モチベーション理論の整理

誰が何を言ったか。人名と理論の対応を押さえれば確実に取れます。

最終更新:2026/08/27

提唱者と理論の対応表

組織行動学では、人名と理論の組み合わせを問う設問が出ます。まずこの対応を押さえてください。

提唱者理論一言でいうと
マズロー欲求段階説欲求には5段階の順序がある
ハーズバーグ二要因理論満足を生む要因と不満を防ぐ要因は別
マグレガーX理論・Y理論人間観が管理のしかたを決める
ブルーム期待理論期待×価値でやる気が決まる
アルダファERG理論3つの欲求は同時に働きうる

マズローの欲求段階説

人の欲求は5段階で、下位が満たされると上位を求めるという考え方です。

  1. 生理的欲求:食事、睡眠など生命の維持
  2. 安全欲求:身の安全、安定した生活
  3. 社会的欲求:集団への帰属、人間関係
  4. 承認欲求:他者から認められること、地位
  5. 自己実現欲求:自分の可能性を最大限に発揮すること
順序が問われます。社会的欲求(帰属)が承認欲求より下である点を取り違えないでください。

職場に当てはめると、給与や雇用の安定は下位の欲求、仕事のやりがいや成長は上位の欲求にあたります。

ハーズバーグの二要因理論(最頻出)

この単元でGMAP-BFに最も出るのがこれです。満足と不満は別の軸にあるという主張です。

動機づけ要因衛生要因
何に関わるか仕事そのもの仕事の環境
達成、承認、責任、成長給与、労働条件、対人関係、方針
満たすと満足が高まる不満がなくなるだけ
不足すると満足が生まれない不満が生じる
最重要/衛生要因は「不足すると不満だが、満たしても満足にはつながらない」。給与を上げれば満足が高まり続ける、という選択肢は誤りです。

実務上の意味

給与や労働条件を改善しても、不満が消えるだけで積極的な意欲は生まれません。意欲を高めるには、仕事の中身そのもの(責任の付与、達成感、成長機会)に手を入れる必要があります。

マグレガーのX理論・Y理論

管理する側が人間をどう捉えているかが、管理のしかたを決めるという考え方です。

X理論Y理論
人間観人は本来怠けたがる人は条件次第で自ら働く
管理のしかた命令と統制、アメとムチ目標の共有と権限委譲
前提とする欲求低次(生理・安全)高次(承認・自己実現)

どちらが正しいかではなく、管理者の前提が部下の行動を作るという点が要点です。X理論で管理すれば、部下は指示待ちになります。

動機づけの実務的な打ち手

インセンティブ(誘因)

企業が外部から与える刺激です。報酬、評価、表彰など。「人は高く評価される方向にエネルギーを注ぐ」という前提に立ちます。

報奨制度が持つメッセージ機能

何を評価するかは、「会社はこういう行動を望んでいる」というメッセージになります。売上だけを評価すれば、利益を無視した売上至上主義に陥ります。これを制度のインセンティブ機能(メッセージ機能)と呼びます。

ほめることの副作用

ほめられることで意欲が高まる一方、ほめられること自体が目的化するリスクがあります。本質的な成果ではなく、評価されやすい行動に偏る現象です。

エンパワーメント

権限を委譲し、自律的に動ける状態を作ることです。環境変化が速い状況では、現場の自律的な判断が競争力になるため重視されます。成功体験を積ませることで、さらに高い目標へ挑戦する循環が生まれます。

例題で確認する

 ハーズバーグの二要因理論において、衛生要因に分類されるものはどれか。

解答:(C)

給与・労働条件・対人関係・会社の方針などは衛生要因です。(A)(B)(D) はいずれも仕事そのものに関わる動機づけ要因にあたります。

覚え方:衛生=環境を清潔に保つようなもの。汚ければ不快だが、清潔にしたからといって楽しくはなりません。

よくある質問

マズローの欲求は必ず下から順に満たされますか?

理論上はそうですが、現実には同時に働くという批判があります。この批判を踏まえたのがアルダファのERG理論です。試験ではマズローの5段階の順序が問われます。

給与を上げても意味がないということですか?

そうではありません。低すぎれば不満の原因になるため、一定水準は必要です。ただし上げ続けても満足が増え続けるわけではない、というのが二要因理論の主張です。

この単元、いま何問解けますか

登録なしで、その場で解けます。読んで分かったつもりでも、4択になると迷うのがこの単元です。

  1. 第1問 ハーズバーグの二要因理論において、動機づけ要因に分類されるものはどれか。

  2. 第2問 マズローの欲求段階説において、承認欲求のすぐ下に位置する欲求はどれか。

  3. 第3問 X理論に基づく管理のしかたとして適切なものはどれか。

組織行動学の到達度を測る

二要因理論は無料模試でも実際に問われます。「給与を上げれば満足が続く」という常識的な選択肢を選ばないか、確認してください。

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