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PPMは、2軸4象限で資金配分を考える
市場成長率と相対的市場シェアを交差させ、事業の役割を見分けます。 各項目を押すと、本文の該当箇所へ進めます。
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一言でいうと:どの事業に金を回すかを決める道具
PPM(Product Portfolio Management)は、複数の事業を抱える企業がどの事業に投資し、どこから資金を引き出すかを判断するためのフレームワークです。ボストン・コンサルティング・グループが考案しました。
使う軸は2つだけです。
- 縦軸:市場成長率(その市場は伸びているか)
- 横軸:相対的市場シェア(競合と比べて自社の地位は高いか)
PPMは資源配分を考える入口です。象限を決めただけで、利益額や最終的な撤退判断まで自動的に確定するわけではありません。
4象限の基本はBCGのGrowth Share Matrix解説を参照しています(2026年9月9日確認)。以下の数値・設問は当サイトの独自例で、GMAPの公式問題や出題頻度を示しません。
4象限それぞれの意味と打ち手
| 象限 | 市場成長率 | 相対シェア | 資金の出入り | 打ち手 |
|---|---|---|---|---|
| 花形(Star) | 高い | 高い | 成長に伴う投資を要しやすい | 競争力を維持する投資を検討 |
| 金のなる木(Cash Cow) | 低い | 高い | 他事業への資金供給を期待 | 維持投資と資金配分を検討 |
| 問題児(Question Mark) | 高い | 低い | 地位向上に投資を要しやすい | 競争力を獲得できるか選別 |
| 負け犬(Dog) | 低い | 低い | 成長・競争力の面で再検討 | 継続・売却・縮小等を比較 |
資金の流れが本質
基本的な考え方は、資金を生む事業から成長投資を必要とする事業へ配分することです。ただし、成熟した高シェア事業でも更新投資や運転資金は必要です。実際に他へ回せる額はキャッシュフローで確認します。
問題児がシェアを高めて花形になり、その後に市場が成熟して金のなる木になるのは、説明上の一つの成長経路です。すべての事業がこの順番を通る、投資すれば花形になる、と決まっているわけではありません。
学習で確認したい4つの論点
- 4象限の名前と位置の対応(どの軸が高い/低いか)
- 各象限の打ち手(特に「金のなる木」の資金を他へ回すこと)
- 資金の流れの方向(どこからどこへ回すか)
- PPMの限界(事業間のシナジーを考慮できない点)
分類の限界と、別に確認すること
2軸の分類には、事業間の相乗効果、撤退費用、技術変化、顧客との長期契約は直接入りません。例えば低成長・低シェアでも、他事業への販売接点として価値がある場合を考えられます。これは独自の仮想例であり、継続が常に正しいという意味でもありません。
市場成長だけで業界の利益率まで決めないためにファイブフォースを、投資を活かせる自社資源の確認にはVRIO・バリューチェーンを併用します。市場の変化を機会・脅威へ整理する手順はSWOT・3C・PESTで補えます。
片方の軸だけでは決まらない
花形と金のなる木は、どちらも相対シェアが高い場合の区分です。この2つだけを比較するなら成長率が違いになりますが、全4象限から選ぶ場合はシェアの条件も必要です。
| 比較点 | 花形 | 金のなる木 |
|---|---|---|
| 市場成長率 | 高い | 低い |
| 一般的な資源配分の視点 | 成長市場での地位を維持 | 成熟市場の地位を活かし資金供給 |
| 別途必要な確認 | 投資額・回収・競争環境 | 更新投資・運転資金・競争環境 |
低成長・高相対シェアなら金のなる木。低成長・低相対シェアなら負け犬。成長率が低いという条件だけでは、どちらか決まりません。
独自計算例:同じ低成長でも分類は違う
この例では相対的市場シェアを「自社シェア÷最大の競合他社のシェア」とし、1以上を高い、1未満を低いと定めます。市場成長率は5%以上を高いとする練習用の境界です。境界は設問の定義を優先し、5%を普遍的な基準として覚えないでください。
| 仮想事業 | 市場成長率 | 自社シェア | 最大競合シェア | 相対シェア |
|---|---|---|---|---|
| A | 2% | 30% | 20% | 1.5 |
| B | 2% | 15% | 30% | 0.5 |
| C | 12% | 40% | 20% | 2.0 |
| D | 12% | 10% | 25% | 0.4 |
