最終更新:2026/08/27
一言でいうと:どの事業に金を回すかを決める道具
PPM(Product Portfolio Management)は、複数の事業を抱える企業がどの事業に投資し、どこから資金を引き出すかを判断するためのフレームワークです。ボストン・コンサルティング・グループが考案しました。
使う軸は2つだけです。
- 縦軸:市場成長率(その市場は伸びているか)
- 横軸:相対的市場シェア(競合と比べて自社の地位は高いか)
PPMは「事業の良し悪し」を決める道具ではなく、資金の流れを設計する道具です。ここを外すと出題の意図を取り違えます。
4象限それぞれの意味と打ち手
| 象限 | 市場成長率 | 相対シェア | 資金の出入り | 打ち手 |
|---|---|---|---|---|
| 花形(Star) | 高い | 高い | 稼ぐが投資も要る | 投資を続けて地位を守る |
| 金のなる木(Cash Cow) | 低い | 高い | 大きく稼ぐ | 資金を他へ回す |
| 問題児(Question Mark) | 高い | 低い | 投資が必要 | 選別して集中投資、または撤退 |
| 負け犬(Dog) | 低い | 低い | 稼げない | 撤退・縮小を検討 |
資金の流れが本質
PPMの核心は、「金のなる木」で稼いだ資金を「問題児」や「花形」に回すという循環です。成熟市場の高シェア事業は追加投資が少なくて済むため、資金の供給源になります。
理想的な事業の一生は、問題児 → 花形 → 金のなる木という流れです。成長市場で低シェアだった事業に投資してシェアを取り、市場が成熟したあとも高シェアを保って稼ぎ続ける形です。
GMAP-BFでの出題ポイント
- 4象限の名前と位置の対応(どの軸が高い/低いか)
- 各象限の打ち手(特に「金のなる木」の資金を他へ回すこと)
- 資金の流れの方向(どこからどこへ回すか)
- PPMの限界(事業間のシナジーを考慮できない点)
PPMの限界も問われる
PPMは2軸だけで判断するため、事業同士の相乗効果を評価できません。単体では「負け犬」でも、他事業の顧客接点として不可欠な場合があります。この限界を補うために、複数の指標を使うGEのビジネス・スクリーンが用いられることもあります。
最頻出の混同:花形と金のなる木
この2つの取り違えは、GMAP-BFで繰り返し狙われます。どちらも相対シェアは高いため、市場成長率だけが違いです。
| 花形 | 金のなる木 | |
|---|---|---|
| 市場成長率 | 高い | 低い |
| 必要な投資 | 多い(シェア維持のため) | 少ない |
| 生み出す資金 | 投資に消える | 手元に残る |
| 役割 | 将来の稼ぎ頭 | 現在の資金源 |
覚え方:設問に「市場成長率が低い」とあれば金のなる木。成長率の記述を最初に探す癖をつけると、取り違えません。
例題で確認する
問 PPMにおいて「問題児」に分類された事業への対応として、最も適切なものはどれか。
- (A) 市場が成長しているため、すべての問題児に均等に投資する
- (B) 見込みのある事業を選別し、集中的に投資してシェアを高める
- (C) シェアが低いため、直ちにすべて撤退する
- (D) 資金を生まないため、金のなる木へ資金を供給させる
解答:(B)
問題児は成長市場にあるためチャンスはありますが、シェアが低いため投資が必要です。全部に投資すると資金が分散して共倒れになるので、選別して集中させます。
(A) は資源の分散で誤り。(C) は成長機会を捨てる判断で早計。(D) は資金の流れが逆(金のなる木が供給側)です。
よくある質問
PPMは何の略ですか?
Product Portfolio Management(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)です。
縦軸と横軸のどちらが市場成長率ですか?
一般に縦軸が市場成長率、横軸が相対的市場シェアです。ただし試験では軸の向きより、各象限の条件(成長率が高いか低いか)を設問文から読み取ることが重要です。
「負け犬」は必ず撤退すべきですか?
そうとは限りません。他事業とのシナジーがある場合や、撤退コストが大きい場合は継続の判断もあります。PPMは2軸だけの分析であり、これがPPMの限界として問われます。
この単元、いま何問解けますか
登録なしで、その場で解けます。読んで分かったつもりでも、4択になると迷うのがこの単元です。
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第1問 PPMにおいて、市場成長率が高く相対的市場シェアが低い事業はどれか。
成長市場にありながらシェアを取れていない事業が「問題児」です。投資すれば花形になりうる一方、投資しなければ負け犬に落ちます。
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第2問 PPMの限界として指摘される点はどれか。
PPMは市場成長率とシェアの2軸だけで判断するため、事業同士の相乗効果が評価できません。単体では負け犬でも、他事業の顧客接点として不可欠なことがあります。
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第3問 「金のなる木」に位置づけられる事業への対応として適切なものはどれか。
成熟市場の高シェア事業は追加投資が少なくて済み、資金の供給源になります。その資金を問題児や花形へ回すのがPPMの考え方です。
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