価格戦略の種類と使い分け

4Pのうち唯一、直接収益を生む要素です。狙いによって取る手が変わります。

最終更新:2026/08/27

新製品の価格は2つに大別される

新製品を出すときの価格設定は、方向が正反対の2つに分かれます。GMAP-BFで最も出やすい対比です。

スキミング・プライシングペネトレーション・プライシング
価格高く設定する低く設定する
狙い早期に開発費を回収一気にシェアを獲得
対象価格に敏感でない層価格に敏感な層
向く条件差別化されている/競合が少ない規模の経済が効く/模倣されやすい
語源上澄みをすくう(skim)市場に浸透する(penetrate)
覚え方:スキミング=上澄みをすくう=高く売る。語源で紐づけると逆に覚えません。

スキミングが向く場面

高価格で始めて、時間とともに下げていく戦略です。次の条件で有効になります。

リスクは、高価格が競合を呼び込むことです。儲かっていると分かれば参入が増えます。参入障壁が低い市場では成立しません。

ペネトレーションが向く場面

低価格で一気に広め、シェアを取ってから利益を取る戦略です。

リスクは、シェアを取れなかった場合に低価格だけが残ることです。一度下げた価格は上げにくいという性質もあります。

その他の主要な価格戦略

戦略内容
キャプティブ・プライシング本体を安く、消耗品で稼ぐプリンターとインク
ロス・リーダー価格目玉商品を安くして集客するスーパーの特売品
名声価格(プレステージ)あえて高く設定して品質を示す高級ブランド
端数価格980円のように端数にする小売全般
二部料金制基本料金+従量料金携帯電話、電気
バンドリング複数をまとめて割安にセット販売
キャプティブ(captive)は「捕虜」の意味。本体を買った時点で、その後の消耗品に縛られるという構造を表しています。

価格設定の3つの基準

価格そのものをどう決めるかにも、3つの考え方があります。

基準決め方弱点
コスト基準原価に一定の利益を乗せる顧客の価値観を無視している
競争基準競合の価格に合わせる価格競争に巻き込まれる
価値基準顧客が感じる価値から決める価値の測定が難しい

原価に利益を乗せる方法をコストプラス法(原価加算法)と呼びます。単純ですが、顧客がいくらまで払うかを考慮していない点が問われます。

例題で確認する

 規模の経済が強く働く市場で、新製品を低価格で投入して一気に市場シェアを獲得する価格戦略はどれか。

解答:(B)

低価格でシェアを取りにいくのがペネトレーションです。規模の経済が効く市場では、シェアを取ることでコストが下がり、後から利益を確保できます。

(A) は逆方向(高価格)、(C) は高価格で品質を示す戦略、(D) は価格の決め方の基準であって、市場への投入戦略ではありません。

よくある質問

スキミングとペネトレーション、どちらが優れていますか?

優劣はなく、条件によります。差別化が強く競合が少ないならスキミング、規模の経済が効き模倣されやすいならペネトレーションが向きます。

価格を下げると必ず売上は増えますか?

価格弾力性によります。弾力性が高い(価格に敏感な)市場では需要が大きく増えますが、低い市場では値下げしても数量が増えず、売上が減ることもあります。

この単元、いま何問解けますか

登録なしで、その場で解けます。読んで分かったつもりでも、4択になると迷うのがこの単元です。

  1. 第1問 本体を安く販売し、専用の消耗品で継続的に利益を上げる価格戦略はどれか。

  2. 第2問 スキミング・プライシングが有効に働く条件として適切なものはどれか。

  3. 第3問 コストプラス法(原価加算法)の弱点として指摘される点はどれか。

価格戦略の問題を、実際に解く

スキミングとペネトレーションの取り違えは、無料模試でも実際に狙われます。方向を逆に覚えていないか確認してください。

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