最終更新:2026/08/28
流通には3つの流れがある
チャネルを考えるとき、動いているものは1つではありません。3つの流れを区別するのが出発点です。
| 流れ | 動くもの | 具体例 |
|---|---|---|
| 物流 | モノそのもの | 倉庫から店舗への配送 |
| 商流 | 所有権・取引 | 売買契約、代金の決済 |
| 情報流 | 情報 | POSデータ、需要予測、販促情報 |
この3つは必ずしも一致しません。商流だけを担う卸売業者もあれば、物流だけを請け負う事業者もあります。
チャネルの「長さ」を決める
メーカーから消費者まで、いくつの段階を経るかが長さです。
| 形態 | 経路 | 特徴 |
|---|---|---|
| 直販(ゼロ段階) | メーカー → 消費者 | 顧客情報を直接得られる。コスト負担は大きい |
| 1段階 | メーカー → 小売 → 消費者 | 小売との関係構築が要 |
| 2段階 | メーカー → 卸 → 小売 → 消費者 | 広く行き渡るが、統制は効きにくい |
段階が多いほど広く届くが統制が効かなくなり、少ないほど統制できるが自社の負担が増えます。このトレードオフが問われます。
チャネルの「広さ」を決める
| 方針 | 内容 | 向く商品 |
|---|---|---|
| 開放的チャネル | できるだけ多くの店で扱う | 日用品、飲料 |
| 選択的チャネル | 条件を満たす店に絞る | 家電、化粧品 |
| 排他的チャネル | 特定の店にのみ任せる | 高級品、自動車 |
ブランドイメージを守りたい商品ほど、扱う店を絞る方向になります。どこでも安売りされる状態は、ブランド価値を損ないます。
垂直的マーケティング・システム(VMS)
チャネル全体を1つのシステムとして統制する仕組みです。
| 型 | 統制の方法 |
|---|---|
| 企業型VMS | 自社で流通段階を所有する(直営店など) |
| 契約型VMS | 契約で結ぶ(フランチャイズなど) |
| 管理型VMS | 力の強い企業が事実上主導する |
統制することで、価格・陳列・サービス水準を揃えられます。一方で、柔軟性は下がり、投資負担も大きくなります。
情報流が競争力になる理由
3つの流れのうち、近年最も重視されるのが情報流です。
販売時点の情報(POSデータ)を握れば、何がいつ売れるかを予測して発注できます。在庫を減らしながら欠品も防げるため、資金効率と顧客満足の両方が改善します。
「どこで売るか」の設計は、モノを届ける問題であると同時に、情報を集める問題でもあります。
例題で確認する
問 流通における「商流」が指すものはどれか。
- (A) 商品そのものの物理的な移動
- (B) 所有権の移転と取引の流れ
- (C) 販売データや需要予測の流れ
- (D) 販売員の配置と移動
解答:(B)
商流は取引と所有権の流れです。(A) は物流、(C) は情報流にあたります。3つの流れは必ずしも同じ経路をたどりません。
よくある質問
直販がいちばん有利ではないのですか?
顧客情報を直接得られる利点はありますが、物流も販売も自社で負担するためコストが大きくなります。商品特性と資源に応じた選択になります。
ECは何段階に当たりますか?
自社ECなら直販(ゼロ段階)、モールへの出店なら実質1段階と捉えられます。重要なのは段階数より、顧客との接点と情報を誰が持つかです。
この単元、いま何問解けますか
登録なしで、その場で解けます。読んで分かったつもりでも、4択になると迷うのがこの単元です。
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第1問 流通において「情報流」に該当するものはどれか。
情報流は販売データや需要予測の流れです。①は物流、②は商流にあたります。
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第2問 チャネルの段階が多くなるほど強まる傾向はどれか。
段階が増えるほどカバー範囲は広がりますが、間に入る事業者が増えるぶん統制は難しくなります。
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第3問 高級ブランド品で採用されやすいチャネル方針はどれか。
扱う店を厳しく絞ることで、ブランドイメージと価格を守れます。どこでも安売りされる状態は価値を損ないます。
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