最終更新:2026/08/27
理論は3段階で発展した
| 段階 | 理論 | 問い | 限界 |
|---|---|---|---|
| 第1 | 特性理論 | リーダーはどんな人か | 共通する特性が見つからなかった |
| 第2 | 行動理論 | リーダーは何をするか | どんな状況でも同じ行動が有効とは限らない |
| 第3 | 条件適合理論 | 状況によって何が有効か | 状況の把握そのものが難しい |
この変遷の順序と、各理論がなぜ次に進んだかが問われます。特性理論が見直されたのは、偉大なリーダーに共通の特性が見つからなかったためです。
特性理論:リーダーの資質を探す
優れたリーダーに共通する資質を見つけようとした初期の理論です。身長、知性、自信、決断力など、さまざまな要素が検討されました。
しかし研究を重ねても、「偉大なリーダー」とされる人々に共通する特性は、期待したほど見つかりませんでした。これが行動理論へ進むきっかけになります。
現代のビジネスで重視される個人的特性としては、論理的思考力、コミュニケーション能力、当事者意識(オーナーシップ)などが挙げられます。
行動理論:リーダーの振る舞いを見る
「どんな人か」ではなく「何をしているか」に着目した理論です。行動なら学習・訓練で身につけられるという点で、実務的な価値があります。
代表的な整理として、仕事の達成に向ける行動と人間関係に向ける行動の2軸で捉える考え方があります。
条件適合理論(コンティンジェンシー理論)
唯一の正しいリーダー像は存在せず、状況によって有効なあり方が変わるという考え方です。
考慮される状況要因
- リーダーと部下の関係(信頼があるか)
- 課題の明確さ(何をすべきかがはっきりしているか)
- リーダーの権限の強さ
- 部下の成熟度(能力と意欲)
たとえば、部下が未熟なら具体的に指示するほうが有効ですが、成熟していれば権限を委ねるほうが機能します。集団の発展段階に応じて関わり方を変えるという考え方も、この系譜にあります。
リーダーシップとマネジメントの違い
コッターの整理として頻出です。
| リーダーシップ | マネジメント | |
|---|---|---|
| 役割 | 変革を起こす | 複雑さに対処する |
| 第1段階 | 方向性を示す | 計画と予算の策定 |
| 第2段階 | 人心を統合する(ビジョンの伝達) | 組織化と人員配置 |
| 第3段階 | 動機づける | 統制と問題解決 |
対応関係で覚えます。リーダーシップは「変える」、マネジメントは「回す」。どちらも必要で、優劣はありません。
パワーの源泉
リーダーが人を動かす力の源は複数あります。
| 源泉 | 内容 | 副作用 |
|---|---|---|
| 強制力 | 罰を与えられる立場 | 恐怖心から言われたことしかしなくなる |
| 報酬力 | 報酬を与えられる立場 | 「あって当たり前」になると効かなくなる |
| 正当性 | 役職に基づく権限 | 役職を離れると失われる |
| 専門力 | 知識・技能への信頼 | 分野が変わると通用しない |
| 同一化 | 人間的な魅力への共感 | 属人的で引き継げない |
受け手の認識で決まる
重要なのは、パワーの大きさは受け手がどう認識しているかで決まるという点です。本人が専門知識を持っていても、相手がそう認識していなければ影響力は生じません。
例題で確認する
問 リーダーシップの条件適合(コンティンジェンシー)理論において、最も重視される要素はどれか。
- (A) リーダー個人の身体的特徴
- (B) リーダーが置かれた状況(部下との関係、課題の明確さ、権限の強さなど)
- (C) 世界共通の唯一絶対の理想的なリーダー像
- (D) リーダーが過去に獲得した表彰の数
解答:(B)
条件適合理論の核心は「状況によって有効なリーダーシップは変わる」ことです。(C) はこの理論が否定した考え方そのもの、(A)(D) は特性理論でも支持されなかった要素です。
よくある質問
リーダーシップは生まれつきのものですか?
特性理論はそう考えましたが、共通の特性は見つかりませんでした。行動理論以降は「学習・訓練で身につけられる」という前提に立っています。
管理職はリーダーシップとマネジメントのどちらが必要ですか?
両方です。日常業務を回すマネジメントと、変化を起こすリーダーシップは役割が違い、どちらか一方では組織は機能しません。
この単元、いま何問解けますか
登録なしで、その場で解けます。読んで分かったつもりでも、4択になると迷うのがこの単元です。
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第1問 特性理論が見直されるきっかけとなった事実はどれか。
研究を重ねても共通の特性が見つからなかったため、「何をするか」を見る行動理論へと進みました。
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第2問 パワーの源泉のうち「強制力」を多用した場合の長期的な副作用はどれか。
罰による統制は短期的には動きますが、自発性を奪い、組織から活力を失わせます。
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第3問 コッターの整理において、マネジメントの役割として適切なものはどれか。
計画・予算・組織化・統制がマネジメント、方向づけ・統合・動機づけがリーダーシップです。前者は「回す」、後者は「変える」役割になります。
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