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EVA・業績評価とは|意味と選択肢の見分け方

黒字でも、資本コストを上回ったとは限らない。 独自の例題と解説で、条件を読んで判断する練習をします。

要点 → 比較 → 3問最終更新 2026/09/25
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今日の学習ゴール

用語を覚えるだけでなく、成立する条件を説明できるようにしましょう。

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まず結論

EVA・業績評価とは?

EVA(経済付加価値)は、税引後営業利益(NOPAT)から、投下資本に資本コスト率(WACC)を掛けた金額を差し引く業績指標です。率ではなく金額で表します。

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最初に押さえる結論

黒字でも、資本コストを上回ったとは限らない。

EVA(経済付加価値)は、税引後営業利益(NOPAT)から、投下資本に資本コスト率(WACC)を掛けた金額を差し引く業績指標です。率ではなく金額で表します。

式は EVA=NOPAT−投下資本×WACC。WACCには負債と株主資本のコストを織り込みます。株主が資金を提供する機会費用も考えるため、実際に支払った利息だけを引く計算とは違います。

項目このページでの扱い混同しないもの
NOPAT税引後の営業利益支払利息控除後の当期純利益ではない
投下資本利益を生む事業へ投入した資本売上高や時価総額をそのまま使わない
WACC対象期間に対応する資本コスト率10%は計算では0.10
資本コスト額投下資本×WACC全額が現金支出になるという意味ではない

実務ではNOPATや投下資本の会計調整、期首・平均などの資本の測り方をそろえる必要があります。ここではその調整を終えた数値を設問で与えます。WACCの考え方と企業価値・DCFを区別して学ぶと、単年度の業績と将来価値を混同しにくくなります。

以下は当サイトの教材を使った学習用の例です。公式問題・過去問の転載や再現ではなく、本番の出題頻度や合格を保証するものではありません。概念の定義と、個別の設問で成り立つ判断を分けて読んでください。

EVA・業績評価を例題の条件に当てはめる

最初は解説付きの例題で、どの条件が判断に必要かを確認します。複数の判断が含まれる場合は、一方の結論をもう一方へ流用せず、それぞれの与件で検討してください。

例題:条件と選択肢を省略せず読む

ある事業の1年間の税引後営業利益(NOPAT)は84百万円、同じ期間のEVA計算に用いる調整済み投下資本は900百万円、年率WACCは10%だった。追加の会計調整は行わない。この事業のEVAはいくらか。

例題の解説:結論を支える条件は何か

正解:(B) −6百万円

(B)が正解。資本コスト額は900×0.10=90百万円、EVAは84−90=−6百万円です。(A)は差の符号を逆にしています。(C)の75.6は84×0.9で、NOPATに10%を掛けて減らした誤計算です。(D)は84+90と、控除すべき資本コスト額を足しています。営業利益が黒字であることと、資本提供者の要求水準を上回ることは別です。

独自の計算例利益が増えても、資本コスト額との差は悪化し得る
年間金額(百万円) 060120 8490100108 現状拡張案
  • NOPAT
  • 資本コスト額

現状:84 − 900 × 10% = −6百万円
拡張案:100 − 1,200 × 9% = −8百万円
年間EVAの変化:2百万円の減少

同じ期間・調整方法による仮定の比較。棒はNOPATと資本コスト額で、EVAそのものの棒ではありません。EVAは2本の差額です。資本コスト額は実支払利息だけではなく、株主資本の機会費用も含みます。長期の投資採否はこの図だけで決まりません。

この例題を復習するときの視点:率を掛ける対象はNOPATではなく投下資本。税引後の数値に再び税金を掛けないでください。

解説の結論は、上の設問で与えられた条件についてのものです。条件や目的が変わる別のケースでも同じ選択肢になる、という一般則として覚えないでください。

条件を変えて考える・実務と混同しない

条件を変えて考えます。NOPAT84百万円と投下資本900百万円を固定した場合、EVAがゼロとなるWACCは84÷900=約9.33%です。WACCが8%なら84−72=12百万円、12%なら84−108=−24百万円となります。これは他の条件を固定した感度分析で、経営者がWACCだけを自由に設定できるという意味ではありません。

大きな事業はEVAの金額も大きくなりやすいため、規模の違う事業を金額だけで順位づけしないことも大切です。収益性・効率性の指標や投資機会、リスクと合わせて読みます。

復習では、①率と金額、②営業利益と資本コスト控除後、③単年度業績と長期企業価値、の三つの境界を説明してください。企業名の暗記だけでは、この区別を確かめられません。

自力で確かめ、別の問題へつなげる

  1. 「EVA・業績評価は何を判断する概念か」を、資料を閉じて一文で言う
  2. 例題の正答と誤答について、根拠となる条件を一つずつ挙げる
  3. 下の3問を解き、迷った条件や解答に要した時間を残す

確認用の3問には上で解説した例題も含まれます。読後の正解は理解確認であり、初見で解けることやテーマの習得完了を示す診断ではありません。解説を読んだ直後だけでなく、間隔を空けて別の問題にも取り組み、同じ誤りが再発していないか確認します。

確認した資料と学習例の位置づけ

算式はStern Value ManagementのEVA解説、測定上の調整と単年度評価の限界はNYU・Aswath DamodaranのEVA講義資料を確認しました(確認日:2026年9月9日)。当ページの企業・数値・選択肢は独自の学習用事例です。

関連する条件を、別のケースで確かめる

財務の結果に加え、その結果を支える顧客・工程・能力の指標も確認できます。 財務と非財務をつなぐBSCで、図・解答・検算を確認できます。

よくある質問

EVAがマイナスなら赤字企業ですか?

必ずしもそうではありません。NOPATがプラスでも、投下資本にWACCを掛けた資本コスト額を下回ればEVAはマイナスです。会計上の赤字と同一ではありません。

資本コストは銀行へ払う利息だけですか?

いいえ。WACCには負債と株主資本のコストを織り込みます。株主の要求収益に対応する機会費用を含み、資本コスト額のすべてが現金の支払いになるわけではありません。

EVAが上がれば、その施策を採用すべきですか?

単年度の改善だけでは決まりません。将来の収益見通しやリスク、会計調整の一貫性も確認し、長期価値の評価と組み合わせます。

この単元、いま何問解けますか

登録なしで、その場で解けます。読んで分かったつもりでも、4択になると迷うのがこの単元です。

  1. 第1問/全3問 ある事業の1年間の税引後営業利益(NOPAT)は84百万円、同じ期間のEVA計算に用いる調整済み投下資本は900百万円、年率WACCは10%だった。追加の会計調整は行わない。この事業のEVAはいくらか。

  2. 第2問/全3問 現状の年間NOPATは84百万円、対応投下資本900百万円、年率WACC10%。設備拡張案では年間NOPAT100百万円、対応投下資本1,200百万円、年率WACC9%を見込む。各値の測定期間と調整方法は統一されている。この数値だけで比較した年間EVAの変化として正しいものはどれか。

  3. 第3問/全3問 研究開発費を削る案により、今期のEVAは改善する見込みになった。一方、将来の製品競争力と収益への影響はまだ評価されていない。経営会議での判断として最も適切なものはどれか。

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