バリューチェーンとVRIO|競争優位の源泉を見る

業界ではなく自社を見る枠組みです。どこで価値を生んでいるかを特定します。

最終更新:2026/08/27

業界を見る道具と、自社を見る道具

ファイブフォースが業界の構造を見るのに対し、バリューチェーンとVRIOは自社の中身を見ます。「儲かる業界にいるか」と「自社が勝てるか」は別の問いです。

枠組み見るもの答える問い
ファイブフォース業界構造この業界は儲かるか
バリューチェーン自社の活動どこで価値を生んでいるか
VRIO自社の経営資源その強みは続くか

バリューチェーン:主活動と支援活動

事業活動を機能ごとに分解し、どの工程で付加価値が生まれているかを特定する枠組みです。

主活動(価値が流れる本流)

支援活動(主活動を支える)

混同注意/人事や技術開発は「支援活動」です。重要度が低いという意味ではなく、価値の流れの本流にはないという分類です。

何のために分解するのか

分解する目的は、資源の投入先を決めることです。付加価値を生んでいる工程には厚く配分し、そうでない工程は外部委託や効率化を検討します。強みだけでなく弱みも把握することで、克服すべき課題が明確になります。

VRIO:その強みは続くか

見つけた強みが持続的な競争優位になるかを、4つの問いで評価します。

問い内容満たさないと
Value(価値)経済的価値があるかそもそも強みではない
Rarity(希少性)他社が持っていないか一時的な優位にとどまる
Imitability(模倣困難性)真似されにくいかすぐに追いつかれる
Organization(組織)活かす仕組みがあるか宝の持ち腐れになる

この順に問い、すべて満たして初めて持続的な競争優位になります。

模倣困難性が最も重要

GMAP-BFで頻出なのが模倣困難性です。長年の蓄積、複雑に絡み合った組織能力、歴史的な経緯によるものは真似されにくくなります。逆に、お金で買える資源は模倣されやすいため、持続的な優位にはなりません。

無形資産が重視される理由

リソース・ベースド・ビュー(RBV)では、設備や資金といった有形資産より無形資産が重視されます。ブランド、技術ノウハウ、組織文化、顧客との関係などです。

理由は単純で、有形資産は買えるが、無形資産は買えないからです。設備は資金があれば同じものを揃えられますが、長年かけて築いた組織能力は購入できません。

「模倣が困難」の正体は、多くの場合「時間をかけないと作れない」ことです。ここが競争優位の持続性を生みます。

例題で確認する

 ポーターのバリューチェーンにおいて、支援活動に分類されるものはどれか。

解答:(C)

技術開発は支援活動です。(A)(B)(D) はいずれも主活動で、原材料が製品となって顧客に届くまでの価値の流れの本流にあります。

覚え方:モノが動く流れが主活動。人事・技術開発・全般管理・調達活動は、それを支える側です。

よくある質問

バリューチェーンは製造業でしか使えませんか?

サービス業でも使えます。「製造」を「サービス提供」に置き換えれば同じ構造で分解できます。製造業限定とする選択肢は誤りです。

VRIOの4つはどの順で問いますか?

Value → Rarity → Imitability → Organization の順です。価値がないものに希少性を問う意味がないため、この順序に意味があります。

この単元、いま何問解けますか

登録なしで、その場で解けます。読んで分かったつもりでも、4択になると迷うのがこの単元です。

  1. 第1問 ポーターのバリューチェーンにおいて、主活動に分類されるものはどれか。

  2. 第2問 VRIOの4つの問いのうち、持続的な競争優位を左右する最大の要素として問われるものはどれか。

  3. 第3問 リソース・ベースド・ビューが無形資産を重視する理由として適切なものはどれか。

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