に近い判断を行いやすい | 事業部間で資源の取り合いが起きる |
| 事業全体を扱う経験を積ませやすい | 全社最適より部分最適に流れやすい |
事業単位の責任を強めると、自部門を優先した資源配分や不要な競争が生じる場合があります。全社の目標、配分基準、共通機能の設計で対処します。出題頻度の順位を示す説明ではありません。
マトリクス組織
機能と事業の両方の軸で管理する形です。1人の担当者が機能長と事業長の両方に報告します。
| 長所 | 短所 |
|---|---|
| 専門性と事業対応を両立できる | 指揮命令系統が二重になる |
| 資源を柔軟に配分できる | 対立が起きやすく、意思決定が遅れる |
万能な構造ではありません。二つの軸の権限と、指示が衝突したときの合意手順を明確にします。二重の管理から必ず遅延が生じるのではなく、優先順位や調整の設計が重要です。
指揮命令系統・集権と分権
指揮命令系統が明確であるべき理由
問題が起きたときに誰に報告・相談すべきかが決まっていれば、混乱を防げます。曖昧だと、報告が滞るか、逆に重複します。
集権化と分権化のバランス
| 集権化 | 分権化 | |
|---|---|---|
| 意思決定の速さ | 全社統一が速い場合も、承認待ちが生じる場合もある | 現場で即決できる場合も、拠点間調整が必要な場合もある |
| 判断の質 | 全社最適になりやすい | 現場情報を活かせる |
| 向く状況 | 統制が重要な場面 | 変化が速く不確実な場面 |
どちらか一方が正解ではありません。意思決定の種類ごとに、権限・条件・報告先・例外時の相談先を決めるのが答えになります。
例題で確認する
問 事業部制組織において懸念されるデメリットとして、最も適切なものはどれか。
- (A) 各事業部間で経営資源の取り合いや、不要な競争が生じることがある
- (B) 専門知識を持った人材が育ちすぎて転職してしまう
- (C) 意思決定のすべてがトップに委ねられ、現場が停滞する
- (D) 事務作業の効率が極限まで高まり、暇になる
解答:(A)
(A) です。事業部が自部門を優先し、全社の資源配分と衝突する場合があります。(B) は専門性から転職への根拠のない飛躍、(C) は事業部制を全判断のトップ集中と取り違え、(D) は効率の極端な保証です。いずれも構造から必然とはいえません。
確認した資料と復習
確認日:2026年9月9日。数値・設問は独自の理解確認です。公式問題の再現、出題頻度の調査、初見の習得診断ではありません。
この先は、判断する操作に合わせて読む
定義を確認する記事と、条件を変えて判断する記事を分けています。必要な操作を選び、例題を解いてから解説・図解へ戻ってください。
よくある質問
どの組織構造が最も優れていますか?
事業の違い、機能の共有可能性、権限、調整負担によります。単一事業なら機能別、複数なら事業部制という区別は出発点にすぎず、併用や共通機能も検討します。
カンパニー制と事業部制の違いは何ですか?
カンパニー制は一般に事業単位の独立性・権限を強める社内制度です。呼称と具体的な権限は企業で異なり、別法人への分社化と同じとは限りません。
職能別と事業部制は、まとめる基準が違う
専門性と全社効率を取るか、事業ごとの市場対応を取るかを比べます。 各項目を押すと、本文の該当箇所へ戻れます。
↑ 気になった項目を押すと、本文の解説へ戻れます
この単元、いま何問解けますか
登録なしで、その場で解けます。読んで分かったつもりでも、4択になると迷うのがこの単元です。
-
第1問/全3問 三つの事業部が同じ種類の購買業務を行っている。共通品の購買を本社へ集約し、事業固有品は各事業部が扱う案を検討している。組織設計上の説明として適切なのはどれか。
(B) です。事業単位の責任を保ちながら共通機能を集約する設計もあります。(A) は本社機能の併存を否定、(C) は例外処理や連絡の負担を無視しています。(D) は一部の業務だけを共通化する可能性を落としています。組織の名称だけで効率の実現まで保証しません。
-
第2問/全3問 機能長が技術者に品質確認を、事業長が同じ時間に顧客対応を指示した。二つの軸を持つマトリクス組織で、再発を減らす設計として最も適切なのはどれか。
(C) です。二つの軸の価値を残しながら、指示が衝突した際の調整を設計します。(A) は未解決の対立を担当者に負わせ、(B) は決定方法の欠如を解消しません。(D) は共有の目的を失わせ、唯一必要な対策とはいえません。
-
第3問/全3問 全拠点に共通する重大障害の対処方針は本部が即時決定し、通常の少額返金は条件を定めて各店舗に任せたい。集権・分権の説明として適切なのはどれか。
(A) です。全社統一の必要性、現場情報、判断の影響範囲を分けています。(B) は本部への情報集約済みの場合などを無視した速度の断定です。(C) は権限の範囲・条件を設ける設計を除外し、(D) は意思決定別の併用を不当に否定しています。
無料の6問で、問題と解説を試しましょう
6科目から1問ずつ。会員登録なしで独自問題と解説を体験できます。科目全体の実力や本番スコアを判定するものではありません。続けて学びたい方は、無料登録後に残り16問へ進めます。
▶ 登録不要・無料の6問を始める※本サイトは独立した非公式の試験対策コンテンツであり、株式会社グロービス/GMAPの公式サービスとは関係ありません。試験の形式や出題範囲は実施回・実施企業により異なる場合があります。