Aは30÷20=1.5、Bは15÷30=0.5。両方とも低成長ですが、Aは金のなる木、Bは負け犬です。Cは花形、Dは問題児になります。自社が首位の場合も分母は自社を除いた最大の競合他社であり、30÷30のように自社で割りません。
上段=高成長、下段=低成長。左列=高相対シェア、右列=低相対シェア。例の境界は成長率5%、相対シェア1(境界以上を高いとする)。5%は普遍的な基準ではありません。
AとBは同じ成長率2%でも、相対シェアが異なるので別の象限です。相対シェアの分母は、自社を除く最大競合のシェア。
例題で確認する
問 PPMにおいて「問題児」に分類された事業への対応として、最も適切なものはどれか。
- (A) 市場が成長しているため、すべての問題児に均等に投資する
- (B) 見込みのある事業を選別し、集中的に投資してシェアを高める
- (C) シェアが低いため、直ちにすべて撤退する
- (D) 資金を生まないため、金のなる木へ資金を供給させる
解答:(B)
問題児には成長市場での機会がある一方、競争力獲得には投資が必要になりやすいため、成長の見込みと必要資源を比較して選別する(B)が適切です。すべてに均等投資すると必ず共倒れになるという証明ではなく、選別をせず一律に扱う判断が不適切という意味です。
(A) は資源の分散で誤り。(C) は成長機会を捨てる判断で早計。(D) は資金の流れが逆(金のなる木が供給側)です。
よくある質問
PPMは何の略ですか?
Product Portfolio Management(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)です。
縦軸と横軸のどちらが市場成長率ですか?
一般に縦軸が市場成長率、横軸が相対的市場シェアです。ただし試験では軸の向きより、各象限の条件(成長率が高いか低いか)を設問文から読み取ることが重要です。
「負け犬」は必ず撤退すべきですか?
必ずではありません。他事業との相乗効果、実際のキャッシュフロー、撤退費用なども確認し、継続と撤退等を比較します。象限だけで事業の価値や最終判断を確定しないことが重要です。
PPMは、2軸4象限で資金配分を考える
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この単元、いま何問解けますか
登録なしで、その場で解けます。読んで分かったつもりでも、4択になると迷うのがこの単元です。
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第1問/全3問 PPMにおいて、市場成長率が高く相対的市場シェアが低い事業はどれか。
高成長・低相対シェアの組合せが「問題児」です。「花形」は高成長・高相対シェア、「金のなる木」は低成長・高相対シェア、「負け犬」は低成長・低相対シェアです。追加投資だけで花形への移動が保証されるわけではなく、成長率と相対シェアが実際にどう変わるかで分類が変わります。
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第2問/全3問 【複合判断】以下の二つは独立した判断である。各担当者案が、与えられた条件の下で適切かを判定し、その組合せを選べ。 【判断Ⅰ】PPMの限界として、担当者は『成熟市場の事業を分類できない』と述べた。 【判断Ⅱ】金のなる木に分類された事業は、既存能力で需要を満たし、維持投資後も余剰資金がある。増設の便益は確認されていない。担当者は『分類名だけを根拠に大規模な増設投資を継続すべきだ』と述べた。
判断Ⅰ:不適切。低成長の市場でも相対シェアによって金のなる木・負け犬に分類できます。2軸だけでは事業間の相乗効果を評価しきれないことなどが限界です。 判断Ⅱ:不適切。需要を満たし便益が未確認の与件では、分類名だけで増設継続を決められません。維持投資と余剰資金を区別し、他事業への配分も含めて使途を評価します。金のなる木なら投資不要と断定する意味ではありません。
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第3問/全3問 金のなる木に分類された事業は、必要な維持投資後も余剰資金を生む。現事業の増設便益は未確認だが、他の成長事業には便益を確認した投資機会がある。この与件で検討すべき資金配分案はどれか。
この与件では維持投資と余剰資金を分け、便益を確認した成長事業へ配分する案を検討できます。「低成長だから撤退」「高シェアだから増設」は分類だけの判断です。成長事業から資金を集める案も、現事業が余剰を生み他事業に投資機会があるという条件と合いません。PPMの分類だけで、実際のキャッシュフローや全ての投資判断が確定するわけではありません。
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