最終更新:2026/08/27
一言でいうと:業界の儲けやすさを構造から判断する道具
ファイブフォース分析は、マイケル・ポーターが提唱した業界構造の分析手法です。5つの力が強いほど、その業界の収益性は下がります。
重要なのは、これが個社の強さではなく業界そのものを見る道具だという点です。「どの業界で戦うか」を決めるために使います。
5つの力
| 力 | 内容 | 強いとどうなるか |
|---|---|---|
| 既存企業間の競争 | 同業他社との争い | 価格競争で利益が削れる |
| 新規参入の脅威 | 新しい企業が入ってくる可能性 | 供給が増えて価格が下がる |
| 代替品の脅威 | 別の手段で同じニーズが満たされる | 需要そのものが奪われる |
| 買い手の交渉力 | 顧客が値下げを迫る力 | 売値を下げざるを得ない |
| 売り手の交渉力 | 仕入先が値上げを通す力 | 原価が上がる |
5つのうち3つは「価格」に効き、2つは「需要」に効きます。どの力も、最終的には利益率を圧迫する方向に働きます。
参入障壁が低い業界で起きること
GMAP-BFで頻出なのが参入障壁です。参入しやすい業界では、次の循環が起きます。
- 誰かが儲かる方法を見つける
- 収益性が高いと知られ、新規参入が増える
- 供給が増えて価格競争になる
- 結果的に業界全体の収益性が下がる
つまり「儲かっている業界」は、そのままでは儲かり続けません。参入障壁の高さが、収益性を維持できるかを決めます。
参入障壁になるもの
- 規模の経済(大量に作らないと採算が合わない)
- 巨額の初期投資
- ブランドや顧客の切り替えコスト
- 流通チャネルの押さえ
- 法規制・許認可
代替品は「同業他社」ではない
混同されやすい点です。代替品とは別の手段で同じニーズを満たすものであり、同じ業界の競合ではありません。
| 業界 | 同業他社 | 代替品 |
|---|---|---|
| 鉄道 | 他の鉄道会社 | 航空機・高速バス・オンライン会議 |
| 紙の新聞 | 他紙 | ニュースアプリ・SNS |
| 外食 | 他の飲食店 | 中食(惣菜・宅配) |
代替品の怖さは、価格競争ではなく需要そのものを失う点にあります。値下げしても対抗できません。
GMAP-BFでの出題ポイント
- 5つの力の名前(「競合他社の数」など、5つに含まれないものを混ぜる問題が出る)
- 参入障壁が低い業界で起きること(収益性が下がる)
- 代替品と同業他社の区別
- 買い手/売り手の交渉力が強くなる条件(相手の数が少ない、切り替えが容易など)
例題で確認する
問 新規参入が容易な業界で起こりやすい事態として、最も適切なものはどれか。
- (A) 業界の収益性が長期にわたって高く維持される
- (B) 収益性が上がるとすぐに参入者が増え、結果的に収益性が下がる
- (C) 競合他社の数がゼロに近づいていく
- (D) 買い手の交渉力がまったく働かなくなる
解答:(B)
参入障壁が低いと、収益性の高さが参入を呼び込みます。供給が増えれば価格競争になり、業界平均の収益性は下がっていきます。
(A) は参入障壁が高い業界の特徴。(C)(D) は参入が容易であることから導けません。
よくある質問
ファイブフォースは何を分析するものですか?
業界そのものの収益性です。自社の強みを分析する道具ではありません。自社の資源を見るならVRIOやバリューチェーンを使います。
3C分析との違いは何ですか?
3Cは市場・競合・自社の3点を見る幅広い枠組みで、ファイブフォースは業界構造に絞った分析です。3Cの「競合」を深掘りする道具と考えると分かりやすくなります。
この単元、いま何問解けますか
登録なしで、その場で解けます。読んで分かったつもりでも、4択になると迷うのがこの単元です。
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第1問 ファイブフォースの「代替品の脅威」に該当するものはどれか。鉄道会社の場合で考えなさい。
代替品は「別の手段で同じニーズを満たすもの」です。他の鉄道会社は同業他社であり、代替品ではありません。
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第2問 買い手の交渉力が強くなる条件として適切なものはどれか。
切り替えが容易なら「他に移る」と言える立場になり、値下げを迫る力が強まります。買い手が分散していたり差別化が強い場合は、逆に交渉力が弱まります。
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第3問 ファイブフォース分析が明らかにするものはどれか。
ファイブフォースは業界そのものの儲けやすさを見る道具です。自社の資源を見るならVRIO、自社の活動を見るならバリューチェーンを使います。
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