最終更新:2026/08/27
違いは「何で等級を決めるか」だけ
GMAP-BFで最も混同されやすい人事制度の対です。名前が似ていますが、等級を決める基準がまったく違います。
| 職能資格制度 | 職務等級制度 | |
|---|---|---|
| 等級の基準 | 人の能力(職務遂行能力) | 仕事の価値(職務の大きさ) |
| 異動したら | 等級は変わらない | 職務が変われば等級も変わる |
| 能力が伸びたら | 等級が上がりうる | 職務が同じなら変わらない |
| 向く運用 | ジョブローテーション、長期育成 | 専門性の明確な職務 |
| 対応する雇用 | メンバーシップ型 | ジョブ型 |
覚え方:職「能」=能力、職「務」=仕事。漢字と紐づけると取り違えません。
職能資格制度:人に等級がつく
人が持っている職務遂行能力に応じて等級を決めます。日本企業で長く使われてきた仕組みです。
利点
- 異動しても等級が下がらないため、幅広い経験を積ませやすい
- 配置転換の自由度が高い
- 長期的な人材育成に向く
課題
- 能力の測定が曖昧になりやすい
- 年功的な運用に流れやすい(勤続年数=能力とみなされる)
- 実際の仕事の価値と処遇がずれることがある
職務等級制度:仕事に等級がつく
担当する職務の価値の大きさに応じて等級を決めます。同じ人でも、担当が変われば等級が変わります。
利点
- 処遇の根拠が明確(この仕事だからこの等級)
- 外部労働市場との比較がしやすい
- 専門人材の採用・処遇に向く
課題
- 職務が変わると等級が下がりうるため、異動がしにくい
- 職務の価値を評価する作業(職務分析)が必要
- 組織変更のたびに等級の見直しが要る
ジョブ型とメンバーシップ型
雇用のあり方としての対比です。人事制度と対応関係があります。
| ジョブ型 | メンバーシップ型 | |
|---|---|---|
| 考え方 | 仕事に人をつける | 人に仕事をつける |
| 採用 | 職務を定めて募集 | 総合職として一括採用 |
| 異動 | 原則として職務内 | 会社の判断で幅広く |
| 対応する等級制度 | 職務等級制度 | 職能資格制度 |
覚え方:ジョブ(仕事)が先にあって、そこに人を当てるのがジョブ型。メンバーシップは「まず仲間にする」から始まります。
そのほか押さえておく用語
| 用語 | 内容 |
|---|---|
| 役割等級制度 | 期待される役割の大きさで等級を決める(両者の中間的な仕組み) |
| コンピテンシー | 高業績者に共通する行動特性。保有能力ではない |
| エンプロイアビリティ | 他社からも求められる、労働市場で通用する能力 |
| 内部公平性 | 社内の処遇のつり合い |
| 外部競争力 | 他社の水準と比べたときの魅力 |
コンピテンシーは頻出です。「持っている能力」ではなく「実際にとっている行動」を見る点が要点として問われます。
例題で確認する
問 職能資格制度の特徴として、最も適切なものはどれか。
- (A) 担当する職務の価値の大きさに応じて等級が決まる
- (B) 従業員が保有する職務遂行能力に応じて等級が決まる
- (C) 勤続年数のみによって等級が自動的に決まる
- (D) 職務が変わるたびに等級が見直される
解答:(B)
職能資格制度は人の能力を基準にします。(A) と (D) は職務等級制度の特徴です。(C) は年功序列の説明で、職能資格制度が年功的に運用されがちという批判はありますが、制度の定義そのものではありません。
よくある質問
どちらの制度が優れていますか?
優劣はなく、事業と人材戦略によります。幅広い経験を積ませたいなら職能資格制度、専門性を明確に処遇したいなら職務等級制度が向きます。
日本企業はジョブ型に移行していますか?
一部で導入が進んでいますが、完全な移行は限定的です。試験では動向より、両者の定義の違いが問われます。
この単元、いま何問解けますか
登録なしで、その場で解けます。読んで分かったつもりでも、4択になると迷うのがこの単元です。
-
第1問 職務等級制度において、等級を決める基準はどれか。
職「務」等級は仕事の価値、職「能」資格は人の能力です。漢字で紐づけると取り違えません。
-
第2問 「仕事に人をつける」考え方に立つ雇用のあり方はどれか。
ジョブ(仕事)が先にあり、そこに人を当てるのがジョブ型です。メンバーシップ型は「人に仕事をつける」形になります。
-
第3問 コンピテンシーの定義として最も適切なものはどれか。
「持っている能力」ではなく「実際にとっている行動」を見る点が本質です。④はエンプロイアビリティの説明です。
※本サイトは独立した非公式の試験対策コンテンツであり、株式会社グロービス/GMAPの公式サービスとは関係ありません。試験の形式や出題範囲は実施回・実施企業により異なる場合があります。