最初に押さえる結論
配る? 残す? 株主と会社の綱引き。
「返済期限があり、必ず元本を返さな…」は負債の特徴。「倒産時に、負債の債権者よりも優先…」は負債の方が優先されるため誤り。「原則として返済義務がなく、企業の…」は所有権の一部(持分)である株主資本の本質であり正解。「調達に伴うコストが、借入金の利息…」はリスクが高いため逆にコストは高くなる。株主は「最後のリスクの受け手」です。
最初の判断軸:「負債は契約上の義務、株式は業績への期待」という性質の違いを整理しましょう。
配当政策・株主還元の全体像
配当政策・株主還元は、用語だけを暗記するより「何を判断するための概念か」を押さえると、初見の選択肢にも対応できます。
- 要点:「負債は契約上の義務、株式は業績への期待」という性質の違いを整理しましょう。
- 要点:株主への「配当」は税引後利益から支払われるため、節税効果はありません。
- 要点:「返さなくていい資本金の方が、金利を払う借金よりも実は高くつく」のがファイナンスの常識です。
- 要点:成長機会があるうちは再投資、機会がなくなれば配当で還元、というのが財務のセオリーです。
- 要点:経営成績が悪くないのに「万が一に備えて」と減配すると、市場から過度にネガティブに反応される恐れがあります。
試験で狙われる論点
同じテーマでも、定義・適用場面・似た概念との比較という別の角度から問われます。次の表で、正答につながる核を先に確認してください。
| 出題の焦点 | 正解の核 | 見分け方 |
|---|---|---|
| 株主資本(Equity)の大きな特徴として、負債(Debt)と比較した際に適切な内容はどれか。 | 原則として返済義務がなく、企業の業績に応じて配当が決定される。 | 「負債は契約上の義務、株式は業績への期待」という性質の違いを整理しましょう。 |
| WACCの計算において、負債コスト(rD)に(1-税率)を掛けることで「節税効果」を考慮する最大の理由はどれか。 | 支払利息が税務上の費用として認められ、法人税を減らす効果があるから。 | 株主への「配当」は税引後利益から支払われるため、節税効果はありません。 |
| 株主資本コストが、借入(負債)コストよりも常に高くなる論理的な理由として適切なものはどれか。 | 株式投資の方が元本毀損のリスクが高く、投資家が高いリターンを要求するから。 | 「返さなくていい資本金の方が、金利を払う借金よりも実は高くつく」のがファイナンスの常識です。 |
| 成長期のベンチャー企業が、無配当を維持して利益を全額再投資に回すことが、株主価値の観点から合理的とされる理由はどれか。 | 企業が高い成長率(ROI)を維持できれば、将来の大きな値上がり益に繋がるから。 | 成長機会があるうちは再投資、機会がなくなれば配当で還元、というのが財務のセオリーです。 |
選択肢で迷ったときの切り方
代表問題の正解は「原則として返済義務がなく、企業の業績に応じて配当が決定される。」です。正答語だけでなく、問題文のどの条件と結びつくかを説明できる状態にします。
一緒に並びやすい語
- 返済期限があり、必ず元本を返さなければならない。:正解語と何が違うかを一言で説明してから次へ進みます。
- 倒産時に、負債の債権者よりも優先して弁済を受けられる。:正解語と何が違うかを一言で説明してから次へ進みます。
- 調達に伴うコストが、借入金の利息よりも常に低くなる。:正解語と何が違うかを一言で説明してから次へ進みます。
選択肢を見てから思い出すのではなく、問題文を読んだ時点で答えの方向を予測すると迷いが減ります。
3分で復習する手順
- 「配当政策・株主還元は何を判断する概念か」を、資料を閉じて一文で言う
- 代表語「原則として返済義務がなく、企業の業績に応じて配当が決定される。」と、似た3語の違いを口に出す
- 下の3問を解き、不正解なら解説を読んだ直後にもう一度答える
正解数より、誤った選択肢をなぜ切れるかが重要です。3問とも理由を説明できれば、このテーマは一度完成です。
よくある質問
配当政策・株主還元は用語だけ覚えれば十分ですか?
不十分です。GMAP-BFでは定義の言い換えや適用場面が問われるため、何を判断する概念かと、似た用語との境界をセットで覚えてください。
復習はどこまでやればよいですか?
記事末尾の3問を、正答だけでなく残りの選択肢が誤りである理由まで説明できれば、次のテーマへ進んで構いません。
利益は、投資と株主還元へ配分する
配当だけを多くすれば良いのではなく、成長投資の機会と資本効率で判断します。 各項目を押すと、本文の該当箇所へ戻れます。
↑ 気になった項目を押すと、本文の解説へ戻れます
この単元、いま何問解けますか
登録なしで、その場で解けます。読んで分かったつもりでも、4択になると迷うのがこの単元です。
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第1問/全3問 株主資本(Equity)の大きな特徴として、負債(Debt)と比較した際に適切な内容はどれか。
「返済期限があり、必ず元本を返さな…」は負債の特徴。「倒産時に、負債の債権者よりも優先…」は負債の方が優先されるため誤り。「原則として返済義務がなく、企業の…」は所有権の一部(持分)である株主資本の本質であり正解。「調達に伴うコストが、借入金の利息…」はリスクが高いため逆にコストは高くなる。株主は「最後のリスクの受け手」です。
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第2問/全3問 WACCの計算において、負債コスト(rD)に(1-税率)を掛けることで「節税効果」を考慮する最大の理由はどれか。
「支払利息が税務上の費用として認め…」は利息が「損金(コスト)」として扱われ、その分利益が減り税負担が軽くなる実態を反映させるためであり正解。「借入金の元本返済そのものが、税務…」、「株主へ支払う配当金が、支払った時…」、「借入金の元本返済額が、そのまま費…」は事実と異なる。この節税効果(タックス・シールド)により、借入の「実質コスト」は表面金利より低くなります。
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第3問/全3問 株主資本コストが、借入(負債)コストよりも常に高くなる論理的な理由として適切なものはどれか。
「株主は債権者よりも常に高い利益を…」は感情論。「株式投資の方が元本毀損のリスクが…」は債権者が元本保護されるのに対し、株主は事業失敗時に一円も戻らないリスクを負うため、その分高いプレミアムを要求するという理論であり正解。「法律によって、配当額は金利の2倍…」と「借入は手続きが煩雑であり、手数料…」は誤り。ハイリスクにはハイリターンがセットです。
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