目次:読みたい項目を選ぶ
全体像・読み進め方を確認する
最初に押さえる結論
効率的市場は「誰も利益を得ない市場」ではない。情報集合と超過収益を分ける。
効率的市場仮説は、一定の情報が価格へ反映され、その情報だけを使ってリスク等に見合う水準を継続的に上回る収益を得ることは難しいと考えます。前提とする情報の範囲を区別します。
弱い形(ウィーク)は過去の市場価格等、準強い形(セミストロング)は公表情報全般、強い形(ストロング)は非公開情報も含む情報集合を扱います。広い集合は狭い集合を含むので、名称を一つ選ぶ設問は「最も狭い範囲」等の条件を確認します。
価格が変わらない、全員の利益がゼロ、誰も一度も市場を上回れない、という意味ではありません。実現収益が高くてもリスクや費用、偶然の影響を調べる必要があります。非公開情報の利用を利益獲得の方法として勧める話でもありません。
倍率だけの株価判断、リスク調整、ファンドの目的と費用とつなげます。現実の市場がどの程度効率的かは検証の対象で、この仮説から個別投資の成績を保証しません。
情報の価格反映と、相関による分散効果・CAPMの市場リスクは別の論点です。価格が情報を反映しても、実現利益を保証しません。オプションの買い手・売り手のリスクも、価格の効率性だけで同一になるわけではありません。
以下は当サイトの教材を使った学習用の例です。公式問題・過去問の転載や再現ではなく、本番の出題頻度や合格を保証するものではありません。概念の定義と、個別の設問で成り立つ判断を分けて読んでください。
効率的市場仮説を例題の条件に当てはめる
最初は解説付きの例題で、どの条件が判断に必要かを確認します。複数の判断が含まれる場合は、一方の結論をもう一方へ流用せず、それぞれの与件で検討してください。
例題:条件と選択肢を省略せず読む
過去の価格情報だけでなく、公表済みの財務諸表やニュースの情報も価格へ反映されていると仮定する。非公開情報が反映されているかは仮定しない。この範囲をカバーする最も狭い効率性の形はどれか。
- (A) ウィーク・フォーム
- (B) セミストロング・フォーム
- (C) ストロング・フォーム
- (D) 情報の範囲に関係なく三つは同義である
例題の解説:結論を支える条件は何か
正解:(B) セミストロング・フォーム
(B) です。過去の価格等を超え、公表情報全般を扱う最も狭い形は準強い形です。(A) は過去の市場情報の範囲で足りず、(C) はこの設問が仮定していない非公開情報まで含めます。(D) は情報集合の違いを消しています。三つは排他的な情報分類ではなく包含関係があるため、「最も狭い」という問いの条件が単一の答えを決めています。
仮説が想定する情報集合の包含図。現実の市場がどれに当たるかを判定する図ではありません。
数値・条件を文章で確認する
概念の包含関係。実際の市場を判定した図ではありません。
広い範囲は狭い範囲を含む。「誰も儲からない」とは違う。
解説の結論は、上の設問で与えられた条件についてのものです。条件や目的が変わる別のケースでも同じ選択肢になる、という一般則として覚えないでください。
条件を変えて考える・実務と混同しない
市場全体が上昇した年に利益を得たことだけでは、情報分析による超過収益を証明できません。比較対象、取ったリスク、費用控除前後を明示します。
指数が上昇して費用控除前110万円となる別ケースなら、同じ費用1万円の控除後は109万円です。連動運用は利益ゼロとも元本保証とも同義ではありません。
自力で確かめ、別の問題へつなげる
- 「効率的市場仮説は何を判断する概念か」を、資料を閉じて一文で言う
- 例題の正答と誤答について、根拠となる条件を一つずつ挙げる
- 下の3問を解き、迷った条件や解答に要した時間を残す
確認用の3問には上で解説した例題も含まれます。読後の正解は理解確認であり、初見で解けることやテーマの習得完了を示す診断ではありません。解説を読んだ直後だけでなく、間隔を空けて別の問題にも取り組み、同じ誤りが再発していないか確認します。
確認した資料と学習例の位置づけ
情報集合と仮説が意味しないことはNYU・Damodaran:Market Efficiency、連動とリスク・費用はSEC Investor.gov:Index Fundsの該当本文を確認(2026年9月9日)。取引方法の推奨ではなく、独自の学習ケースです。
よくある質問
効率的市場なら分析や学習は無意味ですか?
どの情報からどの収益を得る主張かを区別します。投資のリスク・費用・目的を理解する必要性まで否定する仮説ではありません。
この3問で習得完了を判断できますか?
本文で解説する問題も含む復習用の3問です。初見の診断や公式スコアではなく、条件を変えた問題でも根拠を説明できるか確認します。
この単元、いま何問解けますか
登録なしで、その場で解けます。読んで分かったつもりでも、4択になると迷うのがこの単元です。
-
第1問/全3問 過去の価格情報だけでなく、公表済みの財務諸表やニュースの情報も価格へ反映されていると仮定する。非公開情報が反映されているかは仮定しない。この範囲をカバーする最も狭い効率性の形はどれか。
(B) です。過去の価格等を超え、公表情報全般を扱う最も狭い形は準強い形です。(A) は過去の市場情報の範囲で足りず、(C) はこの設問が仮定していない非公開情報まで含めます。(D) は情報集合の違いを消しています。三つは排他的な情報分類ではなく包含関係があるため、「最も狭い」という問いの条件が単一の答えを決めています。
-
第2問/全3問 ある運用者が一年間だけ市場指数より高い収益を得た。担当者は「これで効率的市場仮説は否定された」と述べた。運用のリスク、費用、偶然の影響はまだ調べていない。適切な指摘はどれか。
(D) です。実現した収益と、情報を利用して継続的に得られるリスク調整後の超過収益を分けます。(A) は仮説を一度の成功も起きない主張に変え、(B) は比較条件を落としています。(C) は検証対象に合わせて基準を改変しています。偶然の上振れが起こり得るため、対象期間や比較方法を定めた検証が必要であり、この一例だけでは結論を確定できません。
-
第3問/全3問 ある指数連動ファンドの期首投資額は100万円。費用控除前の保有資産は指数と同じ10%下落し、別途この期間の費用1万円が期末に差し引かれる。税金や他の差はない。この学習例の期末評価額はいくらか。
(A) です。費用控除前は100×(1−0.10)=90万円、そこから1万円を引き89万円です。(B) は費用を無視し、(C) は市場の下落を無視しています。(D) は指数連動を元本保証に置き換えています。ファンドが連動を目指すことは指数自体の下落を防がず、費用や追随のずれによって指数と結果が異なる場合もあります。実際の商品の費用体系を示す例ではありません。
無料の6問で、問題と解説を試しましょう
6科目から1問ずつ。会員登録なしで独自問題と解説を体験できます。科目全体の実力や本番スコアを判定するものではありません。続けて学びたい方は、無料登録後に残り16問へ進めます。
▶ 登録不要・無料の6問を始める※本サイトは独立した非公式の試験対策コンテンツであり、株式会社グロービス/GMAPの公式サービスとは関係ありません。試験の形式や出題範囲は実施回・実施企業により異なる場合があります。
